弥生七日 晴れ
日曜の夕方に罹患した風邪にそのまま従い、二日間の春眠を貪り通して、今年の春風邪も無事に感知しそうな春の午後です。
つくし農園の農作業に浮かれて薄着で我慢したせいの、自業自得。部屋の中をそこらじゅう散らかして、治すことだけに専念して、果物とジュースとシュークリームとアイスとヨーグルトと卵入りラーメンを食べて、ひたすら汗をかいて、布団にくるまって48時間。
今年もどうやら健康なようです。
注)記事の日付は太陰暦を用いております
2006年04月04日
2006年04月08日
気の張る頃
弥生十一日 晴れ一時雨
農作業に追われてBlogが更新できないのは、嬉しい悲鳴なのだと思う。今日一日も、午前中少し遅めであるが畑に出て、日の暮れるまで土と遊んでいた。家の中もようやく落ち着き、引っ越してきてから初めて、自宅兼オフィスの事務机の上でPCを広げることができた。
つくし農園(つくば自然農農園)での実践参加者(プレーヤーと呼んでいる)の申し込みがひと段落つき、開園の不安をよそに、予定していた人数にほぼ達してのスタートを切ることができた。キックオフを終えいよいよ農繁期、田畑の作業が目白押しの季節が巡ってくる。プレーヤーに負けそうなくらい、みんなの自然農への関心、期待、思いが熱く、責任者として負けてはいられない。こうしてビールグラスを傾けながらキーボードをたたいていても、鼻息が少し荒くなってきてしまう。
昨日の晩、大学時代によく通った軽食屋に足を運ぶ途中、学生寮に沿って見事に咲き誇るサクラ並木の横を通った。通ってから気づいたのだが、もちろんこの時期である。入学祝いをエサに宴に明け暮れる学生たちに並木が占領される、いつもの光景が広がっていた。

桜の下を素通りし、共に酔い叫ぶ仲間がいないことをやけに寂しく思った昨晩であったが、太陽の下でクタクタに作業をして机に向かう今日の晩は、その寂しさがどこに行ってしまったかと思うほどに気持ちが充実しているのも可笑しい。
万物に晴朗の気があふれてくる、清明の頃。自然農の田畑に立ちて、大地から気を受け、いのち張る。春は張るの季節。
【清明】…万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也(暦便覧)
清明は「清浄明潔」を略したもので、
「万物ここに至って皆潔斎なり」と称されるように、
春先の清らかで生き生きした様子をいったものである。
この頃になると、春気玲瓏にして、桜や草木の花が咲き
始め、万物に晴朗の気があふれてくる。
※読み:セイメイ
<参考:【室礼】和のこよみ>
農作業に追われてBlogが更新できないのは、嬉しい悲鳴なのだと思う。今日一日も、午前中少し遅めであるが畑に出て、日の暮れるまで土と遊んでいた。家の中もようやく落ち着き、引っ越してきてから初めて、自宅兼オフィスの事務机の上でPCを広げることができた。
つくし農園(つくば自然農農園)での実践参加者(プレーヤーと呼んでいる)の申し込みがひと段落つき、開園の不安をよそに、予定していた人数にほぼ達してのスタートを切ることができた。キックオフを終えいよいよ農繁期、田畑の作業が目白押しの季節が巡ってくる。プレーヤーに負けそうなくらい、みんなの自然農への関心、期待、思いが熱く、責任者として負けてはいられない。こうしてビールグラスを傾けながらキーボードをたたいていても、鼻息が少し荒くなってきてしまう。
昨日の晩、大学時代によく通った軽食屋に足を運ぶ途中、学生寮に沿って見事に咲き誇るサクラ並木の横を通った。通ってから気づいたのだが、もちろんこの時期である。入学祝いをエサに宴に明け暮れる学生たちに並木が占領される、いつもの光景が広がっていた。

桜の下を素通りし、共に酔い叫ぶ仲間がいないことをやけに寂しく思った昨晩であったが、太陽の下でクタクタに作業をして机に向かう今日の晩は、その寂しさがどこに行ってしまったかと思うほどに気持ちが充実しているのも可笑しい。
万物に晴朗の気があふれてくる、清明の頃。自然農の田畑に立ちて、大地から気を受け、いのち張る。春は張るの季節。
【清明】…万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也(暦便覧)
清明は「清浄明潔」を略したもので、
「万物ここに至って皆潔斎なり」と称されるように、
春先の清らかで生き生きした様子をいったものである。
この頃になると、春気玲瓏にして、桜や草木の花が咲き
始め、万物に晴朗の気があふれてくる。
※読み:セイメイ
<参考:【室礼】和のこよみ>
2006年04月11日
管理という表現
弥生十四日 曇りのち雨
春の風が勢いよく過ぎてゆく。晴れの日と雨の日が互い違いにやってきて、畑の雑草が嬉しそうに背丈を伸ばす。先週あたりから、畑にはポコポコと新芽の声が聞こえ始め、畑に向かう毎日の足取りがついつい早くなってしまう。

