第四十七候:秋分次候
【蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)】
=虫が土中に掘った穴をふさぐ=
(新暦9月27日頃〜10月2日頃)
【蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)】
=虫が土中に掘った穴をふさぐ=
(新暦9月27日頃〜10月2日頃)
第四十八候:秋分末候
【水始涸(みずはじめてかるる)】
=天地の水が涸れ始める=
(新暦10月3日頃〜10月7日頃)
【水始涸(みずはじめてかるる)】
=天地の水が涸れ始める=
(新暦10月3日頃〜10月7日頃)
第四十九候:寒露初候
【鴻雁来(こうがんきたる)】
=雁が飛来し始める=
(新暦10月8日頃〜10月12日頃)
【鴻雁来(こうがんきたる)】
=雁が飛来し始める=
(新暦10月8日頃〜10月12日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※
ふと、自分は何のためにこのキーを叩いているのかと考えはじめるのだが、答えはいっこうに見つからない秋の夜。
庭の金木犀が一斉に香りだしたと思っていたら、気がつけばすっかり残り香を漂わせるほどにおさまり、それに代わるように、柿の木に熟れた実が鈴なりに色をつけ始めている。
種蒔きに追われた初夏を過ごした大豆の畑は、酷暑での成育に気をもんでいたものの後優りに莢を膨らませ、いよいよ収穫の秋を迎え始めた。あと半月もすれば、豆名月を楽しめる頃になるだろうか。
田んぼは稲刈り。黄金色の稲穂に負けじと古代米が七色に彩る自然農の田んぼは、程よく頭を垂らす頃になった。周囲の慣行農法の田んぼでとうに稲刈りを済ませられて格好の餌場を失われた雀達が狙うのは、あわれ我らがつくし農園。稲穂が垂れるのは実りのしるしであり、それは即ち雀の襲い掛かるしるしでもある。かくして今年も、雀対自然農人間のサバイバルレースの幕があがった。
家には、LONOF体験者が時折に訪れ、自然農の作業手伝いと、拙宅の振る舞い料理を等価交換して帰っていく。月に一度のワークショップ、月に一度のつくいち、月に一度の農園集合日、副業の賃金労働にも出かけ、本業である野良仕事にも出かけ、粟子と歩き、友人と歩き、どうにか生きている。自然農を背景に暮らし、生きながら広がる繋がりに手足を様々に伸ばしている。これからどうなるかはわからない。いつかは死ぬまで、命が閉じるまで、自分を開きながら、人と関わり環境に身を任せながら生きるだけである。
そうか、今日はたまたま農園の方にも会い、つくいち仲間にも会い、学生時代の友人にも会い、たくさんの人間にも会ったけど、畑でもたくさんの命に会い、田んぼでもたくさんの命に会い、ただそれだけなんだな。同じように生かされ生かしてるだけなんだな。だから恐らくこの文章も、どのようにかして誰かに会い、生かされ生かしてるのだろう。だから自分はキーを叩くのかも知れない。不精でも惰性でも気力でも習慣でもなんでもいいから、機会を残しているあいだならいつでも、書けるときに書けばいいのだろう。Facebookには載らない、退屈な毎日の上に、そうして夜長はふけるのだ。
明日はパン屋で自然農の作物を置かせてもらうことになった。また一つ、また一つ、生きる限り、この「また一つ」を大事にしていきたい。