注)記事の日付は太陰暦を用いております

2008年02月02日

転げながら

師走二十六日 晴れ

旧暦も、師走が押し迫ってきた。当方は走るどころか転げまわっている。先月末に家屋の引越を済ませ、さて新居。部屋数が増えたのはいいのだが荷物がてんで片付かない。さらにはいただきモノやら買い漁りモノやら落札モノやらまで日を追うごとに増加する。嬉しい悲鳴ではあるが、ひとつ間違えれば「ゴミ屋敷」になりかねない状態だ。

季節はといえば、つくばは立春を前に寒さが際立ってきた。来週末に控える新天地でのつくし農園スタートを前に、農具の引越しも済ませ、いよいよの気持ちとはうらはらに寒さで体は萎縮するばかり。家の片付けと田畑の準備をどっちを優先させるか迷うばかりでちっとも前に進まない。いや、コタツから足が出ないだけか。

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新しい土地は、畑から筑波山が望める。筑波颪(つくばおろし)に背中を丸めながらも、畑に立てば既に新しい命は雌伏している。そろそろ、鍬でも振りはじめるか。

その前に、明日は吉瀬の畑に残してきた、里芋、キクイモ、もろもろの救出だ。
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2008年02月06日

越す

師走三十日 大晦日 雪時々曇り

 一昨日に立春を迎え、昨日の晴天を喜んでいたら、朝起きると雪が積もっている。集合日の前に済ませておかなければいけない事が山積みではあるが、畑作業に出られない。ここぞとばかりに旧暦師走の大晦日を、引越荷物にうずもれる新居の大掃除にあてることにした。

 一段落の目途もつかず、蕎麦の代わりにインスタントのカップパスタ(たまには食う♪)を流し込み、掃除と資料作りを夜中まで。気がつくと年明けまで数分。なんとか年越しは心を落ち着かせておくることができたのだった。
とはいえ別段、太陰暦で正月を祝うほどかぶれているわけでもないのが正直なところであり、インチキ百姓にとっては、旧正月よりも二十四節句の「立春」のほうが意味は大きいのだが、やはりなんとなく、嬉しいものでもある。

 昨日の晴れ、今日の雪。明日の正月は晴れの予報。寒さは峠を迎え、新しいひとめぐりに想いを寄せ、畑に立ちたい気持ちが募る夜。

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【立春】…春の気たつを以て也(暦便覧)
      この日の前夜を年越しと考える風習がある。このため正月節、歳首節などともいう。
      旧暦の上(節切り)では、この日が一年の始めとされた。
      「春立つ」「春来る」などとともに、春の代表的な季語になっている。
      日足が伸び、この頃から気温は上昇に向かい、木々もしだいに芽吹き始める。
      春の気配をどことなく感じる時節である。
      この日の早朝、禅寺では入り口に、立春大吉と書いた紙札をはる風がある。
      また、立春は雑節の基準日で、八十八夜・土用・二百十日などを起算するもとになる。
      ※読み:リッシュン
      <参考:【室礼】和のこよみ
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2008年02月09日

はじまり

睦月三日 曇りのち雨

 今年のひとめぐりが、寒さと笑顔の中でスタートした。立春も過ぎた週末の土曜日、見学者や新規のプレーヤーも含めて20名ほどの参加者とともに、15時過ぎの雨の訪れまで開墾作業に汗を流した。(※農園Blogにて詳述)

 昨年までの2年間、暖かさがじんわり広がる3月に行っていた開始していた農園のスタートを、今年から一ヶ月早めたのは理由がいくつかある。草が生い茂る耕作放棄地にゼロから取り組む今年の田畑では、2月のうちにある程度まで畝作りを済ませていないと3月からの種播き作業に遅れが出かねないという点が一つ。
 またそうした開墾的な作業だけではなく今後も毎年行う作業ということで言えば、寒さの厳しいうちに前年までの崩れた畝を整えたり米糠などの補いをこの時期にしておいて、いざきたる種播きシーズンへの準備作業から1年のスタートを迎えるのが、小生にとってなんとなくしっくりくるというのがもう一点。
 そして、暦の中でもそうした始まりを自然と意識させられるのが残りの一点である。庭の梅の木の蕾のふくらみを立春に見つけて、やっぱり春が生まれてるんだなあ、と暦の妙味はいつも小生を感心させてくれるのだ。

