夕方からの雪の予報を仕入れて、朝から畑に出た。雪の気配はまだ遠いものの、空気がシンと冷えている。日々是野良仕事ではあるのだが、締め切りがある仕事ははかどるもので、雪の降らぬ内にと手足に力が入る。畑を拡げたために今年の春も畝作り作業に追われているのだが季節は待ってくれない。暦を見ればもう啓蟄も間近にせまり、まだ初種播きも済ませておらぬ自分の作付け手帳に焦りを覚えはじめてきた。畝作りと種播きとで振り子が揺れながら、1時間おきにどちらも進めることにした。
今年の種始めは、2月播きの雄、レタスからスタート。表土の草を除き、土を出し、種を降ろし、土をかけ、鍬の背で押さえ、草を被せる。四ヶ月ほどぶりの、懐かしき手順。なまくらの体の筋肉が、少しずつ作業を思い出してくる。この、うずきの快感はもうしばらく続きそうな気がする。


播種前に草をどけて種を播き 土をかけて抑えてその後に草を
途中、種の補充にホームセンターへ出ると、葱の苗を目にしてしまい予定にはなかった葱も植えることにして急遽買うことにした。作付け手帳を書き替えなければならないこの予定変更がまた、何故か楽しくてたまらないのだ。
この2月は概して暖かかった記憶がある。暖かい2月に種播きの気持ちは誘惑されていたのだが、感覚的に一度寒波が戻る気がしていた。発芽してからの降雪と冷気はできれば避けたかったのもあり、結果としてこの週の寒の予報を聞くことになった。悪くないんじゃないのかね、この今年の漠然の勘の虫は。この寒さは来週までは続くまいから、そろそろジャガイモの準備をはじめるとしよう。厳密なものは何もなく、正解もなく、大失敗もない、そんな栽培が自分には向いているのだと思う。自然農はそのスピードにあっているのだと思う。
夕方、結局は雪は日暮れまで待ってくれていて、嬉しい誤算で張り切った作業はなかなかの進度を見せた。夜は雪、明日は作業は休みかな。確定申告できますね。農園Blogもまとめられますね。こういうタイミング、今年はうまくこなしていけるだろうか。さて。

〜松、梅、夜の雪〜