注)記事の日付は太陰暦を用いております

2005年10月01日

悪寒ブルブル

葉月二十八日 晴れ   

 周囲の田んぼは一斉に稲刈りを終えだした。慣行農の水田はコンバインが駆け回って、今年の収穫をどこかに持ち去っていく。

 わが自然農の田んぼはもうしばらくねばる。地面からはすっかりと水気が落ち、これから数週間、稲穂がジリジリと枯れ始めるまで待つ。もうしばらくねばるということは、もうしばらく稲を刈らないということで、もうしばらく稲穂が田んぼに残るということ。(何をあたりまえのことを。)しかし周囲の田んぼは刈り取りが終了、スッカラカンのなにもない土地になってしまう。となると否が応でも気にしなければならないのが、毎朝毎夕に窓の向こうから聞こえてくるスズメちゃんの鳴き声となる。そう、今や奴らの餌は我が自然農田に集中されるやも知れぬのだ。悪寒ブルブルとはこのこと、一年の収穫を無駄にされては溜まるものか。

 かくしてインチキ百姓は、一週遅れのスズメ対策第一弾として、紐を走らせることとなった。紐はもちろん自然に還る、天然素材の麻紐を利用して。

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 もちろんこれではスズメ避けの屁のツッパリにしかならないだろう。被害状況の程度を逐一観察し、避難レベルが上がれば、鳥避けネットの出動も緊急に手配しなければなるまい。できれば張らずに済ませたいを願うぐうたら心は、スズメにはお見通しなんだろうなあ。
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2005年10月02日

復習復習

葉月二十九日 晴れ   

 稲が育てば刈り取ります。刈り取った稲は乾燥させます。乾燥させるのには天日で干します。

 というわけで、昨年ひと通り覚えたつもりの復習のために丸ヶ崎自然農の会に参加して、稲木の組み方、稲架(はさ)のかけ方を盗みに行ってまいりました。


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 むむむ・・・こうやって支えの木を組んで、、、

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 ひと通り掛けて、紐で括って、、、、 


 なるほどうんうん、頭の片隅に消えかかっていた記憶が、体を動かすことでまた蘇ってくる。これであと数週間はなんとかもつかもしれぬ。いずれにせよ、習ったことを一番よく体得するのは、自分で実践して失敗を経て試みること。これ間違いなし。


 さて、重大な問題が目の前に。稲木を組むための「組み木」がない。。。買う金は惜しい。材木屋の廃材?山林の間伐材? それとも少し離れた集落で使用している「組み木」をお願いして使わせてもらうか? ううむ、どーしよ。こっちのほうが問題かも。



稲木の組み方、稲架(はさ)のかけ方はこちら
  〜丸ヶ崎自然農の会HPの昨年10月の記録より〜
  敬意の一言につきる詳細なる解説、代表の細やかさに脱帽です。
  最後の仕上げはやはり実践、これがないと覚えられません。

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2005年10月04日

薄幕の下

長月二日 曇り  

 水を落としてカラカラになる筈の田んぼであるが、秋雨が程よく助けてくれているこの頃。さらに自然農の田んぼでは、思わぬ副産物がその水気の確保を補ってくれる。

 それがこれじゃ。 

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 何?

 そう、夏の間に稲株の下の水面にぐびぐびと張り巡らせた藻のやつらの死骸(つまりは枯れたもの)である。不思議にも土から数センチの空間をあけて、まるで小さな雲のように水田の土を覆っている。白く枯れたその姿は、秋空に軽やかに浮かぶいわし雲さながら。


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 その下がどうにもこうにも気になって、スケベ心でぺろりとめくった。しっとりと湿り気を蓄えた土が実りを迎える株の足元を優しく支えている。
 この、生命の絶妙の好関係に触れる瞬間、自然農のそばで生活する喜びのひとつ。面白し。

 
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2005年10月08日

妖精降り立つ

長月六日 曇り 【寒露】

 【寒露】…陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也(暦便覧)
      冷たい露の結ぶ頃。秋もいよいよ本番。
      菊の花が咲き始め、山の木々の葉は紅葉の準備に入る。
      稲刈りもそろそろ終わる時期である。
      ※読み:カンロ
      <参考:こよみのページ


