皐月廿九日 曇り時々晴れ
そんなに大袈裟なことではない。
2014 FIFA ワールドカップ、我らが日本代表は、1次リーグで惜しくも敗退した。最終戦となったコロンビア戦を、サッカーに関心のない妻と娘が寝室で寝入る隣のリビングで、一人手に汗握り締めて観戦した。
観る人の各々のサッカーへの想い、人生観、仕事観、生き様によって様々な感想が起こるのだろうが、自分にとっては、コロンビア戦の試合は、見ていて気持ちの良いものであった。良く戦い、その結果、及ばず、大敗した。
残念な想いと同時に、肉体と精神の限りを尽くして試合を魅せてくれた日本代表のイレブンに敬意を抱き、その想いが消えないうちに、代表のレプリカTシャツを着たまま畑に向かった。
はたして、自分にとってのワールドカップは何か?自分は、あのブラジルのピッチに立つ選手のように、人生をかけて(人目にさらされて)挑むような挑戦をしているか? フィールドで華やかなプレーをすることは(残念ながら少年時代に諦めてしまったので)適わないが、自分にとってのあの舞台はどこなのか? 果たして彼らと同じような血と汗の滲むようなフィールドに立っているか?
言うまでもなく、我がピッチは、この自然農の田畑である。大豆の種まきに急かされ、田植えに追われ、草刈りに心折れ、暑さに負けそうになり、それでも、ホイッスルが鳴るまでは、ゴールネットを揺らすことだけを信じてプレーする選手のごとく、手足と頭を動かすのだ。
自分の人生を生ききる。自分にとってのワールドカップを戦いきる。ブラジルで戦い抜いた代表選手たちのプレーを思い出しながら、そして華麗に躍動する世界のトッププレーヤーたちの芸術に魅せられながら、一粒一粒、種を降ろしていくのである。
大豆が発芽し、

ジャガイモを掘り、

スナップエンドウを自家採種し、

田植え第一弾を済ます。

戦え! 心は日本代表のように、そして自分の中のトッププレーヤーになるべく!
いやあ、サッカーもしたいけどね♪
第二十八候: 夏至 初候
【乃東枯(なつかれくさかるる)】
=夏枯草(うつぼぐさ)が枯れる=
(新暦6月21日頃〜6月26日頃)