神無月二日 晴れ
四週間前に稲刈りをして稲木に干した今年の米が、美味しさを蓄えた頃、そろそろ脱穀と参りましょう。米を食べる為のネクストステップ。農家の方々が商売用の米に用いる大型機械、コンバインは、稲刈りと同時に脱穀も行う機能が併設されているため、稲刈り日=脱穀日である。そして刈ったばかりの籾は水分が高いために、乾燥機で基準値まで乾燥させる。そうして市場に出荷されているのである。
さて、ちょっと注意してこの時期の田舎を観察すると、必ずどこかに稲木干しをしている田んぼを見つけるはずである。それはほぼ間違いなく、農家の方が自分たちの家で消費する分のお米に違いない。何故か。実に答えは明瞭で、稲木干しつまり天日干した米は文句なしにウマイから。他に理由なし。これは昨年の米で小生確認済みです。マチガイナイ。つまり、本当にうまい米はなかなか市場を介しては手に入らんよ、というささやかなる自慢である。くやしかったら、自分で育てて、手で刈って、干して、手に入れるべし。わかったか。
さて、脱穀作業とは文字通り、藁と籾を分離させる行程である。取り出しましたる道具は、足踏み脱穀機と唐箕(丸ヶ崎自然農の会の所有)。足踏み脱穀機は、まず簡単に稲藁から籾を取り去るのに用い、唐箕は、そこから葉屑や軽い米などを取り除くのに用いる。この行程をすぎれば、手元に残るのは、籾殻のついたお米ちゃんである。あとは籾摺りして精米すればピカピカの白米ちゃんに出会うことができる。
いずれも作ろうと思えば木と竹で出来そうな単純な仕組み。もちろんその奥深さはそれぞれ歴史の重みを感じずにはいられない。そもそもコンバインの中身って、機械化した足踏み脱穀機と唐箕が稲刈り機にくっついてるだけだもんね。原理は変わってないのだ。
さて、先月稲刈りした早稲(早い時期に育つ米の種類)の稲を脱穀するこの頃、晩生の種類はもう充分な刈り時を迎えています。もちろん、おいしそうな黄金色の輝き。これもばっちり刈り終えて、せっせと稲木に積み上げます。
♪じっくり天日にぶら下げて 旨さを稲穂に閉じ込めて 瑞穂の喜び極まれり♪