 紅葉の準備には幾分早いかも知れぬが、朝露はいよいよ冷たさを帯びてきた。気を抜いて網戸のまま寝てしまうと、明け方に部屋の中に露気を入れてしまうことになる。

 数日前に感じていた悪寒は、嬉しいことに予想が外れ、スズメ税の取り立てが厳しくない。それでもパラパラと盗み食いの個所が散策中に見つかり(それでもわずかであるが)、臨時バイトを雇うことに腹を決めた。


続きはこちら
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2005年10月11日

空中発芽

長月九日 曇り 

 重陽の節句のこの日、特に何もせず、淡々と収穫作業を進めた。友人にも手伝ってもらい、サツマイモの様子を探り、秋トマト(そんな言葉はないが)を頬張り、高キビをようやく刈り採った。その高キビに、ここ数日の秋雨の湿気の影響だろうか予想だにしていなかった事態が起こっていた。なんと収穫前の穂の粒から、空中で発芽していたのが見つかったのである。もう少し枯れはじめてからの収穫を想定していた、インチキ百姓の怠惰への罰なのだろうか、見た瞬間に汗が引いた。こりゃあせっかくの初収穫がおしゃかになっては困る。急遽、作業の予定を変更し収穫の手順に頭をひねった。

 高キビは予想以上に脱穀しやすいようで、手荒にするとポロポロと実を落としやすい。そのため落とさぬように穂をまとめて新聞紙にくるみ、アパートの軒下に持ち運び、コンクリートの上で乾燥前の作業をすることにした。

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 高キビは、黄緑の茎や葉に鮮血を浴びたような赤い模様が目に鮮やかであるが、その赤の色素はしっかりと実にも移っている。収穫量はしれたものなので、軒下で葉を取り数束にまとめ、ベランダの物干し竿に吊るすことに。もちろんその束には発芽してしまったものもあり、中には空中でカビが生えてしまったものまである始末。これからのベランダ干しで、他の実は無事に乾いてくれればよいのだが。秋の湿気は馬鹿には出来ぬと、また学びを深めた日。
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2005年10月13日

交渉成立

長月十一日 晴れ 

 稲刈りまでもう一声、あと一週間待とう。稲穂の黄色みがもう少し欲しい。黒米など古代米の長幹(ちょうかん)種は、昨年に比べて(もちろん場所も管理も違うわけだが)倒伏が少ないので結わえて支えなくとも済みそうである。あと少し持ちこたえてくれ。

 稲穂に見とれて田んぼに佇んでいると、今年隣の田んぼで慣行農の米を作っていた方に声をかけられた。9月に稲刈りを済ませた田んぼを、11月の麦撒きに供えてトラクターで耕運していた帰り路だという。十種類の稲穂が垂れる自然農田に興味深々の様子。これは何かあれは何だと話が尽きない。あとは刈るだけだなあ、との言葉に乗っかり、稲木をどうしようかと悩んでると切り出してみた。もちろんこれは、かかるのを承知で垂らした釣り針だ。数年の田舎暮らしで、古道具をただで引っ張り出すコツは心得てきている。当然(イヤラシイ言い方ではあるが)食いつきの手ごたえは大きい。「10年くれえ使ってねえけんど稲木ぐらい何束もあるから俺の使え〜。あっても燃しちまうだけだがら。」ほら来た!!来た来た!!思わず緩む頬を隠さずに鍛え上げた満面の笑みで感謝を重ね、「ありがたく使わしてもらいます。」と見事に交渉(?)成立。これで今年の懸念事項はおおかた無くなった。いよいよ、刈り時期を迎えるのみ。



 夕暮れ、野焼きの白煙が低く広がり、つるべ落としがあたりを包む。夏には7時近くまで出来た作業が、この頃になると5時も過ぎると手元があやしくなる。夜長の季節、暦は「長月」、秋が深まる。

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2005年10月15日

ひとり豆名月

長月十三日 曇りのち雨夜 

 大学の友が訪ね来て、畑の豆をもぎ取りて、友は彼女と行き去りて、「豆名月」を一人楽しむ。  

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 本日、「後(のち)の月」の十三夜。片月見は忌み嫌われるというが、雨空ではやむを得まい。花より団子で楽しむのが吉。

