注)記事の日付は太陰暦を用いております

2012年05月24日

交差点

卯月四日 晴れ

第二十二候:小満初候
【蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)】
=蚕が桑を盛んに食べ始める=
 (新暦5月21日頃〜5月25日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 土曜日、日曜日、そして月曜も、火曜も、普段ひとりで畑にたたずむ小生としては久しぶりに乱雑にかつ濃密に人と交わった数日となった。新しく飛び込んでみたフットサルサークル。大学の卒業学部(国際総合学類)の同窓会イベント。友人とのワークショップの打ち合わせ。新しい友人とその友人が来園されての自然農トーク。久しぶりの大工手伝い。そして都内方面に出てのミーティング。

 フットサルサークルでは、全くの新規の見学者としてお邪魔して2時間たっぷり練習とゲームで汗を流し、輪に入れていただき、笑顔でまた次回!とウェルカムされて楽しんできた。
 同窓会イベントでは、もちろん現役生の瑞々しい生命感にも感化されたし、同期の友人との十数年を振り返りながらの近況報告も楽しみ、自分と同様に偶然と縁でつくばの地にまた住み仕事をすることになった後輩とも再会し、在学時の専攻から遠からず近からずの「環境問題」をテーマとした繋がりに喜びも感じた。
 ワークショップの打ち合わせでつくばに来てくれた友人とは、「自然農」を絆にここ数年親交を暖めてきている間柄であるが、いつもの畑と違ってのつくばの中央公園横のオープンカフェで緑を眺めながらのミーティングはとても楽しかった。
 農園に遊びにきてくださった新しい友人たちは、もちろん「自然農」が縁で来園されたわけだが、そこから飛躍しての様々な社会観やコミュニケーション論や雑談に花が咲き、夕方の肌寒さも忘れるほど時間が過ぎていった。
 月曜日は大工バイトに久しぶりに出かけた。朝方の金環日食はおさわり程度に済ませ、移動の車内や現場の中で、また様々に近況や今後の話に花を咲かせた。木工仕事なのに、普段は別の仕事をしたり今後に居酒屋を始めようとする方もいたりするところがまた、このバイトの面白さでもある。
 都内への行脚は雨の中のバイク移動となった。一日で3名とお会いして、今後の取り組みへのご協力やプライベートに色々と相談できた。いずれもあまりに深く話し込んで、この数日ではなかなか消化しきれない内容にまで及んだものもあるが、これまでの繋がりがまた新しく別の視界を持って広がる可能性があることに、面白さと高揚感を覚えずにいられなかった。

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〜 草を食む 山羊を眺めつ 我を知る 己も青き 縁を食むかも 〜

 

 ここ最近、自然農からの気づきから沁み広がるように、他人に対しての接し方が自分の中で変化しつつある。それはもしかしたら独りよがりで自分勝手な気づきかも知れず、様々に人を傷つけながらの変化なのかもしれないが、過去は変えられず今を生き将来に変えうるしかない人生ならば、自分はその変化をありのままに受け入れて肯定していこうと決断している。それは開き直りなのではなく、自己責任としての決断なのだと、考えている。

 過去に同じような乱雑な出会いがあった時、振り返ってみると自分は今よりも濃度を薄めて対処してきたのではないかと思う。目の前の出会いに対して先入観をもって様々に決め付けて、カテゴライズしたり、その一方で自分の表現を枠内で抑えて当たり障りなく、もしくは過度に装飾して対面してきたことも少なくなかったはずだ。もちろんそんなことばかりではなく、大事な大切な出会いに対しては今と同様のもしくはもっと濃度の高いコミュニケーションを重ねてきてきたことは言うまでもないが、しかしそれ以外の乱発する出会いについては、自分はゆっくりと他人と接しようとする選択を取り入れることを十分にはできずにいたように感じている。
 だからといって今、何がどう変わった、という特別な何かがあるわけではないのだけれどね。普段お付き合いのある皆さんにとっては、別段いつもの小松学と何にも変わってねえだろ、というのが実際でのところであると思うけど。

 これまでも、これからも、日々目の前に人々との交差点は訪れるし、その折々にまた変化と醸成が積み重なっていくものなのだろう。そして、その交差点でお会いする人たちとのその瞬間の出会いはそこでしかなく、過去でも未来でもないのだとしたら、自分にとってけっしておざなりにしたり希薄にすることが無いようにしたいし、それが可能なライススタイルを持ち続けて生きたいと思う。時にはメンドクサイ輩を目の前にして、怠惰な自分に揺り戻されることがあっても。時には自分の接した結果で他人を不幸に導くことになってしまったとしても。最終的には我々は、その人生の幸も不幸もその本人自身が決めることしかできないのだから。であるなら、経緯や結果にとらわれすぎることなく、今の今、その交差点でどんな時間を生きるかを自分の責任として受け止めていきたい。それを喜びの一つとして。ただひたすらに、今を生きる。

 新しい出会いに執着することなく、これまでの出会いにも固執することなく、変化を恐れず、同時に変わらないことも受け入れ、今の、ただいまの、最良の道を丁寧に探していきたい。

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醸造されて、瓶詰めされた、どぶろっくん

posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 友と共に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする