雑穀を育ててみたいと言う友人が、雑穀の種と雑穀雑誌を持参してやってきた。健康食ブームの到来で、小生が子供の頃には食材としての存在がほとんど認識されていなかった(もちろんそれよりちょっとさかのぼれば常食していた時代があるのであるが)「ヒエ」「アワ」「キビ」などのいわゆる雑穀が注目されている。
ひえ、あわ、と聞いて思い出されるのは、日本昔話に登場するような貧乏百姓が泣く泣く口にする食べ物のようなイメージがどうしても拭えずにいるのであるが、その裏には、日本にしっかりと根付いた食文化のひとつであると言える事実が隠されている。友人に借りた雑穀雑誌「つぶつぶ」に書かれてある「日本発祥の雑穀 ヒエ」というフレーズも(根拠や定義は全く不明ながら)なんとなく心に引っかかるものがある。五穀豊穣の「五穀」とは、一般的には米、麦、豆と、粟(アワ)、それに稗(ヒエ)か黍(キビ)を指している。仮にも百姓を表する者が五穀を知りませんでは済まされまいと、今後少しずつ勉強していくとともに、栽培にもトライしてみようではないか。
あわてて農事暦(作物栽培の目安カレンダーのようなもの)を広げてみると、これまた若干時期が遅れた感じが否めないというテイタラクぶりではあるのだが(友人すまぬ)、誰かの言葉ではないが「やってみるが勝ち(価値)」である。雨が降り出す前にせっせと蒔き床をこしらえ、友人持参の「タカキビ(高粱、モロコシ)」と、小生の手に入れた「モチキビ」を蒔いた。雨のお陰で他の「アワ」数種は蒔けず。まだ間に合うか。何気に惹かれている「ヒエ」は手元に種がないので来期に試みたい。
土を均して指で窪ませた穴に、五粒ほど放って土をかぶせ・・・


草を被せる。さあ、芽はでるか。
