注)記事の日付は太陰暦を用いております

2005年03月04日

虫の蠢き

睦月二十四日 雪(明け方)

 今日から少し江南を空けることになった。といっても一週間ほど。この時期は、育てるものも少なく、雑草の管理も全くといっていいほどないのでさほど問題にはならない。あるとすれば小生の気持ちが畑から離れて困るくらいか。

 この一週間があけて江南にもどれば、もう3月は半ばである。明日からの二十四節句は「啓蟄」。虫も草も、空気も、そしてもちろん人間たちも、春の近づきに静かに触発されてくる頃。そうなれば、いよいよ農作業シーズンが本格的に開幕である。到来を待ちきれない農人たちは、気もそぞろとなり、あれやこれやと野菜の種、花の種の準備を始めるのがこの頃の一番の楽しみでもある。かくいう小生も一週間先の畑を待ちきれずに、先日種屋に足を運んでしまった。

 ジャガイモ数種と、トマトやナスやゴボウなどまだ少し気の早い野菜を少々購入、これに加えて昨年の播き残しを加えれば、あとはいざ、畑に向かうだけである。啓蟄より幾分早く蠢きだした農の虫一匹、せわしなく、来る春を待つ。


 【啓蟄】…陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也(暦便覧)
      啓蟄は冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味。
      実際に虫が活動を始めるのはもう少し先。
      柳の若芽が芽吹き蕗のとうの花が咲く頃である。
      ※読み:ケイチツ
      <参考:こよみのページ
posted by 学 at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 暦の調べ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月14日

白く、強く

如月五日 曇り時々晴れ

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 江南に戻った。真冬並みに冷える夜、明日の朝は氷点下になるという。昼の陽気に丈を伸ばしはじめた空豆、えんどう豆の幼い芽が心配な夜。ほっそりと西空に浮かぶ上弦の月に照らされて、白梅が満開に燃えていた。
posted by 学 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月19日

命の準備

如月十日 晴れ

 花粉症のインチキ百姓ほど、始末の悪いものもない。作業をすればするほど、鼻の奥へ眼の裏へ喉の向こうへ花粉を運ぶ風が吹き込んでくる。マスクでは心許ないので、途上国のバイクタクシーの運転手のように、鼻から下の顔半分に手ぬぐいタオルを巻きつけて防御に徹する。が、所詮浅知恵、防ぎきれるものではない。と、愚痴はここまで。

 春分前の土曜日に、なんだかんだと作業が遅れていたジャガイモの植付けを行った。今季は6種。「男爵」、「メークイン」、「インカのめざめ」、「アンデス(赤)」、「ジャガキッズパープル」(以上野口種苗店より購入)、そして丸ヶ崎自然農の会から譲っていただいた「オオタキイモ(中津川イモ)」。中津川イモは、痩せた土地であればあるほど、小さく(!)うまい(!)という、頼もしいヤツ。少し遅くなった、この春一番目の命の投下。半分ほど終わらせたら久しぶりの作業に腰が痛み出した。それすらうれしい、命の準備作業。

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 <メークインを植える前の一枚>

 
 冬を越した仲間たちも、今日の日差しにこたえるように青々と葉に光を受ける。ソラマメ達に鼻を近づけると、ほんのりと、ビールの大親友である、憎たらしい大粒の、あの香りすら漂ってくるような、花粉症の鼻でさえそんな気がしてしまう。遅霜には油断はできないのだが、もっともっと頑張って育ってほしいなと、ついつい周囲の草を倒す手にも心が宿る。さあ、いよいよ、嬉しく忙しい季節が、今年もやってくる。

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posted by 学 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月21日

春に会す

如月十二日 晴れ

 大学入学した1995年から、10年が経とうとしている。最近、大学時代に出会った友と何かをきっかけに再び邂逅することが多い。それがまた友から友へと繋がり、邂逅の連鎖は時として思いがけない場所へと自分を連れ出すことにもなる。

 今日は、大学でのサークル活動の同窓会的イベントへ参加してきた。小生が入学して10年でもあり、サークルが動き始めてからもおよそ10年であり、感慨もひとしおのイベントとなった。夢と元気に溢れる現役生とそれに負けないOB達の空元気も、楽しく嬉しい交流を盛り上げた。仲間と共に時間を思い出すことも大切であり、そうしてそのことが今や未来に繋がっていくこともある。いい顔をした旧知に会い、いい顔をした後輩と出会い、自分もまたいい顔をしていこう、と春風に軽く意気込み乗せる。

