注)記事の日付は太陰暦を用いております

2007年11月03日

あふれる

長月二十四日 晴れ

 午前中、しばらく放っておいてセイタカアワダチソウアメリカセンダングサ(どちらも帰化植物で風情に欠けるのだが)に占領された区画を気合いで刈り倒す。セイタカの茎は木質化して硬く、センダングサ(別名ひっつき虫)の花と種子は衣服にやたらとまとわりつき、はなはだ苦労した。背よりも高く生い茂る草山を刈り払い機で倒し進むと、時々足元にごろり、とカボチャを踏みつける。盛夏に取り残し、忘れられて埋もれたままに久しぶりの再会を果たす君達が、晩秋の草刈りの楽しみの一つではある。旬を過ぎて肥大させたナスやオクラたちも、種取りのために収穫を進める。ここ数日の冷気で深まりを見せるつくばの秋も今日は少し中休みして、晴天が作業を後押ししてくれた。

 昼にあがって、シャワーとおめかし。午後に大学時代の後輩のウェディングパーティーへ。再会の場にあふれる幸福感がたまらなく心地よく、新婦の笑顔、新郎との握手で、体の芯にパワーを充足させてもらった気がする。つくばの新居、芋でも持って遊びに行くから。今日は本当にオメデトウ!



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植物雑学辞典・・・雑草はコチラで確認。
  岡山理科大学 総合情報学部 生物地球システム学科 植物生態研究室の一サイト。さすが研究室、参考になりますね。
posted by 学 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月04日

朝から

長月二十五日 晴れ

 朝から一日農作業で過ごす。苺の移植やエンドウの種播き、必要に応じての土起こし、他に数種類の苗の定植。昼飯は、友人、メンバーと芝に座して握り飯とドイツパンを頬張り、茶で流す。高い空からの日射しが暖かい。雑談、相談、そしてまた作業。めっきりと早くなった西日が落ちるまで。

 夕飯に間引きのカブと明日葉を軽く炒めて醤油と鰹節で食べる。一杯の冷酒に良く合う。ほろ酔いにならないうちに、干しておいた大根の種莢とエンドウの莢を新聞紙に広げて種取り作業。手もみ、足踏み、板摺り、なんでも試して莢から種をこぼれ出させる。パリパリ、ザシザシと小一時間。明日の分、春播きの分、自家採種して自然農に合う種へ繋がるようにと邪念をこめて。

 明日は曇りの予報だが、火曜日の雨の前に、なるべく作業を進めたい。もう一杯飲んで寝るかな。
posted by 学 at 22:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月09日

ううう

長月三十日 曇り時々晴れ 【立冬】(昨日から)

 作業を終えて家に帰ると唇がカサカサに乾燥している。今日から全国火災予防週間もスタート(11月9日は119番の日だそうです♪)。そんなカラカラの空模様が続いて欲しいのに、週末は集合日で稲刈りもどんどん進めないといけないのに、明日は雨の予報。晴れてくれないかなあ。ううう。もやもや。

 人間は所詮、天候には逆らえないのです。週末が晴れてくれるなんて、ただの確立に過ぎないのである。こんなに、唇、乾いてるのになあ。

 念を、曇天の夜空に送ってみよう。

 その一方で、秋播きの野菜たちには嬉しい雨なんだろうねえ。そういうことなんだけど。



 畑で作業していたら、「今年は暖冬なのかなあ、霜が降りねえな。」と農夫の声。確かに、底冷えの寒気はまだ聞こえてない。昨日産まれた冬の声。いよいよ、紅葉が深まりを見せるころ。そういや明日からは神無月(旧暦で)か。筑波の神々様、出雲に向かう前に、曇天晴らして行ってくんねえかい?


