注)記事の日付は太陰暦を用いております

2005年07月02日

救い

皐月二十六日 曇り

 曇って曇って曇って、ひたすらに暑い。空梅雨の陽射しで日に焼けた、裏庭になるビワのたまらなくキュートな甘さが、そんな日の唯一の救い。

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2005年07月03日

極上の田植え日和

皐月二十七日 曇り

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 どんよりと薄白く濁った空。低く低く辛うじて雨粒を支えていながら、湿気は感じるのにどこか軽さも覚えるような一面の雲。気温は驚くほど下がり、この日曜日は田植えには完璧とも言える気候に恵まれた。

 梅雨前線がようやく意地をみせ、関東平野へにじり寄っているとの知らせは耳にしていた。昔の同僚が新入社員達を連れて遊びに来ることにもなっており、天気を心配する心と雨を待つ心とが少々交錯していた。来てもらうからには気持ちよく作業して欲しい、とはいえこの地の晴れの日のクソ暑さにはただただ閉口させてしまうだろう、おまけに空梅雨はいいかげんにご免だ、と、前日の酔っ払いのワガママが天に通じたに違いない。参加者は参加者で、やれ私は晴れ女だ、やれ俺の行いがだ、と勝手に自分の手柄にしようとする。手柄はともかく、終日の涼気はまさしく天の神様からのボーナスで、田んぼ遊びが楽しくて仕方がなかったことは間違いなし。
 
 昨晩の1時半に来て寝て起きて午前中に帰る新婚君、遅刻して来てうどんを3杯平らげて一足先に帰る新人君、原宿を物色して渋谷で購入した自慢の長靴を持参して記念写メール撮る新人君、合槌にホエ〜を連発する川原好きの新人君、皆様お疲れ様でした!草刈、苗取り、田植え、畑ジャングル探検のフルコース、おかげで作業も予想以上に進行し、遅れ気味の田んぼも後残すところもう一息となりました。

 夕方6時過ぎに晴れ女たちを送った途端、帰り路のフロントガラスに雨粒が落ちだした。タイミング最高。うれしくてビールを買って帰ってしまった。小生の心残り一点。今日一日中、股ぐらが破れて下着が丸出しになっていた作業着でうら若き新人君たちの前に立ってウンチク垂れていたこと。部屋に戻って初めて気づいたよ。あー、情けねー。ビールがまたひときわおいしゅう感じますこと。




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 - ピンとたつ 香気漂う 早苗かな -


 田んぼでのはしゃいでる様子は以下に
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2005年07月07日

偽七夕

水無月二日 曇り時々雨 【小暑】

 一番迷惑してるのは、勝手に一年に一度の再会日をずらされてしまって毎年曇天に邪魔されることになってしまった織姫と彦星だろう。

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2005年07月10日

汗を拭って

水無月五日 晴れ

 梅雨の晴れ間、最後のチャンスとばかりに朝から田んぼに腰を下ろす。前の晩、大学の先輩の晴れ舞台に所用で出席できなかったのが口惜しく、しかしそれとこれとは話が別であり、雑念を振り払って体を動かす。大分遅い田植えかとも思われるかもしれないが、この時期でようやくギリギリの限度だと言う。稲の命は苗床2ヶ月、水田4ヶ月、で約6ヶ月。苗床の蒔き直しがあった分、この頃までの田植えは問題あるまい。大体誰に問題があるって?出荷も値段調整もいらないインチキ百姓にとっては、収穫の時期が遅れこそすれさほど問題はあるまい。水管理と他の草の抑え方を心積もりしておけば、何とかなりそうな予感がする。結果が知れるのは4ヵ月後である。

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 ピッチを上げてまがりなりにも田植えを完了した午後。晴れ上がる空と水面が実に心地よい。汗を拭って見回ると、2週間前に植えた苗(もちろん一本植え)が軽やかに分蘖(ぶんけつ)を始めていた。こいつらは生きている。おまえらすごい!!



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2005年07月18日

一憂一喜

水無月十三日 光眩しき/早朝

 少し早い夏の帰省を済ませ、丸二日ぶりに江南へ戻った。水の抜けやすい田んぼは、水管理が難しい。取水口から常に水を入れようと開放していても、周囲の田は中干し期であり、ご好意ゆえの手回しであろうが手前の水門で水を逃がされてしまう。
 昨晩の深夜に車で戻って真っ先にしたのは月明かりの下での水位の確認であった。鳥目に近い状態で田んぼをのぞき見ると、やはり水かさが足りない。既に習慣になりつつある水門の木板をメクラで下ろし、胸を撫でる。朝にはまた水位も戻るであろう。

 明けて朝日。再会が待ち遠しい気持ちというのは眠気に勝る。窓から眺める田に靄がかりの空が映っている。クルリとサンダルを履いて畦を廻る。一喜一憂したらまた素直な眠気に捕らわれはじめる。

 考えながら進んでいるのは友人たちも同じである。が、眠気に屈して体を休められるあたり小生の考えには根っこの生え方が足りないかもしれぬが。一概に一緒にするなとどこからか聞こえる朝。


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 なんだか朝日が黄色に見えるぜ
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ぐう

水無月十三日  梅雨明け

 36.2度?!

 朝の田んぼは爽快だったし、夜の夕立も涼風が吹き始めたというものの、昼の酷暑を思い出しただけで全てが愚痴になりそうなので、今日はこれ以上書けません。色々感謝したり気づいたり苗が可愛かったりすることはあっても、今日は何も書きません。

 海の日っていったって、埼玉県には海はねえぞこら。
 梅雨明けっていったって、いきなり暑くなるなよこら。
 熊谷っていったって、こんなに暑いの忘れてたぞこら。


 ぐうの音が出た日。潔くクーラーつければ良かった。この意地いつまでもつのやら。
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2005年07月20日

有機反応

水無月十五日 晴れ

 拙い取り組みが友人というフィルターを通すと、自分でも思ってもみないような化学反応(というより「有機反応」と言おうか)を起こすことがある。先日手伝いに来てくれた自称見習い君がまとめたBlogを見せてもらって、ひとしきり関心してしまった。自然農の田植え作業がコンパクトにポイント良くまとめられており(もちろんノウハウとしてではないにしても)、コンセプトはがっちり捉えられており、小生もなんだか気分一新。とはいえ愚農がステキな自然農に化けてて苦笑する自分もいる。・・・それにしても自分が話してることって全然覚えていないものだと再認識。感謝の気持ちとして見習い君の植えた苗達のその後を一枚提供〜! 水を、栄養を、いっぱい吸収しとるようですな。

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 次回の有機反応もまた楽しみ。だから手伝いに来るのだぞ。
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2005年07月21日

ぐんぐん

水無月十六日(満月) 晴れ

 先月25日に第一弾の田植えをしてからそろそろ4週間がたつ。愚痴になるほど暑さにうだる毎日であるが、水の蓄えた田んぼにとってのこの好天はまさしく天の恵みに変わる。

 ぐんぐんと伸びる。字のごとく、ぐんぐん。

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 隣の慣行農(耕起、化学肥料、農薬使用)のじいさんが草取り中の小生に声をかけてくれる。

 「田んぼらしくなってきたね〜。お前さんの一本で植えるって
  いうのは今年はいいかも知んねえな。俺のとこはもうイモチ
  が出でるわ。肥料効きすぎだな。まあ大丈夫だ、今朝の内に
  クスリ撒いだがらね。」

 そうですか〜と隣を見やると確かに緑が濃く茂る個所がぼんやり見える。イモチ病とは、米作りをするにあたって耳にせずにいることはない言葉であり、農家の方々が今でも頭を悩ませる稲の病気である。詳細は理解していないが、一般的に病気の原因は「窒素過多」、「密植」、「冷夏」とされている。今年はひとまずは冷夏ではないから、じいさんの田んぼのイモチは窒素過多(過吸収とも言える)だそうだ。暑すぎて水を落とす(中干し)のを長めにしたら窒素を多く吸ってしまったとのこと(因果関係は不明)。窒素が多く効いた稲は葉色が濃くなるらしく、それでイモチだと判るのだそうだ。もちろん、イモチが発生したら農薬でガッツリ抑えるとのこと。

 勉強にはなるがエンドレスで続きそうな話をうまいとこ切り上げてまた水田に腰を沈める。密植、窒素過多とは縁がなさそうなこちらの田んぼ。植え時期の違いもあり成長が早い隣と比べると、根を下ろしたばかりのこちらは時々寂しい気になることもある。そんな時にこうしたちょっとした事で気持ちを修正する。それみろ、マイペース自然農でも悪くはあるまいと。株は毎日増えているぞと。

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2005年07月23日

依怙贔屓

水無月十八日 【大暑】 曇り時々晴れ

 エコヒイキしていないかと疑惑の声があがる。全くもっておっしゃる通りである。なにせ、アパートの目の前にある田んぼが可愛くて仕方なくて、徒歩3分の裏手にある畑への足を運ぶ数が昨年に比べて激減している。比例して畑の様子が荒れる。田んぼの世話がひと段落つきだしたこの頃、申し訳なくちょくちょく顔を出すと、贔屓にふてくされた様子が著しい。もちろん主役は雑草である。

