注)記事の日付は太陰暦を用いております

2023年12月04日

第一作品 納品報告

神無月廿二日 晴れ@つくばみらい市

 
20231204minnade.jpg


 『レンタルまーちゃん』、一品目が本日納品されました。大子町から130km離れたつくばみらい市のNさんからのご注文で、ご夫婦やお仲間と利用されている田畑での自然農&大地再生的お手入れ実習+使用中のビニルハウスの簡易的補修、な一日。最後に記念すべき最初のお客様として記念撮影してもらって、家路についた。

 大げさではなく、「ああ、こんな時間のためにも俺は生きてるんだなあ。生きててよかった!」と感じ入りながら軽トラをぶっ飛ばす。

 過ごした時間は、正味7時間。朝日が昇る前の霜に覆われた早朝に家を発ち、快晴の9時に到着。つくばエクスプレス沿線の都市開発の津波にポツンと取り残されたような駅から数km程度のエリアに、その田畑はあった。耕作放棄地で持ち主が手入れできていない農地を借りられて、ご友人たちと楽しまれている畑や田んぼ。そこに数棟並ぶ立派なビニルハウスの一番奥の一棟を、温室栽培エリア兼物置として利用されているのだが、入り口部の扉が部品の破損などで歪みがあり、いつも開け閉めに手間取っていたという。ビニルハウスは門外漢のご依頼ではあったが、農的DIYの範疇ではあったのでお受けし、ダメもとで応急処置的補修を試みることに。全員が不慣れな手つきの中、集まられたお仲間の皆さんと一緒に不具合のある扉を外し、ビニルを取り、構造をチェック。不具合の原因を観察し、補修部品購入や手法を一緒に考えていく。今日一日で終わらせずにご自分達でゆっくりと直す選択しも提案しつつ、皆さんと相談の上、近所の資材店で代替品を購入し設置することを決定。しかしながら資材店では同じサイズの代替品は探し求めることができず、悩んだ末に少しだけ幅の短いパイプ扉を購入。備品も含め、それでも概そで事前に計算していた予算には収まり、そっと胸をなでおろす。(何せビニルハウスの扉を外すのも購入するのも私にとっても初めてなのだから(笑)!)

20231204tobira.jpg 20231204kaimono.jpg



 畑に戻り、サイズの小さい扉と接続部を重ねてみる。合わないし、くっつけられない(笑)。さあ大変だ。皆さんには悟られないように頭をフル回転させる。なんとかこの午前中で終わらせないと、田畑での自然農実習の時間が無くなってしまう。おそらく、意識下無意識下の小松学の脳みそ貯金残高の全量を駆使していた。どうすればこのイレギュラーサイズのパイプ扉を既存のハウス入り口部の取り付けが可能なのか。手を動かし、目を動かし、みんなが昼食の用意を始めた隙にあれやこれやを試行錯誤する。幸運なことにその場に転がっていたありものの資材をひと工夫ふた工夫して何とか着工し、これでイケるはず!と鼻息が荒くなる。

 焦げ付きそうな脳みそCPUの状況がバレたかのは分からないが、Nさんからお昼の小休止を促され、味わい満点の具だくさんお味噌汁と焼き餅の野原ランチをご馳走になる。気が付くと、雲一つない初冬の青空。草に腰掛け、カセットコンロで温めてくださったランチを食べながら、移住話や田舎事情などあれやこれやで話も弾む。談笑に後ろ髪を引かれつつも、気持ちは見通しはついたものの内心ではまだソワソワしているハウス扉へ。さあ逃げられないぞ、と心を決め、紙皿を片付け、ハウスへ戻った。

20231204lunchtime.jpg



 詳細はともかく、かくして、最後はみんなで力を合わせて扉の設置、ビニルの張り直し、部品の取り付けも完了!火事場的応急処置修繕は無事、オーダー時のリクエスト基準を満たすことができたのでした。拍手(笑)! あー、自然農的右往左往を20年続けててよかった!なのでありました。

20231204torituke.jpg 20231204shuuri.jpg


 ハウスを後にした一行は、夕方が差し迫る中、別の畑へ移動。自然農を今年の6月から始められた農地へ向かう。一般的な慣行農を続けられていた農地が耕作放棄されていた場所を借りられてスタートさせた畑であり、杭を差し込んでみると15p程でカチカチの層に突き当たる。でも大丈夫。土の中で起きていること、自然農のフィールドでこれから起きる微生物と植物たちの土壌を舞台としたファンタジックな未来をお伝えする。そして鎌一本鍬一本スコップ一つで今すぐできる、大地に菌類を増やし、植物の根が土中に張り巡らされ、まるで微生物たちの放牧場のような畑に育っていく手入れをスタートさせていく。大人も子どもも、野良道具を手に持ち、大子で作って運んだ竹炭や、地元で集めておいてくださった落ち葉を振り撒き、土を鍬で動かし畝を作り、刈り草を戻し敷く。たったそれだけで、微生物と植物と人間が共存していける農的フィールドが動き始める。用意が整ったら、種を降ろすだけ。自然界と人間界の絶妙な関係性のあり方に想いを広げ、リアルに手足を動かし、気持ちを乗せ、具体的にイメージを描く。そのらせん状のポジティブフィードバックの輪を現実化していくのは、実に容易いのだ。そんなこんなを、時間にしたら数十分から1時間ちょっとだったけれど、みんなで共有して過ごせたことの喜び。しみじみ。 ああ、これも、毎日が自然農な暮らしを20年続けてきて良かった〜、なのでありました。

20231204hatake.jpg 20231204tenana.jpg



 帰宅後にNさんから、「よいお買い物ができて光栄に思います!!お得意様になりたいです」とのメッセージが入る。毎度ありがとうございます。であり、おかげさまでこちらこそ素敵な一日を過ごすことができました。である。そんなこんなで、八方良しな要素のみで構成されたと言っても過言ではない、1日を終えたのだった。

・ ・ ・

 『レンタルまーちゃん』は、事前振込(後日商品提供)、ドネーション、現物供与、などなど、どんな形でも大歓迎しております。皆さんの自由な発想、自由な想い、自由な愛を、雑草屋を通してフロー(流れ)してください。どんな申し出でも、その瞬間から世界の豊かさにつながっていることを確信しています。

 いやー、現時点で、これ結構、革命的な商品じゃないか?と筆を走らせてみた夜。

2023年12月20日

自主スクーリング悶々記

霜月八日 晴れ @大子町

 ホームスクールを3年生まで続けてきている次女。通ってるスイミングや交流する同世代との話題で小学校の話が出てくるので、いよいよ学校行きたくなってきました。(我が家はもとから不登校ではなく積極的ホームスクールです。)

20231219miso.JPG
<今年も家族で味噌づくり!>


 さて、シュタイナー教育に心惹かれ、「7歳までは夢の中」をモットーにカリキュラム無視で自由に育ってきてくれた(我が家では「したいなー教育」と呼びます♪)ので、漢字や九九の類は特に時間を取ってきてません。学校からは教科書やワークプリントが渡されていますが、遊びや読書や料理に比べたら面白いわけがないので一人では続きません。でも学校行くならやらないとなーと考えてるようで、いわゆる「お勉強」もしたいけど家だと弟チームに邪魔されて集中できない!

 という流れで、町の教育サポートで開かれている教育支援センターに通い始める運びになりました(昨日申し込み!)。そしたらマスク界隈に敏感な公的機関、町で増え始めた風邪の流行の影響で今日は休み。楽しみにしてた次女のしょんぼり顔とやる気にちょっと寄り添おうかなと、午前の野良活の予定を取り下げて、一緒に二人で図書館の自学スペースに来ました。

 渡されてるプリントワークの2年生の漢字プリントを1時間ほど。父親は向かいのテーブルで「シュタイナー教育を考える(子安美知子著)」の読書。なるほど、面白くて豊かな時間。漢字を書いたり、文章を書いたり時々絵を書いたり、それなりに1時間机に向かうと、手がつかれた〜と言ってヨガ的リラクゼーションを始めました。好きにしな、と告げると、階下に降りてナイチンゲールを読み始めました。まあそうだよね、そっちのほうが楽しいよね(笑)。

20231220toshokan.jpg
<小1時間だけど、なんとも豊かな時間>


 長女は小4から通い始めた「学校教育」に肌があったようで中2の今では副会長に部長と、なんか適応しまくってますが、次女はさてどうなるか。

 こんな偶然の豊かな時間をきっかけに、いよいよ、ちゃんと、シュタイナー的人間観をベースにした、ゆるゆる自由教育フリースクールっぽい活動も、やっぱり始めるべきなのかなあ。こんな次女との時間を過ごせるなら、考えちゃうよね。次女の学びへの意欲&友達と過ごしたい時間&健やかさを育みたい親の想い、の融合点を希求していきたいなあ。

 つまりは、子どもの人生と親の人生の掛け算だもんね。

・大地を楽しむ、自然農&大地再生的な野良活の時間
・心身合一、身土不二の思想を素にした自然療法&心身治癒法の提供
・シュタイナー的人間観をベースにした、自然派自主教育
・「放置林、遊休農地、空き家の利用」×「生きづらさを感じる人たちが勇気を育む時間」の体験の場

 別々の事象のように見えつつも、完全に全てが調和して重なる。
 お金のことを心配せずに、集中させてもらえるなら、大子町でどっぷり、これらにフォーカスして取り組みたいよなあ。

 と、だんだん風呂敷が広がりすぎたのでまずは目の前。次女とのお勉強時間を毎日数時間とってみる作戦。あとは、方向性に共感してくれる、少数でもいいから交流できるホームスクール的ご家族とのご縁。それに加えて、家での自分の野良活時間と、好評いただき始めているレンタルまーちゃん的な家の外での稼ぎの時間と、バランスとるのが本当に難しいんだけども、せっかくワクワクが止まらないのだから始めてみるしかないよなー。

posted by 学 at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 子どもと育つ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。