注)記事の日付は太陰暦を用いております

2008年11月06日

冬立つ前の

神無月九日 晴れ

 引越1年目で苦労した畑に、もうすぐ冬が生まれようとしている。立冬を明日に控えた、自然農の畑の点景を六点ほど。



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 <大豆>

 枝豆として栽培しながら、収穫もれした株をそのまま残して大豆への実りを待つ。霜が降りるか降りないかのこの季節、緑の莢が一斉に枯れ茶色へ変化し、柔らかい豆は日に日に固く締まっていく。莢が弾けて豆が落ちてしまわない内に刈り取り、干して大豆として、そして翌年の種として、冬を共に過ごす。冬作業のひとつ、味噌作りには、この大豆が主役へと踊り出る。


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 <タマネギ>

 初秋に球根植えしたタマネギが、枯れ草をかき分けて葉を伸ばしてきた。自然農の野菜の成長は、実にゆるやか。肥料を前提にした慣行農や有機農を想定した説明書には、早ければ晩秋から初春にかけて収穫できるとあったが、概ね自然農の畑では春から夏にかけて育って、ようやく丸まるとした姿がお目にかかれる。これから生命豊かな畑に育っていけば、もう少し早く育つのかもしれないが、今はその速度が、この畑での自然なスピード。
 

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 <ルッコラ>

 スーパーで買い求める野菜と自然農で育った野菜の違いが如実に現われる点に、その野菜の「香り」を挙げられるのだとしたら、香味野菜のルッコラはまさしくその代表格。今年の畑と比較的相性がよく(もしくは単に生命力が強いのかもしれないが)、折々に鮮烈なる香りを楽しませてくれた。友人のパン屋さんやカフェでもしばしば使っていただく度に、その存在感の評価が高く、なんとなく嬉しくなるので季節を問わずこれからも育てていきたい野菜のひとつ。よろしく。


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 <空豆>

 10日ほど前に播種した空豆が、今日の暖かさに反応してようやく土から顔をのぞかせた。冬越し野菜の代表格である空豆。秋に発芽して冬が本番を迎える前までに少しずつ成長しながら根を伸ばし、寒さに一度歩みを止めて雌伏して、春の息吹にあわせてまた活動を始める。雪に埋もれる空豆の苗を眺めて、初夏の空豆を思い浮かべるのことも、いつの間にか冬の作業の風物詩となってきた。


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 <チンゲン菜>

 夏に収穫してそのままにしていたチンゲン菜の畝を歩くと、枯れた雑草の中にひっそりと生き残るチンゲン菜の株を見つけた。栽培して収穫した後は耕運機で土を混ぜ耕す従来の農ではまずお目にかかることはないが、耕さない自然農の畑ではしばしばこうした野菜達の「その後」の姿に出会うことも少なくない。外の葉を落としながら成長していくために、タワーのように株下に茎をそびえ立たせるチンゲン菜の立ち様は、何か神々しくも見えてくる。


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 <マリーゴールド>

 線虫抑制のコンパニオンプランツとして、畑にばら蒔きしていたマリーゴールド。畑の営み自体が不十分であったために本命野菜の成育が思わしくなく、抑制効果の判断は翌年移行に持ち越しとなった。種も強く迷惑雑草として根付くことも多いとの話も聞くが、雑草と共存する自然農でどこまで上手に利用できるか。一斉開花の花畑が広がって、また来年の種に繋がっていく。畑を歩いて体が触れるたびに満ちるその芳香は独特かつ強烈であり、彼らの力強さを物語っているかのよう。



 それではおやすみなさい。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする