周囲の田んぼは一斉に稲刈りを終えだした。慣行農の水田はコンバインが駆け回って、今年の収穫をどこかに持ち去っていく。
わが自然農の田んぼはもうしばらくねばる。地面からはすっかりと水気が落ち、これから数週間、稲穂がジリジリと枯れ始めるまで待つ。もうしばらくねばるということは、もうしばらく稲を刈らないということで、もうしばらく稲穂が田んぼに残るということ。(何をあたりまえのことを。)しかし周囲の田んぼは刈り取りが終了、スッカラカンのなにもない土地になってしまう。となると否が応でも気にしなければならないのが、毎朝毎夕に窓の向こうから聞こえてくるスズメちゃんの鳴き声となる。そう、今や奴らの餌は我が自然農田に集中されるやも知れぬのだ。悪寒ブルブルとはこのこと、一年の収穫を無駄にされては溜まるものか。
かくしてインチキ百姓は、一週遅れのスズメ対策第一弾として、紐を走らせることとなった。紐はもちろん自然に還る、天然素材の麻紐を利用して。

もちろんこれではスズメ避けの屁のツッパリにしかならないだろう。被害状況の程度を逐一観察し、避難レベルが上がれば、鳥避けネットの出動も緊急に手配しなければなるまい。できれば張らずに済ませたいを願うぐうたら心は、スズメにはお見通しなんだろうなあ。