文月七日 晴れのち晩雨
何の因果か旧暦七夕の今日、これまでのアホのような酷暑の晴天を遮り、ほつほつほつと雨が落ちる夜。あまりの渇きの大地を憂いた乙姫が、一年に一度の再会をおあずけしてまで雨雲を届けてくれたのかと思うと、本当にありがたみのある癒しの雨を喜ぶ。
お盆を過ぎた週末。昼間の晴天はやはり農作業には厳しいもので、野菜売り場に居残って昼飯と昼ビールを飲みながら横目で店番をしてみた。売れないながらもちらり、ほらりと気がつくと消えていく野菜は微笑ましいものの、できればもっと買われて欲しいもの。ピクニックさんで食事を楽しむカップルや家族は気にかけてくれるものの、知名度の低い「自然農の野菜」はなかなか手には運ばれず。
手持ち無沙汰となり、少し傷のあるトウモロコシをパクつきながらしばし。顔見知りの方がそれって生で食べられるんですか?と聞いてきた。取れたては生が最高なんですよと話していると、隣のテーブルの家族へ連鎖反応し、さっき食べてましたよね、と話題へ。気づけば小さなモロコシ2本、200円、お買い上げいただいておりました。ランチを食べた後なのに、皮を剥いたトウモロコシにかぶりついて、甘いね♪と微笑む女の子を見ていると、なんだか数日の暑さが報われたような気がした。
プリミティブな感動に出会えた、七夕の午後のひととき。
注)記事の日付は太陰暦を用いております