注)記事の日付は太陰暦を用いております

2005年12月29日

遠くまで

霜月二十八日  晴れ

 冬日のさす部屋の中で、来年の種籾用の脱穀作業をする。床に新聞紙を広げて、その上で稲穂を手でしごく。年の瀬のTVを横目で見ながら、ひとり胡座をかく。今夜の友人との飲み会を楽しみにしながら、無言で手を動かす。部屋が枯れ穂の埃でいっぱいになる頃、胡座の右足が痺れだす。痺れが切れて作業が完了すると、西の空に一番星があがっていた。

 
051229ichibanboshi

 

 関東地方の冬の空は、さえぎるものがなくて良い。遠くまで、遠くまで、想いも夢も届きそうな気がする。冬至から小寒を迎えるこの時期の夕暮れは、いつよりも澄みきり人の気持ちに深く染み込む。空を見て、宇宙を感じ、地球を感じ、自分を感じる。大切なものを想うには、何よりの空。

posted by 学 at 18:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする