注)記事の日付は太陰暦を用いております

2013年04月01日

エイプリル

如月廿一日 晴れ

 
 妻ができた。

 娘もできた。

 共に暮らすことになった。


 空からの花粉は嘘のように止んだ。 

 庭を深紅の椿が染め、

 畑にニンニクが芽を伸ばし、

 家を取り囲む山桜がようやく花をほこらばせはじめた。

 全てが新しき香りに包まれて祝福されているかのような4月朔日。


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 今まで別の人生を歩んできた二人、そして3歳ながら小さな命を歩み始めている一人が、七転八倒しながら、同じ屋根の下に集い、一つの道に重なった。一つ一つ、一日一日、一歩一歩、それぞれのペースで。

 3月下旬の助走期間を経て、これから新しい家族と共に「毎日が自然農」を暮らしてまいります。


 さて、とにかくにも、毎日の朝昼晩の3食がおいしすぎる! 一日一食生活は完全に封印して、食卓にひたり気味の今日この頃。 そして洗濯物が多すぎる! 毎日毎日洗濯機フル回転してます(笑)。 部屋の改良、庭の改良、掃除、修繕、山積みでありつつ、畑も山積み。 冬から準備してきた新規事業も、悩みに悩んで一旦ペンディングへ。 日常を、心から良きことにしつつ、毎日の自然農をエンヤコラと推し進めよう。「働けど働けど我らが暮らし辛くならず、楽しからずや。」

 今まで汚し放題で庭作業の服のまま玄関へ上がりこんでいた習慣から、玄関横に、着替え兼農具置きの簡易スペースを拵えて、そこで汚れを落として家に入る習慣へ変えようと決めた。簡易小屋はまだ製作途中であるが、そのスペースで今までの通路がふさがれた為、庭木を整理して土を均し、踏み石を敷いて道を作った。でこぼこでも、不揃いでも、踏み固めていくうちに、よき道になるだろう。僕も、妻も、娘も、それぞれに、そして共に歩き、踏みしめていけたらと願う。


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 二人とも、どうぞよろしくね。

 皆さんも、どうぞよろしくね。

 八百万の神様、どうぞ宜しくお願いいたします。



第十二候: 春分 末候
【雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)】
=遠くで雷の声がし始める=
 (新暦3月30日頃〜4月4日頃)
七十二候を取り入れています※




posted by 学 at 23:04| Comment(6) | TrackBack(0) | 新しき出会い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月07日

春の嵐

如月廿七日 暴風雨のち暴風晴れ、時々雨

 2008年の7月からの開催以来、毎月第一日曜日(変則日は除く)に開いていた「つくいち」は、57回目にして、悪天候のための中止となった。週半ばの天気予報での、春の嵐予報。これまで雨予報を何度も覆してきた「つくいち晴れ伝説」もあり、今回もそのセオリーのように予報は前倒しに雨の嵐は過ぎた。空模様だけはくっきりとした晴れとなり、「これはつくいち開催もありだったかな?」と苦笑いの朝を迎えたが、さりとてつくばは朝から猛烈な風が吹き荒れ、あくまでも来場者の安心と安全を重視した決定は、やはり正鵠を射た判断であった。

 つくいちは、特別なイベント行事としてではなく、毎日を「生産者」や「販売者」として暮らす出店者の、月に一度の出張所のようなものでありたいという思いが、開催当初からの主催サイドの変わらぬスタンスである。もちろん毎月の会場での来場者との直接のふれあい、中央公園の芝生の上の景色は格別の一日だが、中止の決定がなされたあとに淡々と受け止め、そして普段どおりの日曜日や休業やそれぞれの日常に戻られていく出店者の姿がそこにあった。それは、悪天候の残念さを感じるよりも先に、どこかしら清々しさを覚えるような印象を小生に残した。もちろん、いち出店者の、勝手な感想に過ぎないのだが。

 昼に風が吹き荒れ、夕に猛烈に通り雨が抜け、決して特別でもない日曜日が過ぎ、また月曜日へ。そしてつくいちはまた来月の第一日曜日に開かれる。淡々と、粛々と、草が伸びるように、花が咲いて散るように、折々の紆余曲折や起伏や平板を常に楽しんで。そんな大げさなことでもないけど、通り雨が上がった夕方の、幻想的な西の空におもわず息を呑み、そんなことを考えていた。