 【立冬】…冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也(暦便覧)
      この日から立春の前日までが冬。日は短くなり時雨が降る季節。
      北国や高山からは初雪の知らせも届き、関東では空っ風が吹く頃。
      <参考:こよみのページ
posted by 学 at 18:11| Comment(3) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月15日

つらつら

神無月六日 晴れ

 集合日が雨で、日曜日しか作業ができず。雨は冷たく、少々の稲刈り作業と山盛りの畑の収穫。ウィークデーには晴れつつ、先週末の雨。残念だったが、連日の澄み切った晴天に心も洗われる。

 稲刈り恐々、畑準備ひいひい、副業少々、来年の準備ばたばた、農具の調達もんもん、趣味へとへと。 あー、今週末は飲み会だ。財布、からから。
posted by 学 at 17:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月18日

エンジン

神無月九日 晴れ

 前週の雨の集合日と、この週末の晴れ。遅まきながらつくし農園の稲刈りが本格的にスタートした。ここの田んぼは水抜けが悪い(そのわりに夏の水漏れは多いのだが)せいか、もしくはこの秋の寒さの訪れがゆるいせいなのか、稲穂の枯れ色の進み具合がのんびりしていた。それもやっと頃合いを迎えた。

 いざ、稲刈りである。

 それぞれの、稲穂の出来はともかく、ようやくの一年の重みを手に握り締める時ではある。どう贔屓目に見ても全体的に実入りの悪いうるち米ともち米。しかし、日当たりの悪いが取水口に近いエリアはなんとかの豊作。その代わりに平均的に実りの良さをみせている晩生の緑米と黒米。香り米、神丹穂、モチ黒米は順調、赤米は元気なし。原因、要因、遠因に頭をひねくり回してみたり、これも修行と受け流してみたり。

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 とにかく、稲刈りである。

 今年はメンバーの区画が増えたおかげでインチキ百姓の作付け面積が昨年の3分の1。こればかりは、嬉しいやら寂しいやら、背反の感情が渦巻くところ(笑)。

 よし、来月中の脱穀作業を見据えて、稲刈りラッシュにエンジンをかける。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 田の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月19日

降り立つ

神無月十日 晴れ 


 
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 前日の集合日の畑で目にした、濃緑色に溶けたようないくつかの野菜の葉。ようやくきたか、というなんとなく待ち遠しかったこの季節の風物詩。霜枯れ。サトイモ、サツマイモ、落花生、ジャガイモなどが、この葉色とともにまるで魔法にかかったように朽ち枯れていく。まるで溶けて消えるかのように。そしてそれは、早く収穫しなさいという、季節からのお告げでもある。夏に育っていたこれらの野菜たちは霜が降りたその日のほぼ一発で生命力を失い、ぐったりと命の営みを終える。そして、その宿した生命力を大事にいただく季節がこれから深みを増してゆくことになる。

 霜でも枯れない冬菜や春の豆、麦類はこの冬にも少しずつ背を延ばし、あるものは貴重な冬の食物となり、あるものは雌伏して早春の彩りに身を備える。

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 季節の変わり目は、時にゆっくりと、時に一瞬で訪れる。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月22日

ボウボウ

神無月十三日 晴れ 

 ビュウビュウ吹き荒れる木枯らし。平日に押しかけてきた友人達をフルに利用して、一人ではやる気が遠のくようなビュウビュウの中、遅きに失する感ありありの小麦の脱穀と、昨年収穫米の籾摺りを強行した。
 昨日は、芋掘りに雑草退治に連れまわす。体を動かしたいという希望と自然農ってなんだよ?という疑問への回答だと嘯いて、大盛り食堂をエサにしっかり「楽しんで」もらった。

 ビュウビュウにかじかみながらも、脱穀作業の後ろで焚き火と焼き芋も慣行。ボウボウに焚く。ボウボウに。あったかくて、うまくて、なんとかしっかり作業が進む。

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 いやあ、やっぱ焚き火だよ、焚き火。
posted by 学 at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 友と共に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

ちょいイベ

神無月十四日 晴れ

 今週末の日曜日、11月25日。ちょっとしたイベント、ちょいイベします。

 東京中野の「まどろみカフェ」さんで、小生が育てた自然農野菜のプレートを出していただくことになった。
 曜日でかわる日替りカフェ「ウナ カメラ リーベラ」の日曜担当「まどろみカフェ」さん。今回はつくし農園のプレーヤーでもあるカフェのシェフ yさんのご好意で、一部のメニューに自然農野菜のメニューを取り入れていただけるのです。

 収穫もまだまだ調整段階のインチキ百姓の畑、今回は一度きりのイベントとして提供。当日は小生も19時頃に駆けつけられるので、我が子の晴れ姿を堪能予定♪ 

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採れたての旬の自然農野菜です



 「旬のオーガニックな食材を
  無駄なく◎ごと調理する
  ホールフードにこだわった
  ココロとカラダと環境にも優しい
  そんなMADOROMI流
  マクロビオティックメニュー」
        @まどろみカフェBlogより抜粋

 を、いざいただかん。


※当日の詳細、オープン時間、アクセスなどはこちらのHPをチェック!!
posted by 学 at 08:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 新しき出会い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月25日

まどろみの先

神無月十六日 晴れ


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 「慣行農、有機農、自然農のカブ、五感をつかって味の違いを感じとってみてください。」そんな粋な企画に出迎えられつつ、まどろみカフェの夕べを楽しんだ。提供した野菜の量は限られたため限定十数食の自然農プレートとのことだったが、小生がまだつくばを発つ前に、カフェからは「開店二時間で完売」というメールが届く。嬉しいやら申し訳ないやらである。朝いちでお願いされていた里芋の追加注文分も持参して上京するはずだったのに、気も漫ろでTXに乗り込んだ結果、車の中に忘れてくるという失敗も犯して、期待の里芋コロッケは食べられないなあなどと腹の虫を鳴らしながら、メッキリ冷えた空気に包まれた中野駅に降りた。


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 初めて訪れる「まどろみカフェ」は、賑やかな駅前の喧騒から逃げるように線路沿いを歩いた先に、ぼんやりとたたずんでいた。無機質なアパート群と時折見える庭木に囲まれた通りにふらりと顔を出す看板には一房の稲穂がライトに照らされて、こちらを手招きをしている。誘われるようにして門を入ると、靴が並んだ昔風の縁側に出迎えられ、その大き目のガラス戸の奥には紛れもなく暖かい室温が待ち構えてくれていた。暖かさの中に知ってる顔がちらりほらり。つくし農園のプレーヤーや、大学時代の友人らがいて、のんびりとしたカフェの空気がますます和やかになっていく。
 メールでは完売とのことであったがそこは予約客、なんとかプレートを食べられそうでひと安心。その一方で、普段自然農の野菜に触れることの少ないお客さんに食べてもらえる機会を自分が奪うのはいったいどうなんだとも思ってみる。一瞬。しかしキッチンの奥から漂う優しい調理の香りに鼻腔が占領され、その瞬間に頭が空腹に占領されることになった。小さめの調理場の中では、プレーヤーのyさんがこまごまと手を動かしてガスレンジと格闘していた。さて、飯だ。

 本日頂いたメニューは覚えている限りではこちらのとおり。

 ・カブのおひたし(テイスティングテスト)
 ・里芋コロッケ
 ・キクイモのキンピラ
 ・有機野菜のサラダ
 ・自然農ブレンド米
 ・サツマイモの茶巾+豆乳アイスなどのデザート

 シンプルで、素材を活かすことに意識された優しい味付け。「ウマイ」という表現より、「おいしい」という言葉のほうがふさわしい。そして何より、口に入れるのが「嬉しい」。メニューとして提供してもらった我が子の晴れ姿は、いつもの手料理とはひとあじ違い、よそ行きの顔をして澄ましているようなそんな別の魅力があった。こうした喜びはなかなか代えがたいものでもあるなあ、とシンプルに胸が充足していく心地。次回がいつかは決まっていないが、出来うる限りつなげて行きたいと思う。自然農で育った野菜の味を知ってもらうこと、それは今自分が思っている以上に意味があることなのかもしれない。



 いつの日かつくばでも。できたら、だな。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 食の喜び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月29日

おいしさ

神無月二十日 曇り


 自然農の野菜はおいしいか否か?

 その答えは、否である。

 
 あえて、あえてそう言ってみる。続きを読む
posted by 学 at 10:24| Comment(9) | TrackBack(0) | 本質を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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