注)記事の日付は太陰暦を用いております

2012年04月08日

趣味雑感

弥生十八日 晴れ

第十三候:清明初候
【玄鳥至(つばめきたる)】
=燕が南からやって来る=
 (新暦4月4日頃〜4月8日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 趣味が多いほうではないと思うのだが、趣味に至る手前のようなものはそれなりに手を伸ばして楽しむほうかもしれない。趣味と呼ぶのはやぶさかではあるものの、自然農は今のところ、ここ数年ナンバーワンの地位を譲らずまだまだ座を受け渡す気配はなく、とはいえ従来も今も様々に興味をそそられるものはあるよね。趣味的になっていようといまいと挙げてみれば、最近のものでは身体操法、トラッキング、瞑想、スラックライン、聴く話す時間、昔からならサッカー、アカペラ、スキーなどなど。取りとめもないようでいてこれらの羅列には、自分の中でくっきりと繋がるものがある。それは、スポーツ系か否かに関わらず、肉体化していく過程に言語表現を超える感覚的な感性が働くことである。言葉で論理化しながら追求していく行程もそれなりに楽しいものだが、それをはるかに上回る楽しみが、経験や感性を肉体や感覚の反応に応用させながら具現化していく過程に存在する。体感や感性を働かせて気付く発見があり、それを実際に身体や感覚の操作に落としこんでいく実践があり、それを習熟させてまた次の発見につながっていく。この持続的ループを内在する過程が、またさらに飽きることがない楽しさのポイントのようにも思える。単なる結果の成否の楽しみではなく、あくまでも肉体化の実践を通しての経過を楽しむ。そういった意味において、サッカーでのゴールシーンも、アカペラでのハーモニーも、スキーでの滑降も、小生の中では同類のエクスタシーなのですわ。

 ジャガイモの植え付けもまだまだ終わらせていないのに、絶好の作業日和の午後を潰し、今日は月に一度の稽古会にお邪魔した。ここ二年程、古武術の体の動かし方を中心とした身体操法を学ぶ「つくば身体操法研究会」に参加させてもらい、様々な達人の先輩にご指導いただいているがこれがすこぶる面白い。詳述するには若輩者すぎる為いずれまた機会のあるときに譲るとして、いやあ面白い。自分の体の無駄な使い方、不自然に力が必要な動き、疲れの残りやすい姿勢、これまで三十数年間付き合ってきた自分の体の「できなさ」加減が、少しずつ「できそうな」感覚に近づく歩みは、スピードは遅くとも素直にとても楽しいのだ。
 さてこの研究会(参加されている皆は稽古会と呼んでいるのだが)の前座の遊び(もしくはトレーニング)として取り入れられているスポーツに、スラックラインがある。一言で言うならばモダンな綱渡りスポーツといったところだろうか、これがまた身体操法に劣らず、感覚を肉体化していく過程が格段に面白くて困る。数メートルに張った(場合によっては10メートル以上にも)特殊素材で編まれた帯状のラインの上に乗り、歩いたりジャンプしたりしながらバランスをとるという実にシンプルなスポーツ。それでいながら、実に奥深く、何よりも夢中に乗り続けてしまう中毒性がある。この感覚にはまってからは、稽古会を主催されている居候氏が所有するスラックラインを強制収用しては裏庭に張っては乗り、畑の雑木林に張っては作業合間に乗り、ユルユルの腹が少しでも締まらんという邪念も乗せて一人で体幹トレーニングに勤しんでいる。少しずつ試行錯誤していく度に、スキーや身体操法、ひいては農作業時の体の動かし方にまでヒントとなり、それがまた巡ってスラックラインの動作へのフィードバックになり、その連動性、継続性がまたたまらない。まだまだ、初心者レベルではあるのだがね。

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いやはや、こんな感じなんですけども。


 これらの趣味に共通する楽しみは、肉体化していく過程の感覚の面白さと充実感と難しさにある、と個人的には考えている。そしてこれ以上言葉を並べてるとその体験が泡のように消えてしまう感じの不安定さがまた、奥深いところなのだと思う。自然農も然り、言葉で全て表そうとすることが無理、もとい勿体無い。体感して、肉体化して、そしてそれをもとにさらに目の前の実践に反映させていく。その終わりなき実践。