 050321@tsukubacapio 

 
 昨日の3月20日は春分の日。いよいよ、冬の勢力に春が勝りはじめる。ふむふむ、友の足が軽やかに見えるのもその暖かさのせいだけかも知れない。しかし、下の暦便覧にもあるように「暖かいと言っても油断は禁物」だそうである。お天道様は、いつもこうして世の真理を教えてくれる。そう、何事も油断は禁物とね。よくわからぬ自戒のまま、今日はこれにて。

 【春分】…日天の中を行て昼夜等分の時也(暦便覧)
      この日をはさんで前後7日間が彼岸。
      花冷えや寒の戻りがあるので暖かいと言っても油断は禁物。
      昼夜の長さがほぼ同じ頃であり、この後は昼の時間が長くなって行く。
      ※読み:シュンブン
      <参考:こよみのページ
 
posted by 学 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 友と共に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月26日

めっきりと

如月十七日 晴れ

 日中は、めっきりと暖かくなった。春分も過ぎてもちろん、西日の落ちる時間もだいぶのんびりとしてきたようだ。夕方畑から戻ったあとの外出についついバイクを飛ばしたくなり、冬の間に埃のかぶってしまったヘルメットを取り出した。
 バイクからの景色は、車のときよりも周囲の畑や田んぼに意識が届きやすくなる。自然と、今の季節の熊谷市周辺での農風景が目に入りだす。田んぼには、二毛作の麦が青々と広がり、畑には、畝を高くしたネギ畑が目立ち始め、とう立ちした菜っ葉類は、菜の花の準備に黄色く染まりだしている。そうした周囲の景色はいつもインチキ百姓のバロメーターとなり、少し遅れて当農園にもやってくるのである。
 夕食を済ませた帰路、東南の空高く、満月を一日過ぎた月が明るく明るく道を照らしてくれていた。どこまでも白く、そして刺すような強さで、春の乾いた夜にくっきりと。まだ残る冬の寒さと、道端に香る春先の花の匂いと、ほのかに強みを増した月の明るさ。初春の夜のバイクには、そんな楽しみがついてきた。

 
本日の作業:ジャガイモ3種の植付け(計46個)、えんどう豆のつるの支柱作り(一列)、田んぼの溝きり(10m)
posted by 学 at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 暦の調べ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月30日

菜の花パワー

如月二十一日 晴れ

 晴れたり曇ったりの天気が続く。変わらぬのは、毎日吹き抜ける春風である。ただその風に揺られながらも確実に変化を感じるのは、晴れの日の、のほほんとでもいうべき陽射しの柔らかさと暖かさ。その柔らかさをもっとも美しく受け取るのは、梅でも桜でもない、畑に伸びる菜の花たちではないかと思う。冬の間に遅れた土木作業に汗を流す合い間合い間、包み込むように笑顔を見せるその姿に疲れを忘れさせてもらえる。安い男である。
 
 今年の野菜作り、昨年壊滅的に失敗した経験を糧に、今年は自分の中の「自然農ルール」をはみ出して色々と挑戦も試みる。まずは、購入苗からの野菜作り。インチキ的ルールとしての『固定種の野菜を種から育てる』という不文律を少々改正し、種からの栽培と平行して、(どんな種類だかわからないというリスクを背負ったとしても)苗を購入して育ててみることにもチャレンジする。その他にも、篠竹の繁茂するエリアについてはあえて耕起して、竹が畑へ進出するのを防ぐことにしてみる。耕起した畑には、結果的に掘り返したり等して土を比較的多く動かす可能性のある、葱や牛蒡、山芋などを育ててみたい。守るべきところは守り、臨機応変な変化も試みる。そうして初めて見えてくることもあろうし、失敗して学ぶことも多かろう。思わぬ知人が訪ねて来てくれることで、色々とアイデアをもらえたり、気づかせてもらえたりもする。当然、作業がはかどりもする。インチキながら、そんな試行錯誤の日々。菜の花は、そんな毎日を優しく見届けていてくれる。

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posted by 学 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然農のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする