閏七月十八日 晴れ
夕方6時。ここ数日、日が沈んで畑から帰って時計を見ると決まってぴたりとその時刻となる。いつの間にか夏至から3ヶ月も過ぎて、気がつけば秋分は目の前に来ている。秋分の前、暦は白露を迎えてはいるが、なかなかどうして、まだまだ暑さに勝てぬ昼間が続いている。
昨日の土曜日、隣の田んぼでいよいよ稲刈りが行なわれた。遠巻きにコンバインの入る姿をみて、内心はヒヤヒヤものの光景。隣接する箇所がぬかるんでしまって走行に支障がでないかとの懸念も杞憂に終わり、ひとまず迷惑はかけずにすんだという最低限のノルマがクリアされ、心の底から安堵のため息が漏れた一日となった。

左:つくし水田/右:収穫を終えた慣行田
さて、その悩みの種であった水周り問題であるが、数日以内に稲刈りが行なわれるという話を前から聞いていたこともあり数日前からじつは田んぼの水を落としていた。出穂を次々に迎えるこの時期の自然農の田んぼにとって水田の水を落とすことは避けたいところではあるのだが、継続的な自然農活動のために涙を呑んでの対応であった。ごめんね、稲ちゃん、許しておくれ、と何度心で泣いたことか。
そうした今週末。ようやく隣の稲刈りも終わり、いよいよ水を自由に入れられると喜んだのも束の間、今度は水路に水がない。水がないのだ。慣行農の水田では収穫は9月がほとんど、もはや水路に水をたたえる必要はないというのか、田んぼに水を取り込みたくとも水路に水が流れていないのだ。
とはいえ、残念、と天を仰いでいる暇はない。こんな時の為にと今夏、こそりと買い叩いていた揚水ポンプを物置から運び出し、てんやわんやの準備作業の末、勢いよく水路の残り水を吸い上げるエンジンが自然農園の水田脇にこだますることとなった。(なにやらサラリと書いてしまったがとにかくなんとか対応できたという感じでありました。)

古めかしいポンプよ… 水を田んぼへ!!!
理想で「鉱物資源に頼ることなく」と言いながら、こうしていざというときに泣きつく葛藤を乗り越えて。
ふう・・・。