 相変わらず周囲を取り囲むのはセイタカアワダチソウではあるが、昨年とまったく一緒ではないということ、つまりよく見ると植生が変わり始めている(ように希望的観測視される)個所も控えめに(だが確実に)存在する。昨年から今年にかけて比較的丁寧にセイタカ抜きを心がけた畝は、一見セイタカに覆われているが近づくとその密度は低く、小型の蔓性植物が元気が良い。昨年は見かけなかった名前も知らない草たちも種類を増やしている気がする。

 順調に見えたジャガイモが予想外に出来が悪く、一方でサツマイモ、トマト、スイカ、オクラ等が一縷の望みをつないでいる。ごめんね。しばらくは付き合うから許してくれよ。

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 曇りの合間の大暑にスイカの花が咲く。


【大暑】…暑気いたりつまりたるゆえんなれば也(暦便覧)
     最も暑い頃という意味であるが実際はもう少し後か。
     夏の土用の時期。学校は夏休みに入り、空には雲の峰が
     高々とそびえるようになる。
     ※読み:タイショ
     <参考:こよみのページ



追伸:秋野先生、今年も暑い夏になりそうです。

秋野豊ユーラシア基金
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2005年07月24日

草取りの風景

水無月十九日 晴れ

 8月に少し江南を空ける前に済ませておくべき最優先事項、それが田んぼの草取りである。苗を植えてから早いところで一ヶ月、最後の個所で二週間が過ぎ、雑草も目立つ丈に伸びてきた。この時期にその伸びかけの雑草の勢いを殺すことで、稲の生長がうまく軌道に乗るという。ポイントは、稲よりも丈を伸ばしてしまって日陰を作らせないことと、株周りに邪魔をしてブンケツの妨げにならせないこと。8月に入ると稲の根が広く張り進めるのでむやみに草取りに田んぼに入っては根を傷つけてしまい収穫を左右するほどの悪影響がでてしまう、と頭の片隅に不確かな(しかしもっともな)記憶が残っている。
 ということで午前中、集中して田んぼにヒイコラ腰を曲げる決意を固めた。そんな決意に嬉しい助っ人の声が届く。昼食のうどん屋に味をしめてであろうか先日の見習君による今日の遠征は、とにかくありがたい限りである。

 冷蔵庫に冷やしたスイカを作業前にちらつかせたのも功を奏してか(というより自分を鼓舞したのであるが)、真面目に真面目に雑草に神経を集中させて数時間、かくして田んぼは稲と水と虫と土と、雑草の亡骸という構成に戻すことに成功。もちろん刈ったり抜いたりひっくり返した雑草は、そのまま田んぼに寝かせて置く。生活空間をぐちゃりぐちゃりと荒らされた虫たちが、少しずつ落ち着きを見せ始めた田んぼの中をせわしなく動き回りだす。稲株の間に出現した長靴の足跡が、何故だか頼もしく見えるお昼前である。

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 いつまにか別の来訪者もお子さんを連れて顔を見せてくれた。同行の腕白姉妹が田んぼの水辺で遊ぶのを見ているとつられてついつい視点が低くなってしまう。普段は気づかない草や虫、強さを増す陽射しに光る用水路の水に目を奪われ、少しでも暑さを忘れられる時間がまた嬉しい。わが田んぼを支える、影の主役ともいえるだろう、用水路の水門。いいねいいね〜輝いてるね〜、という訳で一枚をば。これからも頼むぜよ。


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2005年07月25日

休息キャンドル

水無月二十日 曇り時々雨

 台風が近づくというニュースがワクワク心を掻き立てるこの月曜日、副業の終業時間を自主的に早めて(サボって)街にでた。

 何をするでもなく、足を運ばせる。半年以上ぶりの献血、千円カットの美容院などを思いつきで済ませ、歓楽街の誘いを抜けて駅ビルへ戻る。初めての惣菜コーナーや、普段気づかない和菓子コーナーにふと立ち寄り、あてどなく散歩する。雑貨売り場で、ひとつの安売り品に目が止まった。普段は小生とはまるで縁のないロウソクたち。奇しくも台風が近づき、防災グッズとしても申し分はない、と一袋10個入りで200円をまとめ買いして家路につく。

 ふとした思い付きと少しゆるめの帰宅時間が、思いがけない気持ちの休息となる。いつでも休息みたいなもんじゃねえか、と外野からのウルサイ声は無視させていただきます。


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 アロマやヒーリングなどわからないが、大切な友人からもらったキャンドル立てをつまみに台風を待つ。吹き込む蒸し暑い風でロウソクが消える夜。
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