注)記事の日付は太陰暦を用いております

2007年05月09日

立夏の単語

弥生二十三日 晴れ

 立夏を過ぎていよいよ、湿気と熱気が地面から匂い立つ季節に入りだした。五月上旬までが、夏野菜の種蒔きラッシュのピーク。稲の苗代もようやく晩生種が播き終わり冷や汗をぬぐってひと息ついた。明日からはこのところ放っておいた畑に戻って、残っている種播きを終わらせるのに集中しなければ。

 デジタルカメラの調子が悪く、このところの田畑の様子が撮影できていない。繰り返した雨、その後の驚くような陽気が相まって、畑の草が、踊り狂うように繁茂の相を呈してきた。田んぼの苗代は、ようやく発芽が確認できるようになってきた。これからが、勝負の季節でござんす。

 雑草、腰、背中、早起き、忍耐、陽射し、麦藁帽子、麦茶、ビール。

 今思いつく、これから頻繁に使うだろう単語たち。
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2007年05月13日

行きつ戻りつ

弥生二十七日 曇り

 つくし農園、5月の集合日が終了。先月までまだまだ枯れ草色が目立っていた畑が、ひと月ぶりの訪問で緑の小山に変わっている様子に驚くプレーヤーも多数。畑作業では、この時期の雑草との向き合い方を実習。田んぼは先月こしらえた苗代にまだまだ目立った変化は見られず、ちょろりと顔をだした芽になんとか一安心。草取りは来月になりそうかな、といった感。メインの作業は畦の補強、踏み固め塗り固めのバリバリの肉体労働を人数に任せて遂行した。

 集合日でいつも気づかされるのは、前日までに頭で考えていること(それはつまり毎日自分がやっていることでもあるのだが)を、当日メンバーと一緒に作業しながら話すことで、ぼんやりしていた感覚が自分の中に落とし込まれていく感覚である。いつも誰とも話すこともなく、今までの慣れと思いつきと振り返りの繰り返しで、まるで自動車を運転する時のように作業を進めていくので気づかないが、改めて「車の運転の仕方」や「エンジンの動き方」を言葉に出して誰かに説明するような、そんな再確認。だからこそ、雑な説明にならないように気をつけたいのに、ペースがつかめなかったり予定通り進まないと、進行することばかりに頭が追いやられて肝心の自然農との向き合い方を伝えきれずに時間が過ぎていくことになる。

 と反省のひとかけらを気にしながらも、自分の知る自然農などまだまだ破片に過ぎず、結局はプレーヤー各人がそれぞれの取り組みの中で気づいていくことが真実でもあると思い直す夜。自分ができることは「伝える」ことなどではなくて、「気づく」きっかけの場所を用意することなのかもしれないし、そうでないかもしれないし。もう少し考えながら進みます。
 

070513tenugui


 親友にもらった手ぬぐいの絵柄が随分とのん気で、リラックスにはもってこい。ありがたいもんです。
 
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2007年05月15日

なんでもない一日

弥生二十九日 晴れ

 10時半、背中に滲む汗とさらに強さを増す陽射しにうんざりして部屋に引き上げてきた。言い訳にならないこのやる気を奪うエネルギーは説明しがたい引力がある。あああ、この季節がやってきたのだな、と。畑の雑草の勢いは、一瞥するとまるで敵わない相手のように思えるが、いざ畝間に腰を下ろして手を動かし始めるとなかなかどうして着々といい勝負になるものだ。たとえ周りから見たら雑草に埋もれた畑に変わらずとも、中をみれば播種した箇所や草刈りを済ませた跡が存在し、静かに背丈を伸ばす野菜たちが雌伏して佇んでいる。

 後の作業は、午後2時以降にまわすことにしよう。そうしよう。 


 そんな昼休みを過ごしていたら、にわか雨が落ちてきてほつりほつりと暫く土を濡らし始めた。夕方までには上がってほしいと願っていたら、大した降雨もなく雲は通り過ぎていった。ひんやりとした風がまた晴天を連れてきて、早速午後の作業を再開。夕暮れ、沈みかけた西日が、実り前の麦の穂を明るく照らしていた。なんだかせわしなかった天気に追い立てられた、そんな今日の締めの景色。

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2007年05月28日

晩春の色

卯月十二日 晴れ

 天気良く、空気の涼しい、作業には最良の一日。雨と暑さと怠け心、おまけに鳥にも負けて少々ペースが遅れがちの畑作業を取り戻そうと、朝からぶっ続けで畑に出る。

 お前らええ加減にせんかい、と愚痴りたくなるほどの、山のように茂る雑草たちとの格闘。種を播くにも雑草、苗を植えるにも雑草、育てるにも雑草、何をするにも雑草を刈らねば始まらない。ああ、なんかなつかしいなあ。セイタカアワダチソウ、ヨモギ、クズ、数年前の熊谷での格闘が走馬灯のように思い起こされる。軽い前途への不安感を背負いつつも、それでも手を進めるしかないのである。

 気分転換に、つくし農園の畑へ。こちらもまた、一面に賑やかな緑の大躍進。その中に、熊谷から種を運んだお気に入りの花が可憐に咲き出していた。晩春を青に染める矢車菊。採種して、根付くかどうか不安ながらもばら撒きして待ち焦がれた一輪。

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 そして塔立ちして花を咲かせた春菊。心が救われる彩り。

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 一週間まえから暦は「小満」へ。幸運にも涼しさが続くらしいこの週、フル回転で田畑に出るべし。



【小満】…万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る(暦便覧)
     陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るという意味。
     西日本でははしり梅雨が現れる頃
     ※読み:ショウマン
     <参考:こよみのページ
posted by 学 at 19:04| Comment(5) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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