大根のふたばが息吹をあげた!
今年から農園として人を招いているため、いかに心地よい空間を演出できるかを漠然と意識しながらの日々になっている。自然農というメチャクチャに面白いテーマに参加者がこころおきなく取り組んでいけるように、周辺の整地や道草の管理を考える。それもまた、自然と農業(農作業)との対話であり、自分の心の表現でもある。

先週の土曜日、畑と道路の境に、篠竹の束で簡易に境界線を作ってみた。何もないよりはマシかという程度の管理であるが、身の回りにあるもの、畑の周囲にあるものでいかに済ませられるか、という問答も、面白いものなのだ。こんなことばかり楽しんでいるせいで、自分の畑の種まきが全然進まなくて困るのも考えものでもあるのだがね。
春の風が勢いよく過ぎてゆく。晴れの日と雨の日が互い違いにやってきて、畑の雑草が嬉しそうに背丈を伸ばす。先週あたりから、畑にはポコポコと新芽の声が聞こえ始め、畑に向かう毎日の足取りがついつい早くなってしまう。

大根のふたばが息吹をあげた!
今年から農園として人を招いているため、いかに心地よい空間を演出できるかを漠然と意識しながらの日々になっている。自然農というメチャクチャに面白いテーマに参加者がこころおきなく取り組んでいけるように、周辺の整地や道草の管理を考える。それもまた、自然と農業(農作業)との対話であり、自分の心の表現でもある。

先週の土曜日、畑と道路の境に、篠竹の束で簡易に境界線を作ってみた。何もないよりはマシかという程度の管理であるが、身の回りにあるもの、畑の周囲にあるものでいかに済ませられるか、という問答も、面白いものなのだ。こんなことばかり楽しんでいるせいで、自分の畑の種まきが全然進まなくて困るのも考えものでもあるのだがね。
2006年04月17日
作業メモ
弥生二十日 晴れ
疲れた〜。今日は書きとめるだけで。
田:土曜日に農園の共同作業で作った苗代を確認する。ほぼ問題はないのだが、2,3箇所「籾殻」が食べられたような形跡を見つけた。予想はしていたのだが、間違いなくスズメが食べた後に違いない。明日にでも鳥避けネットを張る必要があるだろう。甘く見てはいけない。二度あることは三度あるのだから。(昨年の攻防の様子はこちら)
畑:後手後手に回っていた農地整備(畝作り)を一気にすすめる。すでに膝を越すほどに成長したナズナ(ペンペン草)のせいで鍬を進めるスピードが上がらないが、ようやくゴールが見えてきた。今週の作業でひと通り畑の姿が完成するだろう。整備作業ばかりで種蒔きが進まないが、今日は枝豆を2列蒔くことができた。
日が暮れるのがだいぶ遅くなってきた。18時半まで作業ができるのは嬉しいのだが、ついつい作業をしすぎて次の日に残すことがないように気をつけたい季節。
疲れた〜。今日は書きとめるだけで。
田:土曜日に農園の共同作業で作った苗代を確認する。ほぼ問題はないのだが、2,3箇所「籾殻」が食べられたような形跡を見つけた。予想はしていたのだが、間違いなくスズメが食べた後に違いない。明日にでも鳥避けネットを張る必要があるだろう。甘く見てはいけない。二度あることは三度あるのだから。(昨年の攻防の様子はこちら)
畑:後手後手に回っていた農地整備(畝作り)を一気にすすめる。すでに膝を越すほどに成長したナズナ(ペンペン草)のせいで鍬を進めるスピードが上がらないが、ようやくゴールが見えてきた。今週の作業でひと通り畑の姿が完成するだろう。整備作業ばかりで種蒔きが進まないが、今日は枝豆を2列蒔くことができた。
日が暮れるのがだいぶ遅くなってきた。18時半まで作業ができるのは嬉しいのだが、ついつい作業をしすぎて次の日に残すことがないように気をつけたい季節。
2006年04月20日
雨のち晴れ
弥生二十三日【穀雨】 雨時折風、のち晴れ時々曇り
田んぼにスズメよけのネットを張ったり、忙しく春の種蒔きに追われたり、今後の自分のプランニングに頭をショートさせたり、一日が目まぐるしく早く過ぎてゆく。時間があればあるだけ畑作業をしていたいし、でもそれに付随する準備作業もあり、勉強もあり、もちろん生活のための副業もあり、出会いもあり、飲み会もあり、ぐるぐるぐると落ちつかない。
そんな日の雨。何ものも恐れず、どうだ俺は、と言わんばかりに打ち下ろし、思考をストップさせる大存在。その抗えない自然の圧力。午後遅く、これまた吹き荒れた春風に流された雨雲の間から、懺悔したくなるような柔らかな光が届く。

