備忘録として。
呆然とする今年の夏の暑さを思い出す暇も無く、庭に畑に落ち葉が落ち始めたと思うと、木枯しが吹き、稲は枯れ色に染まり、気付けば暦どおりに霜が降りはじめた。葉物野菜の秋播きの頃はとうに過ぎ、稲刈りも、豆の播種も、芋掘りも、目の前に覆い被さらんとする10月の下旬であったが、ここぞとばかりに長年の懸念事項であった腰を痛めることとなった。
腰についてともかく言うのも野暮であるので割愛するが、とにかく、大きく体を動かせぬ日々が続いた。その間にも、枝豆は熟し、稲は台風で傾き、種播きスケジュールは後ずさりし、いよいよ、霜まで降り始めた。秋が深まれば、生姜も、里芋も、サツマイモも、地上部が霜に融け、収穫が面倒になる。目の前には、収穫と種播きと草刈りと冬支度と、しばらくは腰も落ち着けない日が続くというのに。これいかに。
週末のつくし農園の集合日と日曜日のつくいちまで、できる範囲で仕事をして、後はしばらく体を休めるのに専念しよう。焦りは禁物。体も、田畑も、時間が必要な時があるのだ。こちらの(目の前の)都合だけで考えるのではなく、全体を俯瞰して。どこに自分が、どこに田畑が「いる」のかをできるだけ見ようと努めて。
老いるには、まだ、もうちょい、しばらくは、先なのだからね。

〜晩秋の 霜にせかされ 掘る生姜 〜

〜ゴザ寝して 動けぬ身から 仰ぐ秋 〜

〜曲げられぬ 腰を笑うは 混み菜かな 〜