師走十六日 晴れ
薄ら寒い一日。前夜まで、今日、春が生まれる前日のこの日までに、残った稲の脱穀を完了させようと思っていたのに。。。ドアを開けた途端の寒気と風に、決意が軽くなぎ倒された。
旧正月まで居座ってもらうぞと宣言したままの、ひび割れ激しく部屋に佇む鏡餅と、玄関の柱に括りつけた正月飾り。ハレの儀礼がもはや日常になりつつある光景だが、今日はその飾りの隣に、ヒイラギとアジの頭を加えることにした。節分の飾りといえばヒイラギとイワシであり、縁起物は由来のとおり行なうのがそりゃあ間違いないのだが、わが冷凍庫にはアジの干物とサンマのミリン干しとカズノコしかないのである。なになに、と起源を調べてみると、イワシはすぐに傷んで匂いが強いために鬼が嫌うとされたそうだとチラホラ。なるほど、匂いの点では干物のアジだって負けてはいまい、と包丁一閃、冷凍干物の頭を叩き切り、束の間の、鬼除け飾りをこしらえてみた。
ついでに豆も、と棚をのぞく。今年脱穀した大豆の陰に、昨シーズンの豆の残りが隠れているのを発見した。うーむと考えたが、年男でもなし、鬼退治に一人で豆を撒くのも恥ずかしい。炒り豆には多すぎる、古米ならぬ古豆を手に取り数分の後、いざ初めての味噌づくりを試みることに決めたのだった。
かくして、イワシの代わりにアジ、豆を撒く代わりに、豆を浸すことになった今年の節分。つくばの鬼さん、今年はお手柔らかにお願い致しますね。
手作り味噌のイロハは他のサイトに譲ることに。さて楽しみ。
※味噌の作り方…「手前みそセット」や「こうじ」を販売する伊勢麹さんのHP。
サイト内の手作り味噌の解説は、イラスト、豆知識も豊富で良質。
注)記事の日付は太陰暦を用いております