 で、団子の話。今年はだだちゃ豆が見事にうまい。うまいうまいと採りすぎてしまわずに、来年の豊作を夢見て「種」の確保に多くを残すことにする。自然農で育てた種は、翌年に強さが際立つ。昨年はだだちゃ豆は食わずに「種」にし、今年のうまさに到達した。来年は、ニンマリのだだちゃ祭りといきたいところ。皮算用なくして自然農の喜びは半減なのである。



十三夜について室礼歳時記より

  …訪れるたびに、その美しさに溜め息がもれるHP。
   文章の暖かみ、写真の佇まい、日本の美とはこの趣なのか。
   何かを忘れかけたときに、ふと訪れたくなる。
   もちろん、インチキ百姓には高い敷居ではあるが。
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2005年10月18日

土焼き芋

長月十六日 雨のち曇り

 驚くほど、夜の寒さがはっきりと訪れてきている。長袖一枚では肩がすくんでしまう空気に、暖かいものが恋しくなってきた。そこで、最近ようやく購入した炊飯用土鍋を応用して焼き芋を作ってみた。先週掘り起こしたサツマイモを新聞紙でくるんで寝かせておき、いざ試食試食。

 昨年は蒸して食べて満足していたのだが、どうしてもあの石焼の香ばしさが懐かしくなり、いつか聞いたことのあった土鍋での焼き芋を慣行した。

 作り方はいたって簡単。土鍋にアルミ(小生は陶器の皿で代用)を敷いて、蓋をして強火で30分、あとは好みで蒸らして完成。

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 文句なし。遠赤外線で焼くことにより、表面の適度な黒焦げと、水気が程よく飛ばされたホクホク感が生み出される。そしてなにより自然農で育ったイモの甘味と自己満足の極み。しばらくは、やみつきの予感。


炊飯用土鍋「萬古焼(ばんこ焼)」:小生のオススメの土鍋 

 …敬意を表して販売元、製造元を紹介させていただきます。 
   販売元 <株式会社 スズ木>
   製造元 <株式会社 利行>

 …東急ハンズ、LOFTなどで購入できます。検索すれば通販購入も可能。

 …萬古焼ついてはこちら:三重県四日市市の伝統工芸品
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2005年10月19日

嬉しい復活

長月十七日 晴れ 

 涙ものの復活をオンタイムで見ることができた。

 株式問題でゆれるTBSであるが、水曜日の午後6時55分からの30分番組で「まんが日本昔ばなし」がスタートした。小生も小学生のころから親しんだ、あの竜に乗った少年のオープニングである。

 新装開店の第一話は「かぐや姫」、
 第二話は「ちょうふく山の山姥(やまんば)」


 話の概要はこう。ちょうふく山のふもとのある村にやまんばから、赤ん坊が産まれたから餅をもってこいとの声が響く。誰も持っていく者がいない中、村の最古参の婆さんが持っていくことになった。婆さんはなんとか山に餅を届けるが、やまんばに引き止められ、色々世話をしてようやく村に帰ることができた。やまんばが婆さんに土産に渡した不思議な布は、使っても使っても減らず、それからというもの村のものは冬も暖かく暮らしたというそうな。
 
 そして最後に市原悦子のナレーションが、しめくくる。
 
 ・・・ちょうふく山のやまんばが、山の上から村人を守ってくれたんだと。。


 山に畏敬の念を抱き、恐れながらも供え物を備えて奉ることで山の恩恵にあずかる。自然の脅威ににはひれ伏しながらも、世話をして、手をかけて、大事に大事に山と里の自然を利用して生活する。昔からそうした教訓を昔話の形に残して人間と自然の共存が保たれてきたのかもしれない。


 これから水曜日の夜7時はこの番組が指定席だな。もちろん最後は、謎のキャラクターが踊る「にんげんっていいな」のエンディングで決まり。(ちなみにこの歌はあまり好きではありませんでした。) 
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2005年10月21日

こぼれた末に

長月十九日 晴れ  

 自然農の畑と切っても切れない単語に「こぼれだね」というものがある。その単語が起こす現象を、「こぼれだねの発芽」、もしくは「こぼれだねの成長」などと呼ぶ(テキトウです)。その現象が現れるのは必ず畑をはじめてから二年目以降となる。なぜか。「こぼれだね」とは、前年育てた作物が実らせた種が自然に落ちた(もしくはどこかから持ち込んだ何かの種が意図せずに落ちた)ものであるので、初年度には起こり得ないからだ。
 不思議なことに、「こぼれだね」は強い。買って蒔いた種が成長するまでには、どんなに気を向けても失敗することもあるが、彼らは気づかずに発芽し、雑草に囲まれても尚しぶとく成長し、そろそろ雑草でも刈ろうかなと注意を向けた頃にようやく気づかれることも少なくない。そしてまたなかなかに育っていることも少なくないのだ。

 本日畑で出会った「こぼれだねの成長」君は、なんと稲。それもおそらく昨年畑の資材に使用した、稲藁についていた種籾からの発芽である。もちろん水分や日当たりは不十分の為にヒョロリ君ではあるが、まさかの対面に思わず笑みがこぼれてしまった。そしてやっぱり感心してしまうのだ。「やるなあ、こぼれだねは。」

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 この一輪の稲穂でなぜか思い出したのだが、旧知の友人が心地よい且つ職人的感性の溢れるBlogをはじめた。彼女の最近の記事での、天井に映った一輪(?)のパキラにシンパシーを感じつつ。感性を鉱物に注ぎ込むセンスと技術に敬意。(リンクにアップ!!)
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2005年10月23日

仕切り直し

長月二十一日 【寒露】 快晴 

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 さあ、晴れた。実りを、刈り、縛り、掛けて、干す。 あとは、待つ。

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2005年10月25日

説得力

長月二十三日 晴れ 

 赤米に続けて、今日は黒米と○○モチ(名前は省略)の刈り取りを行った。一人作業でのペース配分が身についてきた。程よい時間間隔で着々と進めていく行為もなかなか楽しい。

 自然農の田んぼといっても、草取り(根を抜くことにこだわらずに、稲の邪魔にならぬように刈ったり倒したりでも構わない)を夏に数回行っただけであるが、収穫を迎えた稲たちの根元はご覧の通りのトンネルである。言葉以上に説得力があるではありませんか。

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 もちろん、無農薬、無化学肥料。その証拠は、影の主人公たちにもお墨付き。
 
 
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 おまえはイナゴか?


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 あなたはカエル♪
 

 たーのしいのうー。
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2005年10月30日

インチキ格言

長月二十八日 曇り 

 さて、稲刈り大会第二弾。前の会社の同僚と後輩君がやってきてくれた。
 
 稲刈りは勿論のこと、今回の目的は秋空の下での芋煮&BBQ大会でもある。田んぼの空きスペースを有効利用し、まずは雑草を刈り払う「開墾」作業から。

  ひとつ、自分の居場所は自分の力で創り出せ。

 そして先週の完成品を倣ってもう一組の「稲木組み」に移り、ひと苦労を体験。

  ひとつ、農作業のコツは少しの体力と長年の慣れと少量のセンスである。

 結局小生がイロイロと手を貸して完成させ、稲刈りへ。合計四名の参加者が、鎌を手にして慎重に刈り進めてゆく。来年の種籾用の株を推挙する、「先生、この株はいかがですか!」の声が響く。同じ田んぼで同じ条件で育てても、株ごとに成長が違い、茎の様子、株の数や太さ、元気のあるなし、正に千差万別で面白い。先日一人で進めた作業が参加者の手を借りて驚くほど早く、そして(これが重要だが)なんとも話し声の尽きない作業となった。

  ひとつ、時に人数は大きな力と喜びになる。

 稲刈りとセットにして、もちろん稲木へ干す作業へも取り掛かる。初めての稲木干しに、一同興奮。古くからの知恵の奥深さや見た目の美しさに、小生だけではなく皆もいたく気に入ったようで何より。

  ひとつ、自然と人工の織り成す美しさを感じる心さえあれば人生はけっこう悪くない。


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 メインイベントのお食事会は、焚き木にBBQに芋煮に白米に手作りビールにサンマに焼きイモのオンパレード。美味くて愉快で心地よい疲れで、次回の開催も決定済み。もちろん、稲刈り、畑作業、自然農は放り出して、外で飯を作ってみんなで食うという、そっちが目的なのは言うまでもなさそうなのが少々気になるのではあるが。。。 

  ひとつ、すべては「ウマイ」の一言のために。


 
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みなさま、丸一日おつかれーい。


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posted by 学 at 23:00| Comment(4) | TrackBack(1) | 友と共に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする