注)記事の日付は太陰暦を用いております

2017年05月01日

全滅信号

卯月六日  晴れのち雨

 揚々と4月に種を降ろした、お米の種籾。どういうわけか、待てど暮らせど芽を出さない。同時期に蒔いたつくし農園のプレーヤーさんの苗代では、ツンツンとした、太めの針先のような、特徴的な発芽が、あちらこちらで確認できている。今季は少々足が遠のき気味の田んぼではあるが、さすがにこんなはずはないと、遅すぎではあるが、苗代の鳥除けネットを外してみた。

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 ふか、すか、ぺたん。え・・・。
 播種時に、鎮圧器で丁寧に覆土した表土が悲しいほどに持ち上げられている。スカスカの土を探ると、一粒ずつ指先で整えた種籾が、どこかしらに消えている。発芽しているはずの籾はほぼ見当たらない。これは・・・。

 オケラだ。ここ数年、プレーヤーさんの苗代で猛威を奮っていたオケラの害。自分には無縁だと、なぜかどこかで安心しきっていた。昨年まで少しの被害は出たことがあったが、こんなにも、見事に荒らされるとは。

 稲の苗が、ほとんど発芽させられていない、という事態は、ちょっとした恐怖である。稲作は、年に一度しか作付けできない。その苗が、育っていないというのは、世が世なら、そのまま飢餓を意味する。種まき後に気をかけなさすぎた、あまりにもの自身の太平楽さに、大袈裟ではなく気が遠くなりそうになった。今年の稲の全滅信号が、発令されている。

 いや、はや。

 とはいえ、できることをするしかない。この数日での、巻き返しを。
 米に関しては、蒔き直す種籾を水に漬けて発芽処理を施し、新たな苗代を急ピッチで作り直す。GW中に、必ず蒔き終える。
 穀物の栽培という点に関しては、救荒作物として、黍、高黍を作付する。日本の農事歴はうまくできたもので、稲の苗がこの時期にうまく育たなかった場合に、雑穀類の蒔き時がちょうど5月上旬に訪れるのだ。

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 ※本来なら、こんな具合に発芽がちらほらと確認できる頃・・・。


 自然農の大らかさに包まれ過ぎて、併せ持つ厳しさに感性を鈍らせ過ぎていた。よし、どうせなら、このトラブルを楽しもう。あわてての蒔き直しも、雑穀の種まきプランも、今年に天から与えられた使命として。やるしかねえもの。


 明日から、今回ばかりはサボれないね(笑)。



posted by 学 at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 田の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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