注)記事の日付は太陰暦を用いております

2012年07月06日

綾なす

皐月十七日 曇りのち雨

第三十候:夏至末候
【半夏生(はんげしょうず)】
=烏柄杓(からすびしゃく)が生える=
 (新暦7月1日頃〜7月6日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 七夕は本来は旧暦文月の夜、梅雨が明けて夏の入道雲がたなびく夕べが暮れ、漆黒に掛かる天の川を愛でて眺める夜の風物詩。梅雨の明けきれないこの時期では、曇天に邪魔されて彦星と織姫は出会えないのはいたしかたないもの。季節と暦がつむいでいた見事な帳尻を、無茶苦茶に新暦に組み込んでしまったがゆえの現代人の矛盾が最も顕著に現れる、新暦の七夕を明日に控えて。本来ベガとアルタイルがミルキーウェイを挟んでデートできるのは、それに相応しいタイミングであるからこそ。相応しい時期に、その時出会うべく綾が重なるのは、なにも天空の物語だけではない。
 
 いったいどんな方たちと時間を過ごすことができるのか楽しみでしかたのない、7月から始める「話す・聴く・気づきのワークショップ」。誰も来ないのかもしれないし、少しは興味を引くのかもしれないし、定員を超えてしまうのかもしれないし、果たしていったいどうなることやら。もちろん、楽観しながら、ドキドキもしている。 

 つくばに腰を据えて以来の友人であるsayaさんに、今回ワークショップに平行してのプログラムとして、「もりのがっこう」をお願いすることになった。子供がいる方にも是非、ワークショップの扉が軽くなって欲しいという気持ちがあり、しかし日曜の4時間を小さな子供をほったらかしてワークショップなどに参加するのも難しいのかな、ということで色々考えていた。そんな折に、マクドナルドでコーヒーの飲みながらの談笑にて、快くそんなイシューを共有してくれたのがsayaさんである。「もりのがっこう」は曰く「おとな、こどもを問わず 学びの場」であるそうだけど、今回は、ワークショップに併設してそれに参加してくださる親御さんのこどもたち向けの時間。ワークショップの各テーマにほんのりとあわせた「なにかしらの時間」を子供たちも過ごすような、そんな試み。

 自分ひとりではできなかったことも、いつからかは分からないけれどもいつのまにか織り成していた綾に包まれ、その中で小さなことから実現していくことがある。小生はまだ子供向けのプログラムの風呂敷を広げるには至っていないが、いつかはそれに携わる日が来るのだろう。
 人は誰しも、その時、その周りにいる方たちと共に、何かの仕事をする。そんなごくごく当たり前過ぎてついつい忘れてしまうこと、会社や組織にいると周囲に人が関わることが当然過ぎてしまうことも、一人で動いていることで鮮やかに目の前に輝くこともあるのだと、今更ながら気がついた。いや、本来ならそれはどこに所属していようとも、誰もが気がついていることなのだろう。

 ふと、文脈とはおよそ関係はないのだが、15年前の南米放浪中に持ち歩いていた「武士道(新渡戸稲造著)」の最後の一節がなぜか思い出された。書籍を締めくくる結びの言葉として著者が、あるクエーカー教徒の詩人の言葉を引用している。武士道を表した新渡戸が憂えた、明治以降の日本人の気質の変遷に対して、その詩を通して込めた彼の想いと小生の雑感はあまりにも異にするものであるが、このところの人との繋がりの中で心に顕れるのは、まさにこの詩に出てくる旅人のような想いなのかもしれないと、十数年ぶりに暗誦してしまうほどに実感するのだ。この詩の情感がどこかしら身に沁み、情景を思い浮かべて自分がその景色に重なる様を思い描き、そしてまた、ふとした時にそのような気持ちを持てるように生きていきたいと願っているのだと、改めて思い出したのだった。


 いずこよりか知らねど近き香気に、
感謝の心を旅人は抱き、
歩みを停め、帽を脱りて、
空よりの祝福を受ける。


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2012年07月13日

だらしありたい

皐月二十四日 曇り
 
第三十一候:小暑初候
【温風至(おんぷう(あつかぜ)いたる)】
=暖い風が吹いて来る=
 (新暦7月7日頃〜7月11日頃)

 
第三十二候:小暑次候
【蓮始華(はすはじめてはなさく)】
=蓮の花が開き始める=
 (新暦7月12日頃〜7月16日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


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 梅雨があけず。時々にからりと晴れて夏を思わせる数日もあったが、このところまた雲やら風やら雨やらが戻り、いつになくおつゆがしっとりと田畑を濡らしている。
 時には宝篋山(ほうきょうさん)に雲がたなびき、時には晴れ間に紫陽花が輝き、田んぼは水を貯め、畑は朝露にじっとりと濡らし、ただただ雑草は背丈を伸ばす。暦ではそろそろ梅雨も明けて夏本番へとにじり寄っていているものの、今年はいま少しだけ、作業の遅れを許してくれそうである。