 しかし立春は、季節が春に「移った」日ではないと思う。二十四節句の立春の頃は冬の真っ只中であり、例えれば冬の勢いが10の中でようやく0の春の命が誕生する頃だと言える。生まれた春は、夏の盛りの立夏(例年8月7日頃)までの半年の命を全うするのだと考えてみる。季節は3ヶ月ごとに4つの季節に分かれるのではなく、半年の命を、重なる2つの季節の衰勢の中で移り行くようなものなのではないだろうか。立春、立夏、立秋、立冬は、まさしくその季節が産声をあげる頃、すなわち季節の量は0であり、つまり前の季節の勢いが頂点である頃である。これに対応して春分、夏至、秋分、冬至はこれもまた文字通りはじめてその季節にバトンが渡される時期、季節の勢いが入れ替わる頃だとしたら随分と季節感がぴったりくる。
 例えば、春分(3月21日頃)は冬の勢いが5を下回り、立春に生まれていた春が、冬に勝りようやく5を上回る時期だと言えよう。そして立夏の頃に春が10を迎え新緑の勢いが極みを見せ、命を閉じた冬に代わって夏の息吹が聞こえ始める。春と夏のバランスは次第に移りゆき、夏至(6月22日頃)にいたって春が5を下回って、夏に主役の座を明け渡す。そして夏の暑さが極まる立秋の頃、生まれくる秋を待って、春は静かに幕を下ろす。


 とはいえそんな頭の中の妄想はそれはそれの話。実際のところ、例年よりひと月早く、2月のこの時期に農園の農始めを行うことにしたのは、冷たい風の中で春の芽吹きを探しながら土木作業をする、その厳しさと待ち遠しさのワクワク感がなんとも言えず始まりを予感させてくれるから、なのかもしれないのだよね。

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 ワクワク感は満喫したけど集合日の畝作り、草刈りは、楽しさに比例して、やっぱり体に応えたな〜(笑)。とはいえ、一人だったら40時間の作業、20人なら2時間で終わるのだから、人数の力とはいやはや偉大である。麦焼酎の麦茶割りが、疲労に沁みてまことに美味い、今年の農園はじまりの夜。
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2008年02月14日

だって

睦月八日 強風時々晴れ

 連休明けにひと休みの雨が降ってくれたと喜んでいたら、いったいぜんたいなんなんだよ、と愚痴が大声になりそうな程の冬将軍がつくばを吹き荒れた。いやもう、さむうてさむうて、作業にならん。家の戸を開けて、さあ行こうかと思ったとたん、寒さのかたまりが庭に吹き込んでくる。うーん、としばし唸って、家の中での作業を思いつく限り思い出して、この二日間を畑に出ずに過ごした。

 だって、寒いんだもん!!!


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 庭木がびゅうびゅう揺れる中、梅の蕾が日に日に膨らみを増している。えらいよなあ。
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2008年02月16日

週末の楽しみ

睦月十日 晴れ

 引越先のテレビの受信状況が芳しくなく、面倒でもあり、なんとなくでもあり、先月末からテレビの無い生活を送っている。平気だと言いながらこうしてBlogに書いてる時点で意識しているということであるから、平気だ、とは言い切れないのだろうが、とにかくテレビを見ていない。そんなわけで夜はすこぶる時間があるはずなのだがそうでもないのはどうしてだろうか。


 そんなことはどうでもよく、とにかく農仕事なのです。土曜日の今日は、農園参加者のyさんにご協力いただいて、今年からの田んぼの水平を測る作業を経験した。よく道路横や建築現場で見かけたような記憶のある、アレである。

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そうそう、コレですな。

 
 素人の小生一人ではできないが、計測器具を借りて教えていただきながらの二人作業で1時間ほど、なかなか貴重な体験にあずかりながら計測を楽しんだ。このデータを参考にして、来月の集合日作業で地均しをしていきたい。新しいことを始めるのは色々と手間がかかるのだが、その度に新しい出来事に関わって経験が増えていくのが嬉しい。

 昼には計測作業は終わり、あとはひたすら、畝作り。yさん、r君コンビ、hさんなども粛々と畑の準備作業を進めていく。早く種播きしたい気持ちと、まだまだ畝作りが終わらない気持ちが交錯する。鍬を振る手が重くなってきたら、おやつと一緒に腰を下ろし、今年の展開を四方山に話して息抜きを。一人作業の続く平日とは違う、週末の楽しみとは、おそらくこれなんだな。このどこにでもある、時々交わす作業の合間の、これ。
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2008年02月18日

顔を出す頃

睦月十二日 晴れ

 確定申告の手続きがスタートしたと、車のラジオから聞こえてきた。無視無視、と行きたいところを現実が引き戻す。ああ、残り一ヶ月。初めての申告、がんばろうっと♪


 この数日よりも風が穏やかになった今日、昔の畑に戻りひと作業。樹木類の移植の準備をしながら枯れ草の中を歩くと、ようやく今年のアイツに出くわした。どうしてだか春を待ちきれずに、毎年この手足が凍えるこの季節に顔をのぞかせる、初春の申し子、フキノトウ。しばしのあいだ移植を忘れ、ほくりと柔らかく摘み取り、ポケットに忍ばせる。吉瀬の畑の北側に元より自生していたもので、しばらくすると一面がフキに覆われる為、この冬に数株を引越しさせてもらっている。引越し先では根付くのに精一杯で今年は難しいかもしれないが、生命力が猛々しいフキには是非とも居座ってもらいたいものだ。


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 肝心の木の植え替えも、なんとか忘れずに車に乗せることができた。お茶の木、枇杷、紫陽花、葉山椒(山椒の雄株です)、枯死寸前の無花果(イチジク)など、二年の間に人知れず植えてきたものを色々と。今日は畑から根っこを掘り出すところまで。明日、農園の畑と、家の庭にそれぞれを植えてみる。
 
 樹木類の移えつけは、確定申告とフキノトウが顔を出す頃がよし。冬から春にかけて種類によってもまちまちでもあるが、種播きシーズンを迎える前にできる、楽しい作業のひとつである。


 ああ、また確定申告のこと思い出してしまった…。領収書領収書…。
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2008年02月21日

うねー

睦月十五日  晴れ  【雨水】(今年は2/19から)

 毎日、毎日、畝作り。午前中に風が強すぎる日には、昨年収穫して貯蔵しておいたジャガイモを取り出して、来週以降に予定している植え付けの準備に、芽欠きや日光浴(芽の緑化)を陽だまりで行う。準備するのはいいが、畝ができてなければ植えられない。

 畝、うね、ウネ。鍬、くわ、クワ。掘り、ほり、ホリ。この苦行を乗り越えれば、楽しい楽しい種播き、植え付け、栽培作業が待っているのだ。

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 はーーーー、やるしかねーーーー。


 日の伸びはじめた夕方、東の空に上りだした満月が疲れを癒してくれるのが、せめてもの救いかな。


【雨水】…陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也(暦便覧)
     雨水とは「雪散じて水と為る也」(「暦林問答集」)とあるように、
     今まで降った雪や氷が解けて水となり、雪が雨に変わって降るという
     意味である。この頃、雨水ぬるみ、草木の発芽を促し、萌芽のきざし
     が見えてくる。昔より、農耕の準備などは、この雨水を目安として始
     めるとされてきた。
     ※読み:ウスイ
     <参考:【室礼】和のこよみ
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2008年02月22日

勢い

睦月十六日 晴れ

 陽気が、作業を推し進めてくれるような一日。農園の片隅に果物の苗木をいくつか植樹し、十数年(?)放置されて5〜6mに達するまで延びた畑北側の桑の木を剪定し(農園の上空に被さっていたために切ることにしました)、その後はひたすらに畝立てを。今日は頑張って、長さにして50m近くの溝を掘り上げた。

 畑の準備を進めながら、我が家の準備も進めていく。作業をした客が泊まれるようにと、寝具・家具をもろもろに募集してみている。布団・座布団・長テーブル、などなど。どこかに落ちてたら、拾いそうな勢いの今日この頃。イカンイカン。



つくし農園Blogにて、もろもろを鋭意募集中。
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2008年02月29日

萌し動く

睦月二十三日 晴れ

 太陽暦では閏年の2月29日でした。暖かな一日でした。なんとも穏やか、よしよし。

 当Blogで時折紹介する二十四節句とは別に、一年の巡りをさらに三分に細分化して暦を感じるものに「七十二候」がある。特に理由も無いが、延べ始めると一年に72回も取り上げなくてはならなくなるという恐怖が先に立って今まで意識的に避けてきた。やれやれ。
 2月29日ってなんか特別なのかしら、とカレンダーを見上げると、別段何も詳述はなく、代わりに七十二候の「草木萌動」とあった。「そうもくきざしうごく」と読み、陽気に誘われ草木が芽を吹き始める頃とある。いやはや、おっしゃる通り、付け足す言葉がまるでない。かくも暦は変わらず、かくも言葉は美しく。二十四節句とは異なり、古来唐土より伝来した言葉を次第に日本に風土に合わせて改良していったとのことにて、節句よりもきめこまかやかな趣を感じる暦とも言えるかもしれない。なにせ、あなどれません。

 草木に負けず陽気に誘われた小生は、いい加減ウンザリ気味の畝作りをひと休みして、(また)移植作業に逃げ込んだ。いよいよ最終的にお別れも近い吉瀬の畑から、玉葱、ウコン、ミョウガを救出して、おまけに知人からいただいた長葱も加えて、畑にザクザクと植えていく。玉葱は、本来の移植時期ではないが、止むを得ないお引越。長葱は、既に収穫期を迎えた成熟株であるが、大量にいただいたので保存を兼ねて定植。ウコン、ミョウガは、保存して適期に植えつけることにした。来援した友人兼見学者のお手伝いも幸いして、ほのぼの天気とともに作業を進めることができた。
 今日は芽吹きの陽気といえど、厳しい風がいつ戻るやもしれぬ季節。長葱の佇まいを少し心配して、物置小屋の掃除で出てきたタカキビの枯れ枝を風除けにこしらえた。草のまだ見えない畑の中の、ネギとタカキビのコントラストがなんとも微笑ましく。このひと手間、「愛情」なのか「思いつき」なのかはさておき、瑣末な情として伝わりますように。


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