 それで言えば、世の中の諸事に対して不満や不平をすぐに発火させたくなるような自分はいるものの、TPPだろうがセシウム基準値見直しだろうが遺伝子組み換え作物だろうが原発再稼動だろうが、すべては自分ごととして肉体化とは言わないまでも生活化させた上で自身の考察をすべきだと、省みずにはいられなくなる。言葉と情報と思い込みによる考察ではなく、確かに自分とつながる点からリアルに肉付けさせた不平不満、そして提案であるべきだと。一見関係ないようなことなのだが、小生の中では、とても大事なことに思えてくるのだ。今はこれ以上は言葉は出てこない、趣味雑感なのでした。


※スラックラインについて
 スラックラインの歩き方・・・スラックラインについて大変よくまとめられています。非常に充実したサイトです。

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2012年04月09日

白い春

弥生十九日 晴れ

第十四候:清明次候
【鴻雁北(こうがんきたす)】
=雁が北へ渡って行く=
 (新暦4月9日頃〜4月13日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 一の矢神社の桜の満開が目の前に迫り来るようなつくば。午後の境内には入学式姿の家族が参拝に訪れていた。どっしりとした陽気、収まりつつある花粉、眼前に山積みされた植え終わらないジャガイモ。いつもの、4月度真っ盛りですな。

 我が家の景色には、もうしばらく先の山桜の開花を前に、白に着色された春が広がっている。 

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コブシの白

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ユキヤナギの白

 白い春もなかなかいいもんでしょ。

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2012年04月14日

れ・みぜらぶる

弥生廿四日 雨

第十五候:清明末候
【虹始見(にじはじめてあらわる)】
=雨の後に虹が出始める=
 (新暦4月14日頃〜4月18日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 次回の集合日は次の満月の後の晴れた日に行います。曇りの日も開催いたします。

 そんな連絡、一度してみたいものです。

・ ・ ・


 つくばは雨。昨日までぽっかり陽気が続いていたというのに、つくし農園の集合日だというのに。やれやれ。

 本来は雨なら休めば良いだけで、その分何かしら作業なり、読書なり、時を満たすに過ぎないのにどうしても心が乱される。天候と、現代生活はどうしても折り合いが悪い。天候にほとんど左右されない産業社会の前提で日常生活が運行されている結果、休日は半ば強制的に定期的に訪れる。四半世紀ほど前までは7日に1日程度、今ではおおよそ7日に2日程度、待ち遠しい週末が毎週ごとに訪れる。休日は定期的に訪れるものでありかつ人為的にコントロールされている。その一方、天候は不定期に訪れるものでありかつ決して人為的にコントロールされるものではない。先達の知恵と社会の発展が作り上げたカレンダーは人類共通の素晴らしい財産となったが、他方で、空を観て頃合いを計るという自由を失った。晴耕雨読は既に遠い過去になり、今では月火水木金耕土日読である。

 自然の営みに沿った農のあり方を楽しむ自然農でさえ、いや正確に言えば自然農に半分足を踏み入れている小生的生活程度では、この不自由さから飛翔することはままならない。土曜日に予定する集合日にせよ、もしくは木曜日に予定する平日集合日にせよ、カレンダーとしてずらすことが難しいスケジュールがある。プレーヤーの方々と小生は、現実的にそのカレンダーのもとでスケジューリングする他なく、今日のような雨天に心が乱されてしまう。中止にすればしたで小降りになったとたんに「あー少雨決行にすれば明日は参加できない人も参加できたはずなのに」と気に病み、決行したらそれはそれで雨足の強さに「判断ミスしたー」と己れを恨む。その日の天気はまさに偶然でしかなく、降るも晴れるも巡り合わせでしかないのに。雨も陽射しも、時に求められ望まれる必須の出来事であるのに。そんな当たり前のことすらも一時忘れてしまうほどの力強さで、決してままならない天候を恨めしく思わせられてしまう。早朝起きて、ネットで天気予報を睨み倒して、開催可否のスイッチを悩み倒す。れ・みぜらぶる。
 これって性格の一部欠陥も原因になっているような気もしてきたが。要は気に病みすぎか?

 曜日にとらわれない自然農体験を他者と共有する術は、今のところ妙案がねえんだよなあ。欲張りすぎてるのかもしれないけど。さりとて、世の中の屋外イベント行事の類が軒並み、「今年の○○祭は【穀雨】を迎えての始めの晴れの日に行います」とか「春の運動会は卯月に入って始めの雨が明けた二日後の開催です」とか、なんだかとっても素晴らしくない?? 

