注)記事の日付は太陰暦を用いております

2013年07月01日

うめー

皐月廿三日 曇り

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 今年は庭の2本の梅が、驚くほどの当たり年を迎えている。

 先日収穫していた青梅が冷蔵庫の中で少しずつ黄色みを帯び、庭には完熟梅が毎日のようにポトリポトリと落ちはじめた。痛んだ梅はヤギにあげて、大丈夫そうなものは拾い上げる。梅は青梅では少量の毒成分の為に生食は避けられるべきだが、自然落下するほど熟した実は、手に取っただけでスモモのような香りがたち、現に皮をのぞいてかじれば甘さ控えめの梅の果肉をなかなか美味しく食べることもできる。とはいえ、折角の梅は、なにはともあれ加工に限る。

 農作業が目白押しの最中、気分を変えて終日、梅の加工を楽しんだ。毎度お馴染みのオーソドックスな梅酒(梅の焼酎漬け)は、愛用している35度の玄米焼酎に放り込む。今年初めて挑戦してみるのは、純米原酒(日本酒)に漬け込む梅酒と、梅味噌ドレッシング。そしてことし一番気合を入れているのは、豊作につき計4kgを仕込むことにした梅干。その他にも、梅サワー(梅を酢と砂糖で漬け込む)やカリカリ梅干しは先日の青梅の時点で既に瓶詰めを終えている。今日の作業の後にもまだ梅は残っており、あとのレシピは梅肉エキスと梅ジャムにでも挑戦しようかと皮算用しながらの一日。

 
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 アク抜きとヘタ取りを日中に。順々に加工は夕刻に。結局今日は計5kg弱の梅を仕込み終えた。


 焼酎や日本酒、塩や砂糖などの補助食品や、加工時の消毒に使うアルコールなどは、もちろん自給できているわけではないが、庭になった梅を、なんとか手を加えて、保存食や加工食品として利用する。それならせっかくだから、自然素材に近い材料を選んで。これくらいが、今の自分達にできる身の丈にあった自然との共存スタイルだと思う。参考までに、利用している材料を。


【焼酎】:特製玄米焼酎35度(小正醸造)
いわゆるホワイトリカーではなく、丁寧に作られた本格焼酎、しかも加工酒用に度数を高めたもの。庭の梅の実だからこそ、無味無臭の工業製品的なホワイトリカーではなく、より素材の滋味をひきだすような焼酎を選んでいます。

 参考URLはこちら⇒製品紹介

【純米原酒】:梅酒用純米原酒20度(富久錦)
梅酒は、焼酎やブランデーなどいわゆる蒸留酒でつけるものだと思い込んでいたが、今年は日本酒でも漬けてみることに。その中でも、特にこだわりを持って梅酒用に造られた純米酒を見つけました。

 参考URLはこちら⇒製品紹介

【洗双糖】
砂糖についてのチョイスは様々。普段から小生は調理に加工にこの洗双糖を利用している。黒砂糖ではコクや雑味がすこし多すぎて、白砂糖は使用したくないような時、精製されすぎていないこの洗双糖は、甘み、コクともに優れていて愛用しています。

 参考URLはこちら⇒製品紹介

 ※様々な砂糖の違いについて⇒黒砂糖、白砂糖、洗双糖、三温糖の違い

【自然塩】
精製塩はなるべく使わないようにしています。今ではあら塩などの名前でどこでも買えますが、安いものは海外製だったりもします。海に囲まれた日本で、わざわざ塩を運んでくるのもなんなので、できるだけシンプルな製造法で海水からそのまま作られたようなもの、かつ手ごろな値段で買えるようなものを使っています。塩や砂糖は長期間保存がきくので、買い物先で安くて良品を見つけたら購入してストックしておくのが小生のスタイル。


 理屈をこねくり回すよりも、実際に手を動かして、作って、待って、食べて、楽しむ。これこそが加工食品の醍醐味であるのは言うまでもない。


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2013年07月03日

我が家流

皐月二十五日 曇り時々雨

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 先週土曜日のこと。先月に済ませた入籍を機に大学時代の学部の友人達に、報告を兼ねた、質素な、気の置けない間柄でのホームパーティを開いた。ホームパーティーなどガラではないが、披露宴でもなく同窓会でもなく、大学時代に「世界を変えなん」と喧々諤々すごした悪友たちを招いて、我が家流にもてなすことにした。酒はもちろんサーバーで生ビール。少しは大人になってテーブルワインを少々。そして料理は、メインからデザートに至るまで、誇るべきつくばの「つくいち」仲間のフルコース。

 フルコース群の感動を伝えるのは、後日アップ予定の記事に譲ることにして、今回はその場の脇役を固めた食器たちについて。さらりと。

 単なるホームパーティでもあり、あくまでも主役は料理と酒と、来てくれた友人達の楽しい時間である。事前の準備のさなか、飲食に用いる食器類を使いやすさと気軽さを優先して、使い捨てのいわゆる紙皿、紙コップの類いを使用することに決めた。さりとて、(ここが小生の面倒くさいところなのだが)、単なる「使い捨て文化」に与しない「使い捨て」でありたいと願う自分がいる。これまでも、例えば農園で、例えば直売で、できうる限り石油資源、もしくは非再生可能資源の使用を制限してきた。農園では、紐を張るにしてもビニールテープではなく麻紐や木綿糸で、ネットやマルチを利用するにしても麻布などで代替できるものは選んできた。直売にしても、できるだけ個包装をせずに量り売りにしたり、ビニル袋を用意する代わりに紙袋(時間が許せば新聞紙を折った袋など)を使用してきた。コストや手間を考えれば、石油資源を使ったビニル資材のほうが格段に安くて便利なのだが、それでもあえて使ってきたし、これからも可能な範囲で続けていくつもりだ。その思いは面倒くさいほどに根深く、かくして我が家流のもてなしとして、ほんの少しだけ、環境負荷の少ない品で取り揃えることにしてみたのだった。

 と、全然さらりとならなかったので、使用した品を紹介して終えることにする。

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・・・未晒し麦モールド
※非木材の麦わらからのパルプを使用し、漂白加工をせず、溶剤なども使用せずにモールド加工で仕上げた商品。穀物生産の余剰産物である麦わらを使用することで、材木の間伐を抑制し、製法においても環境負荷の少ない方法がとられている。
 
カップ・・・バイオマスカップ
※原料に植物を使ったしっかり素材のバイオマスプラカップ。とうもろこしを原料にしたバイオマスプラカップは石油を使わないので石油資源を節約。焼却時のCO2を増やさず、適切な条件下であれば生分解して堆肥になる。(商品サイトから引用要約)

割り箸・・・国産間伐材
※国産木材の間伐材を使用した元禄箸。環境に配慮した国産杉の間伐材を使用。(商品サイトから引用要約)

 上記の3品は、下記のサイトから購入できます。
  LOHACO:アスクルの家庭用通販サイト、本家と同様、注文翌日の配送も可能 
 


 ま、パーティー終われば全ては燃えるゴミへ向かってしまうのだけれど。アーメン。

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2013年07月04日

音色

皐月廿六日 曇り時々雨

第三十候: 夏至 末候
【半夏生(はんげしょうず)】
=からすびしゃくが生える=
 (新暦7月2日頃〜7月6日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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 先週の日曜日、話す・聴く・気づきのワークショップを終えた。
 4人の参加者と共に、テーマを「音」に据えての4時間半を過ごした。

 テーマについての考察がどうこう、知識がどうこう、というよりも、このワークショップが常に包括する性格の通り、自分の生き方(あるいは人生の楽しみ方)について想いをめぐらすことになった。

 ワークショップの進行上、いつもの開催では映像などを使用することはないのだが、今回は導入に、ジョン・ケージの作品「4分33秒(原題 4'33")」の、とある演奏映像を流した。小生自身もこの演奏の映像をきちんと観るのは初めてであったが、かつてこの演奏の話を聞いたときの印象も含めて、今回のテーマ開催をするにあたってきっかけのような映像でもあり、アイスブレークに使用してみた。

 演奏についての詳述や感想は控えるが、ジョン・ケージの4分33秒とは、大雑把に言えば「無音」の演奏である。しかしそこには「無音」という音があり、そして聴衆の音があり、はたまた映像としてみるときにはその場の音があり、そして最も大きな存在は、「音楽とは何かという問いかけ」であるように、思われてくる。

 ワークショップでは、この映像を視聴し、その後いつもの「話す・聴く」時間を過ごした。庭に鳥の声、途中からは草刈り機(刈り払い機)の操作音、風鈴の音、そして断続的な会話と、少々の沈黙のうちに時間が過ぎていった。会話は「聴覚」から「音楽の発祥」、「現代音楽の問題点」やら「自分にとっての音とは」など、普段そこまで込み入って考えることが少ないことまで、様々に広がりをみせた。

 今回印象的だったのは、沈黙がいつもよりも「平穏」なことだった。このワークショップでは沈黙もまた意義があるとして、日常会話で頻繁に取り入れられる「相槌」や必要以上の「話題提供」などから解放されてみるという仕掛けがあるため、時に数分単位での沈黙が場に訪れることがある。もちろんワークショップとしてそれは何も問題ではなく、むしろ歓迎されても良い「ポジティブ」な時間なのだが、参加者によっては不自然さや不安感を覚えて、何かしらのソワソワした空気が場に産まれることもしばしばである。
 しかし今回は少し印象が変わった。ジョン・ケージ作品の映像のせいか、はたまた参加者がいつもよりも耳に意識を傾けてのせいか、時折の沈黙も不自然ではなく過ごされているかのように見えた。大げさに言えばそれはそれでひとつの意味あるコミュニケーションであり(それは常々このワークショップで小生が感じていることなのでもあるが)、もっと言えば演奏であるかのようにも思えてくるのだった。
 そんなことが頭に浮かぶようになるうちに、後半の途中から参加者の方々の声の交わしあいに目を閉じて耳を傾けていると、人の声の音色やタイミングの掛け合いがまるで交響曲や、ジャズの即興曲のライブのようにまで、聴こえはじめるのだった。決して大袈裟ではなく。