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 大雨も大風も、澄み渡るような夕暮れも、人が作り出せないものの理不尽さと偉大さと美しさに包まれて生きていきたい。って建て前ではそういうけど、そうは単純にはいかんもんだよね。
 
 春の嵐の残り香がまだまだつくばを濡らし、今年はじめての蛙の鳴き声が、辺りを包む夜であります。さあ明日から、怒涛の農週間。


〜 初蛙 嵐で起きて 起こされて 〜


第十三候: 清明 初候
【玄鳥至(つばめきたる)】
=つばめが南から飛来する=
 (新暦4月5日頃〜4月9日頃)
七十二候を取り入れています※


posted by 学 at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月26日

備飯録

弥生十六日 晴れ

第十七候: 穀雨 次候
【霜止出苗(しもやんでなえいず)】
=霜が終わり稲の苗が生長する=
 (新暦4月25日頃〜4月29日頃)
七十二候を取り入れています※



 雨、雨、そして時折のぽかんとした晴れ。いまだ少し気温が上がりきらず、先週まではコタツも出していた。朝晩の冷え込みに難儀して、ようやく、じわりとした暖かみが衣類を包むようになってきた。
 庭の梅が、この家に移ってから一番の生りを見せている。例年咲き誇るわりには実をつけず、なっていたとしても早い台風や大風で落ち、家で採れるのは多くて二十個ほどであった。それが今年は、このままうまく行けば100個は実を結びそうな、ほくほくの庭先。雀や鶯がよく枝葉にとまり、虫を食べては飛び遊んでいる。その鼻先にぷりぷりと日に日に大きさをます梅の実を眺めるのが実に楽しい。

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 連日の雨に作業が押されてなかなか田畑の用事が進まないが、その分、庭での畑に手が伸びる。低温の春でなかなか芽を出さなかった大根や小松菜が、ようやく発芽、本葉を伸ばし始めた。自然農のわりには、野菜屑や落ち葉がたっぷりと土に還る畑であるので、少々プラスのハンデを背に、このまますくすく育ってくれることを望んでいる。今年は作付けの田畑と共に、庭での自然農もさらに拡げていきたい。そのせいで本業の畑がお留守にならんように、今から注意しとかないとやばいねこれは。

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 さて。新生活を初めてから、備忘録、否、備飯録(@facebook)をつけている。家族で、それぞれが作れるときに作れる側が思い思いに料理し、作り置きも、食材も、メニューも、独善あり、コラボありでキッチンに立ち、食卓を囲む。そうして毎食、すこぶる美味い。自然農で育ってくれたものあり、スーパーの食材あり、こだわりのプレミア肉あり、特売品の割引食品あり、自家製味噌、市販の調味料、ざっくばらんにとりこんで、いただきますとごちそうさまを楽しんでいる。しいて言えば、味は濃からず、油は多からず、旬に従い、煩悩にも従い、臨機応変に。

 備飯録、目標は継続1年。続けられたら、嬉しいねえ。


 このひと月の、スマッシュヒットを三作品並べて、そろそろ明日に備えよう。 

 
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 【黒豆お汁粉】
自然農緑米の薄搗き餅、自然農黒豆の甘煮、きな粉

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【カレーうどん、豆腐あんかけ】
カレーうどん:猪の茹で汁、薬味ねぎ、カレー(トマト缶、玉葱、干し椎茸、干し茄子、豚コマ)
豆腐あんかけ:ネギの生姜煮に豆腐を加えて


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【彩り茶漬け】
出汁2種:昆布と荒削り鰹節、猪肉のだしスープ
具10種:焼き海苔、炒りゴマ、湯通しネギ、油揚げの素焼き、
大根の実の醤油漬け(2年もの)、茗荷の梅酢漬け(2年もの)、
穂紫蘇の塩漬け(1年)、カキドオシ(庭の野草)、
おかき(素焼き煎餅を砕いたもの)、鰹の酒盗(小名浜産)

posted by 学 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 食の喜び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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