師走十日 【小寒】 晴れ
食っちゃ寝、食っちゃ寝、正月に帰省するのはそのためであるかのような寝正月を最大限に過ごし、リズムが整わないままつくばに戻ってきた。
初仕事、と別段意味もこめずに散歩をしながら田んぼと畑を見てまわる。昨年いっぱい向き合ってきた、土、草、空気。春、夏、秋、そして只今の冬。想い返し、振り返り、季節の巡りが目の奥に流れる。そこには、土地を移してそれぞれの畑と田んぼがあり、それはすなわち、そこそれぞれの命の営みがあり、同時に自分が費やした時間と思いと手足がある。その結果としての今のそのままがある。
今年の言葉を、「初心」にすることにした。
つくばに移ってから、
一年目を「播種」、
二年目を「発芽」、
三年目を「着根」として正月に毎年のテーマを掲げてみていた。その年それぞれに、前年を振り返りながらその年に持ちたい言葉を考えていた。2008年の正月、「着根」と決めた後に漠然と将来を期待しながら思い描いていた2009年の言葉は、「開花」だったように覚えている。かくして「開花」は今の自分の言葉としてはほとんど当てはまらず、導き出されるがごとく、「初心」でしかなかった。
小生にとって自然農とは。世の中にとって自然農とは。自然にとって自然農とは。自然農はつまりは、まずは農であること。そのとどのつまりが自分にとって揺らがないこと。自分が向き合っている様が、つまりは畑と田んぼに表れるということ。自然農に足を踏み入れて七年目の今年、その根本をシンプルに見つめなおしたい。
リラックスして、心のままに、真剣に、自ずから然らしむるように。空は見てくれているのだ。
【小寒】…
冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也(暦便覧)
★雑草屋的季節分布★ 秋:冬=3:7
この日をもって「寒の入り」とし、寒中見舞いが出されたりする。
この日から節分までが「寒の内」で、約30日間、厳しい寒さが続く。
芹の苗が出盛り、雉が鳴き始め、泉の水が心もち温かみを含んでくる。
小寒から四日目を、特に、「寒四郎」、九日目を「寒九」と呼んでいた。
寒四郎は、麦作の厄日とされており、この日の天候によって、
その後の天気や収穫に重大な影響があると信じられていた。
また、寒九は「寒九の雨」といって、この日に降る雨は、
農家にとって豊作の兆しであると信じられ喜ばれた。
※読み:ショウカン
<参考:
【室礼】和のこよみ>