 解決策のない不満ほど犬も食わないものはないのが、こうした心の迷走を愚痴ってみたい、集合日中止の朝なのでした。あ、また雨が小降りになってきた(笑)。

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 つくしの芽吹く、つくし農園の畑。
 ※ちなみにつくし農園と土筆は関係はありません。(つくば自然農農園の略です♪)
  
posted by 学 at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然農のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月25日

蛙、葦、花大根

閏弥生五日 晴れ
第十六候:穀雨初候
【葭始生(あしはじめてしょうず)】
=葦が芽を吹き始める=
 (新暦新暦4月19日頃〜4月24日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 昼に陽気が漂ってきた。雨も折々に降り、まだまだの晩の冷えも残しながらも、陽射しの強さは季節を一足先に進めようとしているようだ。GWの田植えをひかえて周囲の慣行農の水田では代掻きがスタートし、気がつけば蛙の鳴き声が聞こえてくるようになった。一方、まだまだ種播き時を迎えたばかり我が田んぼ。代掻きを行なわないため耕運機によって死滅させられずに済む自然農の田んぼでは、蛙の卵もお玉杓子も、米と一緒にゆっくり育つのだろうか、蛙の大合唱はもう少し先になるよう気配。けど、どうだろうね。

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 七十二候の十六候、「葭始生(あしはじめてしょうず)」は昨日までの五日間であったが、つくし農園の水田にも見事に葦が芽を吹き始めてきた。もともとの湿地帯を利用しているこの田圃は、それはそれは覆われんばかりの葦に取り囲まれている。もはや周囲の地権者さん達からは見放されているこの湿地で稲作を続けているのはとても面白く、また一方で葦の生命力を感じ、さらに浄化力に優れると言われる葦を身近に生やすままにしておくことで、より良い水田が保たれていかれることを願っている。先日の集合日、つくし農園の皆さんと、田圃を挟んだ畦道の向こう側に葦の根を定植させてみた。生やすに任せれば仕様もない雑草地も、使い様考え様によって、バイオマスにもガーデニングにも、文字通り生物資源になりうる。自然農の思想には、当然そうした発想も近しくあるわけで。

 庭では、花大根の薄紫が待ちかねたように咲き誇っている。毎年の、穀雨を迎えて湿気が暖まり始める頃の恒例の景色。この色が広がりだすといよいよ、野良仕事のお時間を昼から朝夕へとシフトチェンジする準備なんですわ。いよいよ。早起き。少しずつね。

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posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 田の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月29日

みどり

閏弥生九日 晴れ
第十七候:穀雨次候
【霜止出苗(しもやんでなえいず)】
=霜が終わり稲の苗が育つ=
 (新暦4月25日頃〜4月29日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 ぐん、と春が盛っている。このところ、日中の気温が上がり汗ばむほどの好天に恵まれ、巷では幾分お手軽に、「夏がきた」かのような言葉を耳にすることも多い。しかし夏というには少々お気が早い気がしないでもない。まだまだ立夏にようやく手が届きそうな程度であり、暑けれりゃ夏、寒けりゃ冬、春なら桜で秋なら紅葉、というようでは、季節感の振り子がいくぶん単純なように感じてしまう。気温が幾ら夏日に近づこうとも、暦は焦らず進んでおり、なにより季節と共に息づく草木たちはようやく春爛漫の口火を切ったところである。少しずつの移り変わりの様を、足元の草たちにどうぞ探してみてください。露地栽培のイチゴはようやく白い花を咲かせ、冬を越したエンドウはいよいよ蔓を伸ばし、苗代からは種籾発芽の第一報が届き始めている。

 旗日の今日はかつての昭和天皇の誕生日であり、みどりの日となり、今では昭和の日となりました。「雑草という名前の草は無い」と植物を愛でられた昭和天皇を偲ばれての、みどりの日のネーミングもなかなか素晴らしいとは思いますが、昭和の日は思惑も含めてそれはそれで良くもあり、少々大雑把過ぎるような気もしないでもないです。そんな4月29日の、みどりの田畑の点景を。

 まずは七十二候の「霜止出苗」のままに、稲の発芽から。

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 続いて各種発芽のオンパレードをジャガイモ、枝豆、インゲン豆の順にて。

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 最後に冬を越していよいよ盛んな空豆、エンドウ豆、イチゴの白い花にてお別れいたします。

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posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする