注)記事の日付は太陰暦を用いております

2006年09月20日

ニヤリ

閏七月二十八日 晴れ

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 最晩生の古代米、黒紫苑が出穂し、花をつけだした。

 これでようやく、すべてのお米たちが秋の収穫までカウントダウンを迎えることになった。可愛い奴らめ、と写真に収めようといそいそと田んぼに出ると、東側に隣接する田んぼのご老父が手刈りでの稲刈りを行なっていた。ずらりと並べられた稲木が見事でついつい邪魔して話しかけると、腰に結わえた稲わらを手に取りながらこちらに気づいてくれた。

 「稲が倒れてしまってねえ、これでないと刈れねえからね。追肥がだめだったんだな、雨と、暑いのと、うまくタイミング合わないと倒れやすくなっちまうみたいだねえ。ま、知らないことばっかりだから(ニヤリ)。」
 専業なのか兼業なのかは聞いてはいないが、その手つき腰つきをひと目見るだけでどれだけその体に染み付いてきた所作なのかがわかる。そのじいさまの口から「知らないことばかり」と出るんだからまいってしまう。

 こちらが迷惑かけてないかとたずねても、それどころか頑張ってくれと答えて、何の関心もないように振舞ってくれる。それがなんともありがたく、少しのあいだ話に耳を傾けていた。一ヶ月後に控えたこちらの稲刈りに向けて竹竿や農具を借りれないものかと相談すると、これまた快いお返事。干しが終わって空いていたら勝手に使っていいから、と別にたいした事でもないようにつぶやき、また稲刈り作業を始められていた。週末には老人会で出かけるから刈っておかないといけないんだそうな。

 
 優しさと、匠ぶり、老人の偉大さ。


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出穂したばかりの黒紫苑(左)と、頭を垂れだしたイセヒカリ(右)と、奥に並んだ稲木干し
posted by 学 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 田の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする