師走二十五日 晴れ
神武天皇が即位した日とされる建国記念の日の翌日、陽気に誘われて霊峰筑波山へドライブ。梅まつりを翌週に控えた梅林は、開祭前にも関わらず多くの梅好きが足を運んでいた。
筑波山神社から少し下って広がる梅園は、傾斜に居並ぶ紅白鮮やかな梅と筑波山の中腹から望む関東平野の眺望を、贅沢に重ね見ることができる名園である。暖冬の誘惑に負けて少々急ぎ足の梅たち。焦げ色の深い幹に満開の紅白を咲かせる早咲きを背景に、指で触れたら弾けそうな程に膨らませた無数の蕾のなんと可愛らしいことか。
林道を登りきり、展望あずまやへ。しっとりと枯れ草色のつくばの野に、濃度の濃い春霞がたなびく。真冬を越えた春の入り口、この独特の重苦しいとも言える、ほつほつとした息吹の塊のような気配に包まれる季節。国が拓かれた紀元節は、もしかしたら今日のような日であったのかもしれない。この、春にたなびく霞には、遥か無尽の自然の命が内包されている気がしてならない。
梅林から望むその霞のすそに、つくし農園も包まれている。包まれて、命あふれますように。
※筑波山梅まつり
:今年で34回目。2月中旬から一ヶ月ほど開催されるそうです。
混雑が予想されますね。
注)記事の日付は太陰暦を用いております