
新年あけましておめでとうございます。
生を受けて47回目、高校卒業し実家を離れてから29回目、大学卒業し勤めに出てから24回目、自然農の田畑を始めてから21回目、大子町に拠点を移してから5回目の正月を迎えた。いつの間にか、妻と子ども4人の6人家族に増え、ヤギは7頭、鶏は6羽、築150年を超える古民家と、裏の杉山、眼下の田畑と共に、数年先のことさえ考えずに日々暮らしている。
<みんなで作った正月飾り>
門松やしめ飾りを子どもたちと作り、お節を作り、初日を眺め、凧揚げしたりカルタしたり、穏やかに暮れと年明けを過ごし、そして、北陸の地震に驚き、心を痛める。それでも、だからこそ、自覚を深める。世の中の森羅万象は、不変のものは何一つなく、現在現時点を突き詰めれば、幸も不幸も、善も悪も、過不足もなく、自他が別であり一つであり、只今において十全でしかない。
<お節は75%ほど自給自足>
太陽太陰暦(新暦)の暦では年が変わったが、そもそも暦は世界各地で多種多様であったわけで、2024年1月1日に何か特別なものが切り替わったわけではない。しかし人類は、カレンダーを区切りやリセットとして日常的に設け、時の流れを感じると同時に、他人が存在する世界と自分の関係性を日々確認するきっかけに利用してきた。年賀状を交わし、SNSでコミュニケートし、顔を合わせて挨拶することで、過去からつながる今、宇宙にあまねく広がるこの空間を生きていることを実感しあっている。
天災も、人災も、生も死も、苦も楽も、実は一人一人の人生のすぐ隣にある。であるからこそ、明日を願い、今年の四季を願い、自分の目の前の今日の手足を動かすこと、今の瞬間の心の安らぎに耳を傾けることに人生を費やしたい。そこに徹することで、その中心点から広がる家族、隣人、友人、生きとし生けるものへ、植物の根や菌糸が闊達に伸びていくように情愛が拡散していくことを願ってやまない。
だからこそ、変わらずに、毎日が自然農な暮らしを、ただただ、続けていきます。土に触れ、草木を感じ、種を蒔き、生命に沿い、心身を十全に。今年も、天の計らいに導かれて、皆様とお会いできることを心から楽しみにしております。
<毎朝の厳しい冷え込みを楽しみへ>
令和6年1月4日 (旧暦 霜月廿三日)
自然体研究家 兼 自然農百姓 小松(後藤)学