神無月十日 晴れ

自然農の本質ってなんだっけ。作物はどうして育つんだっけ。虫って草ってなんだっけ。それなりにわかったつもりで実は会得できていない。「耕さない」「虫や草を敵にしない」「農薬・肥料を使わない」は、ただの目安であって、本質でもなければ、ルールでもない。ただの、目安。わかっていたつもりでいたことが、このところ出会ったちょっとした「きっかけ」に、見事に揺さぶられている。
揺さぶりのような、振り戻しのような、もしくは追い風のような、向かい風のような、漠然とした、しかし確かな霧に包まれている今日この頃。見たい、知りたい、先に行きたい、という気持ちは常に持っているつもりだが、手にする地図に何かしら漠然とした曖昧さを感じて、四方八方に目線を奪われている。これは、変節なのか、変化なのか、転進なのか、迷走なのか。
いや、重要なのは、自然農とは、自然とは、栽培とは何であるかということを自分が見失わないこと。会得していないと確信する自分がここにいて、この先にその手がかりがあるという予感できるのなら、何を留まることがあろうか。例えそれが今まで信じていた「ルール」から離れた、別視点の解釈や手法だったとしても、本質に近づけるのなら、じわりと受け入れて問答、試行錯誤をすればよい。
尊皇攘夷に燃えていた坂本竜馬が、勝海舟の話を聞いて、ぐわんと考えが一変したように。ともすれば安きに流れて凝り固まろうとする頭を、いかに柔らかく保ち続けられるか。それは死ぬまで持ち続けたいスタイルである。いえ自然農はもちろん続けますよ。今はまだ何も言えませんが、自然農においての、面白い解釈に出会いつつあるもんで。そんなこんななのです。
干している米へのスズメの襲来があまりにもひどくなって来たので、稲架全体に鳥避けネットを掛けることにした。化学製品の農業資材に、まだまだ助けられていて甘えて自然農をしているのだな。つくばエクスプレスの開発で雑木林を追い出されたスズメや鳥たちではありませんようにと願う。もしそうだったら、電車に乗るたびに新興住民に呪いをかけそうで困ります。南無南無。
四日前から暦は小雪へ。いつの間にか、てくてくと節句は過ぎてゆきますね。我も我も。
【小雪】…
冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也(暦便覧)
★雑草屋的季節分布★ 秋:冬=7:3
小雪とは、寒さもまだ厳しくなく、雪まだ大ならずの意味である。
市街には、まだ本格的な降雪はないものの、遠い山嶺の頂きには
白銀の雪が眺められ、冬の到来を目前に感じさせる。
北風が木の葉を吹き飛ばし、みかんが黄ばみ始める。
※読み:ショウセツ
<参考:
【室礼】和のこよみ &
こよみのページ>