注)記事の日付は太陰暦を用いております

2006年03月03日

儀式

如月四日 晴れ時々曇りのち雪 @つくば  

 つくばと江南を行き来するここ数日。この日はつくばでの畑に手を入れることになった。


 農園をスタートさせるための下準備。畑を(素人のスキルで)測り、紐を引き、区分して、溝をつけていく。

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 前年まで有機農をしていたというホコホコの土が、早春の草花に覆われ、鍬を入れる手も少し緊張してしまう。自然農をはじめる時の、いつもの儀式がこの溝掘り。すべては、ここから。


 午前中から午後にかけて晴れ間が爽やかに見えていたが、おやつの時間が近づく頃、北西から暗雲が立ち込めてきたかと思うと引き締まった寒気とともにいきなり雪が降り始めた。やむをえず、この日の作業はこれまで。新暦のひな祭りだと、まだまだ、冬も居座っているようです。

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新しい田んぼの上、にわか雪が激しく舞う
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2006年03月05日

ご法度

如月五日 晴れ

 この週末は江南で過ごした。田んぼと畑の後始末をする週末。「焼畑」を楽しんでしまった週末。

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 自然農ではご法度(優しく言えば「できればしないほうがよい」とされる)とされている農作業がいくつかある。「耕すこと」、「農薬を使うこと」、「化学肥料を使うこと」、「雑草を抜くこと」などなど。それは何故かと問えば、答えは「田畑の生命活動を豊かにする」という大きな目的に沿わないからと言えるだろうか。野菜、雑草、昆虫、微生物、バクテリア、動物、人間、という田畑にかかわる生命体がおのおの活発に生きながら食糧生産という大目的を目指すのが、自然農であるから。
 
 さて、そのご法度のひとつに、「焼畑」もあげることができる。古くから農業の重要な手法として用いられてきた「焼畑」であり、農学素人のインチキ百姓が反論しても始まらないのだが、耳学問をまとめるとこう考えられる。


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2006年03月11日

主役不在

如月十二日 晴れ@つくば

 今週の月曜から、節句は「啓蟄」を迎えている。虫の騒ぎ出す頃なのだ。そんな頃に、いつもの主役が顔を見かけない。

 つくばの畑にて溝掘り作業を進めていると、ちょっとした事だが気になりだしたことがある。掘り起こした溝の土に、ミミズの姿がまだ一度も現していないのである。2年前、江南にて雑草伸び放題の荒地を開墾(溝掘り作業です)した時はそこかしこ、もぞもぞもぞりと突然の鍬に驚いたミミズたちが動き回っていたのを思い出す。なんとなく硬く引き締まっていた荒地で、のことである。一方、ここつくばの畑は、前年まで有機農で使われていて「豊か」だと思われる土。だのに、なぜ。

 思うに、その原因は有機農業で使用されるトラクターではないだろうかと推察される。いわゆる重機、重い重い機械で土の上を走行し、鋼の回転カッターで土を切り刻むことで土を「耕す」のがトラクターの仕事。つまり、表土はふかふかに耕されるものの、みみずちゃんや土の中の昆虫君たちが五体満足で留まる術はほとんどないのだ。もちろんそれは有機農業としての正攻法であり、みみずなどいない代わりにたっぷりと有機肥料を投入して、おいしく元気な野菜が育てられていることに問題はない。ただ、自然農に慣れてしまった感覚からみてしまうと、土を掘ってミミズがにょろりと登場しない畑というのはなんとなく物足りないかな、というセンチメンタリズム。もちろん、これから不耕起を続けることで、どこからともなくミミズ野郎が住み着いてきてくれることをゆっくりと期待するのだ。

 ミミズが増えるとモグラが釣られてやってきて、畑が荒れだすという悲しい連鎖反応も待っているのだが、それもまた嬉しい悲鳴ということで。


 その代わりと言ってはなんですが、啓蟄の主役はミツバチが、しばらく座を譲らなさそうです。ぶーんぶんぶん。

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【啓蟄】…陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也(暦便覧)
     この頃になると、冬の間、土の中で冬ごもりしていた、いろいろな虫が
     穴を啓いて地上へ這い出してくるというところから 啓蟄と呼ばれる。
     またこの頃は、春雷がひときわ大きくなりやすい時期でもある。
     そこで昔の人は、冬ごもりの虫が雷の音に驚いて這い出してくるのだろ
     うと考え、「虫出しの雷」と名付けたりもした。まだまだ、寒い時節で
     はあるが、日足も目に見えるように長くなり、日の光の中に春を強く感
     じるようになる。ちなみに、「蟄」は「ちゅう」の慣用読みで、虫など
     が土中にかくれている意である。
     ※読み:ケイチツ
     <参考:【室礼】和のこよみ
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2006年03月15日

開墾

如月十六日 晴れ

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 はっきり言って、荒地である。

 「つくし農園」の畑の区画整理がある程度進み、この日から田んぼの溝掘りに手をつけ始めた。一面に背の高い強力な雑草群に覆われている放置田、いきなり全て対応できるわけもなく、まずは周囲の溝掘りからはじめる。水位の調節や、簡易な土地区分としても利用できる、田んぼ自然農の第一歩。それにもまして、人を招く前の最低限の準備段階。スコップに足を乗せ、ひたすら続く土木作業。繊細な感覚と大胆な決断力が求められる、男の仕事。他人に任せると少しでもラインが曲がるのが許せないくせに、自分一人でやっていると「コレクライマアヨカロウ」と程よく大らかに進めることができる。

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 このラインをたてに掘り進め、、、     こうして溝を作ってゆく。

 ザックザックと数時間、外枠の5分の1が終了。田んぼの周囲を掘り終えるまでですら、もうしばらくかかりそうな手ごたえ。耕してはいないものの、こりゃまさに、「開墾」です。あとは参加者全員でやるしかないなあ。男手がいるなあ。みなさーん、お手伝い参加、スコップ持参でお待ちしております。

 
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2006年03月24日

明日!!!

如月二十五日 晴れ

 あれよあれよという間に、明日には「つくし農園」の第一回集合日。

 春分が通り過ぎて、すぐそこまで桜の産声が届きだした。

 自然農の準備は、、、、頑張るぞーーーーーーー!!!!!

posted by 学 at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月26日

長風呂

如月二十七日 曇り

 土日の二日間、田んぼと畑を往復し、溝を掘り、畝を作り、ジャガイモを植え、葱を植え、菜っ葉や大根の種を蒔き、人を招いた

 土木作業が目白押しのこの時期に、少しずつの農作業を織り交ぜ、どっぷりと疲れた夕方。湯を張り、長風呂に体を潜らせる。この、疲労感が心地よく感じ出すと、いよいよ農の虫が今年も起きだした証拠となる。




 一週間前の月の写真が、なぜだかなんとなく今の気持ちにあっていた。

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 満足感と、期待感と、疲労感。下弦の月の、これから一度欠けてまた満ちていく過程がシンクロするのかもしれない。と、風呂でぼやりと考えているうちにのぼせてしまっていた。
posted by 学 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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