〜 半纏を もどして着込む 四月雨 〜
うららかさが続いたつくばに、冷たい雨がぶり返した。野山を見れば、秋から続いた枯れ色から萌黄色へ。春の主役が桜から山桜へと移行しだす頃、ようやく雑草たちも、畑の表面を賑やかし始める。さあ、種蒔き時は待ったなしだ。
この4月、今年は田畑以外の時間をすこし増やしてみようと、妻との経営戦略会議にて決められた。そうはいっても田畑で種を待つ声はどうしたって聞こえてくる。カレンダーに用事が入っていない日には、いそいそ足を運びたいのに、このところあいにくの雨模様がつづく。
畑への未練を残しながら、本日は、この春からの作付け予定にようやく着手した。鬼が笑うどころか飽きれるほどのスロースタートではあるが、昨年畑で育てた自家採取の種を拡げてながめるのも、なかなか贅沢な時間ではないか。
トマト、ナス、ピーマン。キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ。大豆、小豆、そして稲。秋に命を宿した種が、春に田畑に還っていく。何も持ち込まず、持ち出さず、耕さず、虫や草と共に育ち、実りの多くは私たちへ、そして幾ばくかの遺伝子は次の季節へ。
にんまりと、自宅種バンクに保管される種残高を横目に、今年はどのエリアにどの種を降ろそうか、ついつい頬が緩む。肌寒さで、ついつい布団に戻りたくなる気持ちに打ち勝つのは、なによりもこの皮算用の喜びなのかもしれない。
まあその内情は、雨で室内の籠もりっぱなしの3人の攻勢に圧倒されて、心折られまくりだったんですけど(涙)。