盆に帰省しての翌朝、身体に馴染んだ実家の旧子供部屋(現物置)に布団を敷いて、次女の布オムツをいつもどおり代えようと身体を屈めたその瞬間、欧米では魔女の一撃とも例えられる、あの雷のような衝撃が背中を貫いた。
勇猛たる、血気盛んな、大人の男の精神を、いともたやすくへし折る、アイツ。
ギックリ腰の襲来である。
帰省先の実家で3日過ごし、どうにか車でつくばに戻って早や5日。あの一撃が訪れてから、畑と田んぼには足を伸ばせてはおりません。注文いただいていた自然農ジャガイモの宅配も掘れず送れずで一時停止状態。収穫時期真っ只中の、トマトにキュウリにオクラが実る畑には、どうにか妻に手入れしてもらう日々。大豆畑の草刈りも、いよいよ心配になってきた。
そんな中、転んでもタダでは起きないリアル百姓。このギックリ腰をきっかけに、貪欲に新しい書籍や概念、キーワードに遭遇しています。田畑に通えない猛暑の日々を次なるエネルギーに代えるべく、動かせぬ身体と縦横無尽な心を総動員して、内的な自己の充実へ。
その成果は、今すぐに実を結ぶものではない。でも身体を損ねた今だからこそ感知できたキーワードを最大限に手がかりにして、自分の中に生まれた新しい価値観を大事に育ててみたい。

庭のアサガオ。数日前に飼いヤギに茎を食べられてしまったのにもかかわらず、根性で花を咲かせる日々。生命の神秘には、ただただ驚かされる。そんな神秘と生命力が、自分の体内にも宿されているのだ。

魔女がくれた最高のプレゼントに感謝して。この雌伏の時、しかと噛み締めながら。
追伸:週末には旧友たちとの宴会パーティーを楽しみにしつつ、週明けに準備万端に予定していたサマーキャンプは、忸怩たる思いで開催を断念することにする。楽しみに予定していた子供たち、本当に申し訳ありません。今後、腰に、いやいかなる痛みにも用意に屈しない男になって、またみんなに会える時を楽しみにしています。