注)記事の日付は太陰暦を用いております

2010年02月04日

立つ

師走廿一日 【立春】 雪のち晴れ

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 数日前の大雪の予報が、期待ほどに盛り上がらず、もう降りやしまいとすっかり腑抜けていた今日の朝、しきりに冷える窓を開けると柔い粉雪が庭に積もっていた。別段に鬼の面もかぶらず、黙って西南西も向きもしない節分の夜を過ごして、いよいよの立春。

 なにはともあれと言うべきか、待ちに待ったと言うべきか、重い腰に鞭打ってと言うべきか。何につけても理由を欲したがる小生の怠け心を無理やりにでも奮い立たせるべく、「春立つ」の音の響きにあやかって、今年の農作業が、とりわけ特別なこともなく、梅の蕾の静けさのごとく、自分の心の中で幕開けした。作業の中身に、前日との差はなくとも、心が、ようやく前を向き始めた。

 どうでもいいようなこのスイッチを、誰からでもなく、自分で入れられたことが大きいのだと。積もり積もる下の、2月3月の冬の野良仕事が、このスイッチオンによってベルトコンベアのごとく回転をはじめる。あれをやり、これをやり、これもして、あれもして、眩暈と恍惚の自然農トランスへ。そんな桃源郷があればいいのだがね。現実は、行きつ戻りつの振り子の中なのであろうが、今年はもう少し没入したい意気地を持っていきたい。感性360度に張り倒して、頭は緩急つけて、肉体は喜びに変わるぐらい酷使して。今日くらいは鼻息荒く。いざ。
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2010年02月17日

湯気

睦月四日 曇り

 四日前に旧暦の正月が明けた。大晦日につくし農園の今年度最初の集合日を過ごし、宵からの大雪に暮れて、迎えた旧正月。雪明けの正月、雨、晴れのち粉雪、そして曇り。足元には、ひくひくと産毛のような薄緑色の雑草が行きつ戻りつ生えだした。この頃に田畑に立つと、「新春」の本当の時期をありありと実感させられる。

 子供の頃から雪の少ない南東北の太平洋岸で育ったせいか雪への恋慕は強いのだが、今年の2月(新暦)はここ数年に比べて、ちらほらと降雪する日が多いような気がする。1月よりも、ぐっと寒さの深みを増す2月は、湿気の冬でもある。乾ききった寒さに土が凍るような前月に比べて、雨とみぞれと雪が時折思い出したかのように地面を濡らし、その湿気から立ち上る湯気の中で、春の息吹がそろそろと起き上がろうと準備を始める。

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 自然農の田畑は、あくまでも、優しい。今の我が農地が思うようには豊かさが増さぬとはいえ、その優しさは、暖かい。放っておいても荒れ狂うばかりに草に覆われる夏ではなく、枯れきって霜と霜柱に攻め立てられる1月の寒さでもなく、この湯気の中で草と虫と微生物とがモゾモゾし始める直前の、この時期のしっとり凍えた自然農の畑に、その優しさが際立つ。機械で耕して、肥料を鋤きこんで、薬を散布して、今から人間様の思うとおりに育てるぞ、という意気込みから少し距離を置いた、この優しさに、自分はやはり魅かれているのだと思う。

 そうした距離の狭間で、枯葉を入れたり、土着のキノコ菌を被せたり、米糠を補ったり、と有限の改善策を試行錯誤して、自然農オンリーの畑と改善策の畑、両方の準備を這いつくばって進めている。あと二日も過ぎれば二十四節句は雨水へ。雨水を迎えれば、春の作付がいよいよそろそろ。 バンクーバー?チャンピオンズリーグ?どうすんの俺??
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