雨のち晴れ。そうだよなあ。絶対に間違いのない、世の中のあたりまえの真理を、またひとつ再発見。
【穀雨】…春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧)
穀雨とは、百穀を潤す春雨をいう。
この頃は、春雨のけむるがごとく降る日が多くなり、
田畑を潤して穀物などの種子の生長を助けるので、
種まきの好期をもたらす。雨が長引けば菜種梅雨となる。
※読み:コクウ
<参考:【室礼】和のこよみ>
田んぼにスズメよけのネットを張ったり、忙しく春の種蒔きに追われたり、今後の自分のプランニングに頭をショートさせたり、一日が目まぐるしく早く過ぎてゆく。時間があればあるだけ畑作業をしていたいし、でもそれに付随する準備作業もあり、勉強もあり、もちろん生活のための副業もあり、出会いもあり、飲み会もあり、ぐるぐるぐると落ちつかない。
そんな日の雨。何ものも恐れず、どうだ俺は、と言わんばかりに打ち下ろし、思考をストップさせる大存在。その抗えない自然の圧力。午後遅く、これまた吹き荒れた春風に流された雨雲の間から、懺悔したくなるような柔らかな光が届く。

雨のち晴れ。そうだよなあ。絶対に間違いのない、世の中のあたりまえの真理を、またひとつ再発見。
【穀雨】…春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧)
穀雨とは、百穀を潤す春雨をいう。
この頃は、春雨のけむるがごとく降る日が多くなり、
田畑を潤して穀物などの種子の生長を助けるので、
種まきの好期をもたらす。雨が長引けば菜種梅雨となる。
※読み:コクウ
<参考:【室礼】和のこよみ>
2006年04月26日
priceless
弥生二十九日 晴れ
「発展しても日本みたいなら、ならなくてもいいと思ってしまう。」
アジアのとある国から来ている友人との食事で、こんな言葉を聞くことになった。仕事で日本に来て3度目の友人は、職場の関係で日本人の従業員と飲み会の席に座ったときのこと。日本人たちの間で交わされるのは給料の話か待遇の話か、不自由さの話ばかり。
「もちろん、お金は大事。でもそれは最低限であったり、あたりまえの話。そればかりを目標に生きることなんてできない。」
「国に早く帰りたい。日本人はみんな、お金お金、時間時間。母国はお金はなくて貧しいけど、家族と友達と安心して過ごせる。お金は自由じゃないけど、心は自由だよ。ずっと後になって私の国が発展して、物が豊かになっても、こんなふうになるのは嫌です。」
そんなことはない、と強く言い切れず、一人の外から来た目にこのように映った自分たちの社会が、とても寂しかった。その言葉を否定できない現状、しかしこの国に生を受けた必然と責任と幸運。そして漠然と抱く望むべき将来像。確かに胸に潜む、今の日本への違和感。
日常に誤魔化して、自分の中の違和感を「仕方がない」の言葉で死ぬまで抑えて生きていくことなどできないから、僕は今を生きる。
カード会社がうたう、お金があるからこそ言える"priceless"などという欺瞞を打ち砕く、本物の"priceless"を目指す。
「発展しても日本みたいなら、ならなくてもいいと思ってしまう。」
アジアのとある国から来ている友人との食事で、こんな言葉を聞くことになった。仕事で日本に来て3度目の友人は、職場の関係で日本人の従業員と飲み会の席に座ったときのこと。日本人たちの間で交わされるのは給料の話か待遇の話か、不自由さの話ばかり。
「もちろん、お金は大事。でもそれは最低限であったり、あたりまえの話。そればかりを目標に生きることなんてできない。」
「国に早く帰りたい。日本人はみんな、お金お金、時間時間。母国はお金はなくて貧しいけど、家族と友達と安心して過ごせる。お金は自由じゃないけど、心は自由だよ。ずっと後になって私の国が発展して、物が豊かになっても、こんなふうになるのは嫌です。」
そんなことはない、と強く言い切れず、一人の外から来た目にこのように映った自分たちの社会が、とても寂しかった。その言葉を否定できない現状、しかしこの国に生を受けた必然と責任と幸運。そして漠然と抱く望むべき将来像。確かに胸に潜む、今の日本への違和感。
日常に誤魔化して、自分の中の違和感を「仕方がない」の言葉で死ぬまで抑えて生きていくことなどできないから、僕は今を生きる。
カード会社がうたう、お金があるからこそ言える"priceless"などという欺瞞を打ち砕く、本物の"priceless"を目指す。