 自分に欠けているもの。今更ながらであるが、丁寧さと着実さと根気強さである。農具置き場の整頓が行き届かず、畑も所々に手付かずあり、田んぼも今年も計画通りには進まず。毎年今の今までなかなか向上していかんもんで困ります。一言で言えばだらしないんだよなあ。

 そろそろ、だらしない自分から一皮剥けていかんといかん。

 だらしある。そう、日常の中で常にだらしある自分に少しずつ修正していこう。 


 と、そんな日本語にない言葉を適当にいじくり回して遊んで自己満足している辺りが、そもそも見込みないんだよな。
 
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  洗った手ぬぐいを竿に干して、風に飛ばされた先に紫陽花が。こーんな感じの偶然をどこか心待ちにして生きてたいんだよね。田植え、大豆の種蒔きを終わらせていないというのに、予定通り連休に田畑を休む自分。どう弁護してみても、だらしあるとは言いがたいぞ。

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2012年07月21日

前夜

水無月三日 曇り
 
第三十三候:小暑末候
【鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)】
=鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える=
 (新暦7月17日頃〜7月21日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 涼しい、というより寒い。梅雨は明けたと言えばなるほど晴天が関東を襲い、炎下の猛暑にさらされた数日間。いやはやと日中作業に悲鳴をあげていたら、ぞわぞわとするほどの涼しさに、このところつくばは包まれている。おかげ様で昨日、喉の奥に引っかかった小骨のように気になっていた、最後に残していた田植え作業のラストスパートをここぞとばかりに終日かかって取り掛かり、おおよその今年予定の区画をなんとか終わらせることができた。ひいこら。

 暑さが本腰を入れる前の大暑の節気を明日に控え、いよいよ、第一回「話す・聴く・気づきのワークショップ」の前夜を迎えた。いよいよ、と言っても特別ななにかを始めるわけでもないのだが、それでもやはりそわそわと落ち着かない、肌寒い夜を過ごしている。早朝からの田植えからあがり、庭をいじり、部屋を片付け、明日の飲食の買出しに出かけるうちに、いつの間にかバイクの風が背筋を伸ばすほど冷たくなっていた。 今日のバイクの周遊を振り返れば、回った店は、雑貨にジョイフル本田に足を伸ばした他は、ブロートツァイトにつくばベーグル、コーヒーファクトリーに近江屋商店。大事な空間、ゆっくりとした時間を過ごしたい時、そろえたいと思う品を選んでいると、気がつけば「つくいち」仲間をめぐる買い物になっていた。そんな日頃のありがたい縁にも感謝しながら、明日の小旅行を楽しみにして。

 場は整った。主役は人。そして、人と場と、時間の交わり。どんな4時間になるか。

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 あ、麦茶煮出すのわすれてた。急げ急げ。

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2012年07月22日

船は港を出てそして帰港す

水無月四日 曇り時々晴れ


「話す・聴く・気づきのワークショップ」号にご一緒に乗船した
皆さんと、今日のテーマ、「自然農」周遊コースを一緒に
巡り、そして今、港に戻れたような、そんな気持ちです。


 どんな思いで港に集まり、どんな気持ちでこの船旅を過ごし何を眺め、そして港についた今、もしくは家路についた後にどんな残り香をいだくのか、それは結局は集まっていただいた方々の中にしか答えはないのだが、ワークショップの短すぎた4時間を終えた後に発していたのは、そんな言葉だった。

 今日文字にできるのはこれくらいかな。


「話す・聴く・気づきのワークショップ」号は、毎月出航します。
8月の周遊コースは「生命」、9月は「野性感覚」を辿ります。
乗船希望される方は、どうぞ HP までアクセスください。


 
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 せめてもの余韻をファインダーに収めたくて、帰港直後、船を降りてお話しされているお二人の光景を写してみた。いったいどんな旅だったのか。砂時計、トーキングスティック、そして外された名札たちこそが、それを知っているのかもしれない。


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2012年07月27日

到来

水無月九日 ギンギラ晴れ

 
第三十四候:大暑初候
【桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)】
=桐の実がなり始める=
 (新暦7月22日頃〜7月27日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 外から戻ると、キンキンに冷えた井戸水のシャワーを浴びて、麦茶かカルピスかビールを流し込む。昼でも夜でも、そのどれかが胃の中に流れ込む。そんな毎日が動き始めた。一人の家では、半裸、半裸、全裸。居候氏がいても、半裸。朝日が昇る前に畑に出られなければ、その日は負けだ。

 団扇も出した。風鈴も出した。打ち水、水シャワー、たまの扇風機、そんな夏。立秋前の土用の夏は、完全に暑さに対応しきっていない身体にどしんと襲い掛かる。気持ちが追いつかないままに、猛暑猛暑の高い壁。これは乗り切れねえです。すっかり、到来しちまったのね。

 田んぼの水も、すっかりあがったぞ。畑の土も、ドライにドライ。雑草に覆われている自然農であるのが救いとばかりに、刈り草に守られている。雷雨なら願ったり。来るなら来い。あああ、どうすっぺー。
 
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posted by 学 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 暦の調べ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする