注)記事の日付は太陰暦を用いております

2009年09月23日

出さない

葉月五日 【秋分】 晴れ時々曇り

 自然農の毎日には、とり立てて連休の恩恵は余りないのだが、穏やかで、朝夕の冷えがぐんと増してきた秋分が静かに経過していった。気づけば、カブや大根の種を播き、ラッキョウやタマネギの球根を植え、繁茂したセイタカを抜き倒し、自ビールを仕込み、パンを焼き、散歩し、自転車に乗り、ヤギを連れまわす。もちろん、少々の酒にも溺れる。そして話す。

 誇れる友人達が様々に人生を飛翔していよいよ面白くという昨今、小生はしこしこと自然農に傾倒だか埋没だか謳歌だかを勤しんでいる。さてこれまで何をしてきたか、さてこれから何をしていくか、今の畑に立って足元を見渡すがごとき、まるで濃霧の道中にある。しかし灯台の光はいよいよ明るく、自然農とのランデブー飛行、はたまた心中飛行は確固として揺るぐものがない。幸か不幸か。

 濃霧に霞む灯台を頼りに続けるランデブー。ここにきてパイロットの気持ちが少々変わり始めている。元来、「自然農」の持つ世界観、哲学に惚れて実践に突入し、小生は事あるごとに「何か」を「どこかへ」広めようと無意識に行動していた。それがBlogであり農園でありワークショップであり、様々の活動として今につながっている。自然農からインプットがあればあっただけ、アウトプットをより効果的にしたいと思っていた。そしていつしか自分は、出すべきアウトプットが枯れてもなお、うんとこすんとこ出そうと、いや出せると、アクセルを吹かしていたのかもしれない。さて今、搾っても出ない小生がすべきこと、それは。

 出さない。 

 インプットは日々重なり、畑に、田んぼに、足を向けるたび、離れるたび、積もり積もる。その蓄積を、溶かさずに、もしくは溶かしながら、ただそのままに、積み重ねてみる。今まで、無秩序に、無反省に、なんとなしに、出しすぎていた。満ちるまで、種がはじけて落ちるまで、出さない。何をもって出さないのか、それは、我のみぞ知るのだが、その「何をもって」というのが、一番厄介ではあるんだけども。


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小豆は一足先に膨らみ始めてきたね。


【秋分】…陰陽の中分となれば也(暦便覧)
     ★雑草屋的季節分布★ 夏:秋=4.9:5.1

     秋の彼岸の中日で、国民の祝日の一つ「秋分の日」。
     この日は春分と同じく、昼と夜の長さがほぼ等しい。
     しかし、秋分の日と春分の日の気温を比較してみると、
     平均気温で秋分の方が10度以上も高くなっている。
     夏の暑さの名残があるからである。
     雷が鳴らなくなり、虫は地中に隠れ、水が涸れ始める。
     また、台風のシーズンでもある
     ※読み:シュウブン
     <参考:【室礼】和のこよみ & こよみのページ
posted by 学 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 学びを知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする