注)記事の日付は太陰暦を用いております

2014年03月05日

冬草刈り考

如月五日 雨

 冷たく降り続く雨の畑からしばし離れて、このところ進める作業の景色を振り返る。


 2月から3月。冬枯れから春の芽吹きに移行しつつある畑では、春に向けての作業が目白押し。とはいえ野良仕事どっぷりというよりは、作業をする前にしておきたい準備作業といったところの田畑。 昨年のオサボリ具合を反映して畑のあちらこちらに藪が繁茂してしまっているので、まずはぐわわわん、と刈り払い機でなぎ倒すことから始めた。大藪になった区画では表土から全部を刈り取ってしまいたくなるが、雑草の足元には、小さな小さな冬草たちが息を潜めている。絶妙に表土の草たちを残しつつ、古武術の体捌きを思い出しつつ、刈りすぎぬよう、時間をかけすぎぬよう、疲れぬよう、そして何より難易度最上位、娘の退屈の痺れが切れぬよう、スムーズかつ効果的に進めていくのが実に実践的で面白い。

 下草が雑草ではなく越年生の作物だったりする場合には、もちろん刈り払い機をかけることはできない。枯れた茂みをごっそりと刈り倒したくなるようなところでも、実はそこに小さな命が隠れていたりする。

 例えばこの写真。

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 この小藪の中にも、隠れているモノに気を配りながら、鋸鎌で丁寧に草刈りしていく。


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 藪を刈ったその中に潜むその姿、


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 イチゴの苗が隠れていた。


 冬の草刈りは、すぐそこに迫る春を見据えて行わなければならない。作物が残っているような上の例だけでなく、何も育てていない畝でもそれは同じ。そろりそろりと育ち始めている冬草に気を向けることなしに土の表土ごと刈りすぎてしまうと、種まきのハイシーズンに、播種後に被せる青草が足りなくなることもしばしば。とはいえ草刈らずでは種まきができない。草を残し、草を活かし、草に負けず。その頃合の成果を一ヵ月後二ヵ月後の畑に手にすることを楽しみにしながら、この退屈になりかねない草刈り仕事をこなしていくのである。まあ、言葉で言うのは簡単なんだけどね。


 などなどと、凍るような雨を眺めつつ。



第六候: 雨水 末候
【草木萠動(そうもくめばえいずる)】
=草木が芽吹き始める=
 (新暦3月1日頃〜3月5日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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2014年03月06日

寒風

如月六日 晴れ時々大風

 「この春は暖かい」、と数日前のBlogに書いてしまって、この数日の寒の戻りを楽しんでいる。

 雨上がりの今日、いやはや、隣の竹林がもぎ倒されそうな強風がつくばに吹き荒れた。

20140306wind.jpg


 風に飛ばされた杉花粉も大量に舞っているに違いなく、畑に向かう足がじりじりと遠のくが、確定申告作業でなまる身体をリフレッシュさせるべく、刈り払い機を担いで数時間。しゃがんで縮こまってする種まき仕事よりも、重い農具を振り回すほうが、こんな日にはもってこい。・・・と息巻いて始めたものの、足先を凍らせるほどの寒風にはほとほとマイリマシタ。 いやあ、それにしても、吹いた吹いた。


 日中見かけ始めていた団子虫やアリたちも、この寒さにはまた巣篭もりなおしてるかもね。


第七候: 啓蟄 初候
【蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)】
=冬ごもりの虫が出てくる=
 (新暦3月6日頃〜3月10日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※


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2014年03月12日

いわきノート

如月十一日 晴れ

 
20140311kaeru.jpg


 2014年3月11日。いつもと変わらず、温もりの縁側で自分は事務仕事、娘は絵本の午前中を過ごし、午後、畑に野良仕事に出た。妻はパート仕事で出稼ぎ中。畑には、冬眠から起こされた蛙が土からもそりと這い出してきた。

 3年前の3月11日の14時46分は、暖かい午後の陽射しが入る部屋の中で、パソコン仕事をしていた。そろそろ畑に出ようかとしている時に、地震に襲われた。翌日からの放射線を気にしながらの畑仕事では、余震にたびたび揺らされながら種播きしていたことを思い出す。

 あれから3年。夕方、パートから戻った妻と共に、家族3人で映画「いわきノート」の上映を観にでかけた。筑波大学の学生と映画配給会社が協力して作成した、震災後のいわき市を撮った映画。いわき出身で筑波大OBの自分が見ないわけにはいかないと、今回の縁に感謝して、足を運んだ。

 映画は、シンプルな、震災から2年半過ぎたいわき市に住む市民の声を集めたドキュメンタリー。そして、震災後の全ての日本人に直球に届けられる、ありのままの、ただの生きる人たちの姿。その86分間を観て、何を感じ、何を想い、明日の何に繋げるか、今の自分にどんな種を播くかかを問いかける、地に足の着いた佳作であった。

 皆さんも、まずは観て、そして、震災後の今の自分に、日本に、種を播いていってほしい。

 
  映画「いわきノート」 ⇒ 詳しくはこちらから

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2014年03月13日

ワクワクワク

如月十三日 曇り

 今週末の3月15日に開催するワークショップ。
 「話す・聴く・気づきのワークショップ」にゲストでお越しいただく林さんから、今回への想いを寄せていただいた。 数年前に同居し、文字通り、心と身体をぶつけ合った(笑)、同志のような友人からの言葉が実にワークショップの本質を捉えてくださっていて、嬉しくて朝から興奮している。ワークショップの締め切りは過ぎたのだが、まだまだ定員まで席があるので、前日まで締め切りを延ばして、この記事を読んでくださった一人でも多くの方に足を運んでいただけたらと願う。

 今回、【身体 (運動・心・体の動かし方)】をテーマにワークショップを開催。まさしくそのテーマを生き方に反映させている、林さんからのメッセージ。

「話す・聴くワークショップって?」という思いで初めての会に参加させて頂いてから,複数のテーマで何度か体験してきました.人は話すことや相手に伝えるプレゼンテーションの上手さなどに注目しがちですが,じっくりと相手の話しを聴いたり,静寂で何も発言がないことを良しとするなど,今まで経験したことない少し違和感のある空間で,ゆっくりとした時間や体験を味わえます.

人が車座になり,真ん中のあたりをぼんやりと見つめ(あるいは目を閉じて),会話がなかったらソワソワしてきますね.身体操作でも,何か対人に動作をしようとする時には,相手を押すとか引くとか目的があるかと思います.しかしそれに過度に囚われると,緊張が生じたり,身体が追越してしまったり,不自然な筋の過度な緊張が生まれて,相手にも「力強さ」として緊張が伝わりますし,それをヒョイと取られてしまいます.

静寂の中で会話が生まれるのは,水面に雫が落ちるのと似ています.
その場にいるそれぞれの人に何かが広がるのですが,普段のワイワイ話しでは,こうした静寂さや静けさは感じることはあまりありません.
会話が生まれず静寂な時間が長くなると,自分の中に出てくるソワソワしてくるもの,焦りのようなものを感じます.そしてこれが何かと深く見つめると,時間を有効に活用しなきゃ,とか,何か良いことを話題提供したい,という自分自身の生活習慣から身に付いた"癖"や,"我"がありありと出てきます.自分の話したいこと,伝えたいことと,その場で生まれている流れ・場の空間があってこその会話であり,対話ですので,焦りやもやもやが生まれるのは,身体操作の際の制御出来ない自分の身体の癖や習慣的な力みと似ています.場の空間が身体操作の延長にも似て,とても面白いと思います.

今回は,「身体」がテーマということでおよび頂きました.
体育を専門としながら,稽古会(引用者注:ゲストの林さんは、つくば市で「身体操法研究会」の世話人をされています)では多くの先達の方に遠く及ばない自分の身体ではありますが,アメフト時代からの大きな身体観の変化や,身体との向き合い方,怪我の治療を通した身体の奥深さなど,今現在のありのままで,僕のままで,参加しようと思います.

ワークショップという響きにある,喧々諤々と議論をするイメージではなく,
全員に,話すことも,聴くことも,じっくり味わうことを許された時間・空間で,
参加者の皆さんがどのようにそれと向き合うのか.
小松さんとは,終了後にはLIVE空間のようでしたね,と感想を話し合ったことがあります.

そんな時間にご興味のある方は,どうぞ小松さんの家にお越し下さい.


 いやあ、ワクワクしてくるなあ!

 梅薫る我が家に、ワークショップに、是非とも遊びに来てください。

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第17回 話す・聴く・気づきのワークショップ =3月15日(土) 開催=
 テーマを【身体 (運動・心・体の動かし方)】で開催します。
 参加者募集しております♪  実技プログラムも体験ください♪
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第八候: 啓蟄 次候
【桃始笑(ももはじめてわらう)】
=桃の花が咲き始める=
 (新暦3月11日頃〜3月15日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

posted by 学 at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 友と共に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月25日

よもやまん

如月廿五日 晴れ

 
第十候: 春分 初候
【雀始巣(すずめはじめてすくう)】
=雀が巣をかまえ始める=
 (新暦3月21日頃〜3月25日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※



 20140316kabu.JPG
 3月16日に発芽していたカブが、、、

 20140325kabu.JPG
 10日後、ぷりぷりの双葉を揃わせていた。
 


 啓蟄から春分へ。季節は一歩一歩、そして慌しく、暖かみを増していく。
 春へ春へ土も命も勢いづきながら膨らみ、雑草屋もつられるように四方山に慌しくすごしている。

 毎日を、家族と共に過ごしながら、ジャガイモを植え、またジャガイモを植え、カブの種を播き、またジャガイモを植える。花粉に怯えながらも、軽めに断食療法したせいか、ここ1週間ほどは、ノーマスクノーゴーグルで乗り切っている。腸内環境が変化したのか、はたまた病は気からか、ノリと勢いで症状が和らいだと自己暗示させている日々。
  
 話す・聴く・気づきのワークショップを滋味深く終え、つくし農園では田んぼの苗代準備も順調にすすめ、LONOFに遊びに来た友人とも穏やかな週末を過ごし、4月のバイオトイレ作りのイベントも着々と構想を練り深めていく。


 春のせいか、感性が開放されて四方八方に興味関心が踊る。その飽和する感覚を、妻と雑談ミーティングしては、また仕事の周囲に修練させていき、感覚、構想、実践のステップをひとつひとつ押し進めて行く。

 自然農から広がる、「持続可能な人生」への四方山なアプローチは留まるところがない。選択と集中はビジネスの必須事項とされるが、こちとらビジネスに人生を捧げるのではない。いかなる意味においても制限があってしかるべき世の中で、心と体の自由をいかに保ち続けるか。宗教も、健康も、運動も、心も、環境も、経済も、教育も、人間関係も、あらゆる分野においてこの生のある限り、自分の肉体と精神を器にして、心躍るような「持続可能な人生」を探求していくのだ。決して器用には、決してスマートにはいかないだろうが、それでも少しずつ作物が育っていく自然農の田畑のように、焦らず、あくまでも心躍らせながら、また毎日を進む。四方八方に、ワイドアングルで、生きる。

 アイ、アム、ヨモヤマン!


意味不明ですが、春につきお許しください。


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2014年03月29日

春咲くらむ

如月廿九日 曇り

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〜菜の花や コブシ水仙 雪柳 オオイヌノフグリ 椿咲くらむ〜


つくばに春が咲き誇ろうとしている。

畑に埋もれたいような、そんなソワソワの気持ちを抑えて、週末は名古屋に姫路にと、見聞と舌を楽しませに出かけてきます。しばしの休息。


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 私は花より団子なのよ



第十一候: 春分 次候
【桜始開(さくらはじめてひらく)】
=桜の花が咲き始める=
 (新暦3月26日頃〜3月30日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※


posted by 学 at 06:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 暦の調べ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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