 途中、ゲストの井上さんから、「音楽の根源的な存在のようなものは何か」というニュアンスの問いかけがあり、その時は漠然と、小生の中には答えのようなものは出なかった。しかし今思い返すと、この耳を澄ましての「声の掛け合い」つまり、ゆっくりとした「相手の声の音色や抑揚にさえ耳を傾けてみるコミュニケーション」の時間が、もしかしたら音楽の萌芽なのであるのかもしれないと、直感的に感じられる瞬間が確かに存在した。その正誤はともかく。

 話す・聴く時間が、根本的にはテーマのない自由なワークショップでありながら、毎月のテーマをあえて設けることでこうした根源的な気づきに出会えることがある。それは毎月主催する側の、期せずして生まれた偶然の喜びでもあり、同時に、できうる限り他の方にも味わってほしい面白さなのだ。

 7月のテーマは「男女」。28日(日)、どんな出会いと気づきが訪れるか。
 普遍的なテーマだからこそ、あえて取り上げてみました。是非、ワークショップでお会いしましょう。

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第12回 話す・聴く・気づきのワークショップ =7月28日(日) 開催=
 今回のテーマは【男女(男性、女性、コミュニケーション)】です。
 参加者募集しております♪
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posted by 学 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 学びを知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月05日

こぐま始動

皐月廿七日 雨時々曇り

 構想1年、助走4ヶ月。
 いよいよ雑草屋の子どもプロジェクト始動します。
 2013年はまずは夏休みから。

 「こぐま塾 IN 夏休み」がいよいよスタート。

 自然農はもちろん、林で学び、食に学び、体に習い。なんでも楽しんで。
 
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 春からの通年「塾」構想は、、、ひとまず絶賛煮込み中。まずは目の前の夏休み企画へ。


posted by 学 at 11:33| Comment(4) | TrackBack(0) | 新しき出会い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月10日

どシンプルに

水無月三日 晴れのち雷雨

 わくわくの、ぞくぞくの、おまちかねの、夕立来襲。

 伸びて伸びて首がもたげるほどに待っての後の天雫。

 神に感謝し、恵みをいただく。久しぶりの、どシンプルな、自然への畏敬と感謝を。この夕方に。


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 浴びろ浴びろ!!

第三十一候: 小暑 初候
【温風至(おんぷういたる)】
=あたたかい風が吹いてくる=
 (新暦7月7日頃〜7月11日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※


posted by 学 at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月21日

醍醐味

水無月十四日 晴れ時々曇り

 いやー、水無月。水がない。けど、やるしかないね。
 
 ともあれ、遅れている田んぼと大豆の種蒔きとともに、子ども向けのキャンプイベントやワークショップの準備を同時平行に進める日々。日中は、梅雨明け直後の猛暑の津波はひいたものの、この時期らしい軽やかだがそれはそれで厳しい暑さに包まれる為、つまりは作業は早朝と夕方に分断される。

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 日の出の朝。4時半、猛烈な布団の誘惑を、妻の調教で這い出してもぞりもぞり。後ろ髪引かれて着替えているうちに、畑に出るのは5時過ぎとなる。田んぼでは、遅れに遅れてしまったまだ植えきっていない苗を、自然農では推奨される一本植えも諦め、乾ききった自然湿地の中へ五本植えしていく。刈り草の中にヨモギがあり、敷き草として倒した列に、鮮烈な匂いが立つ。まるでバジルのような芳香。だんだんと、頭上に傾く太陽に汗を流し始めた体に凍みる香り。「この匂いなら、オリーブオイルと和えてパスタにできるか?」などと思考を横道にそらしながら、ひいこらと。昼まで。


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 日の入りの夕べ。18時半過ぎには夕焼けもワインレッドに変わり、しみじみと西から群青に暮れていく。東には十四日夜の朧月。満月には満たない月が、流れ雲に時々姿を隠しながら閃光を放ちはじめると、手元は視界を失い、19時を回る頃に作業は終了となる。陽射しが弱まり風が体をいたわりはじめる15時頃からの午後の作業をとじて、ヤギと共に家路へ。


 こんな理想的な過ごし方ばかりを送れるわけではないが、夏の自然農的ライフの醍醐味は、実はこのリズムに他ならない。


 明日から2泊3日の子ども向けイベント。子どもらにも、この醍醐味伝えられるかなー。


第三十三候: 小暑 末候
【鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)】
=鷹の雛が飛ぶことを覚えはじめる=
 (新暦7月17日頃〜7月22日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

posted by 学 at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然なる日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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