つくばエキスプレスの研究学園駅から、住まいのある栗原地区へ車を走らせるといつも、鼻の奥のほうから臍の下の辺りまで、深刻な不快な気持ちが染みのように広がる。
「つくばスタイル」という言葉がある程度定着し、つくばエキスプレスの駅周辺の開発が進められている様子を見るまでもなく、つくばは開発の波に飲まれている。小生が1995年に筑波大学に入学した頃のつくばに比べても、その変化のスピードは驚くべきものである。
まだ。まだ具体的な言葉にすることができない。しかし、研究学園駅からイーアスを過ぎて筑波山方面へ向かい、西大通り(国道408号)と交わるまでの新道路の左右に広がる景色を毎度眺めるたび、暗澹とした不安に襲われることだけは記しておく必要があるのだと思った。そこで目に映る区画だけでは決してない、はるかに大規模な面積で、今つくばの森と林が切り倒されている。自然農の田畑などとは比べ物にならない、はるかに大きな生態系が、つくばの地で今まさに、そして明日まさに、消え続けている。伐採、整地、宅地化、開発、まるで一方通行な光景。そして、それに疑問を差し挟む余地がないような、熱と、理屈と、人間の目指すもの。
おい、日本にそんなに人がいるのか?そんなに無作為に木を切り倒してどれだけの価値があるものが建つんだ? ブルドーザーが均し終えた剥き出しの土の上に降り立つカラスの群れは、今後の棲みかをどこに移せばいいんだ?ロハスって何?
おしゃれで手軽な田舎暮らしは、まるで無神経に見えてしまう乱開発の上にしか成り立たないのだろうか。果たして。
今、小生にできることはわからない。自然農を静かに歩みつつ、いったい何ができるのか。これ以上、今以上、無駄に木が切り倒されるのなら、つくばスタイルなんていらないんじゃないのか。適度な、適切な、つくばの生き方は他にないのか。政治では変えられないのか。経済ではもがくだけ無駄なのか。しかしこの「モヤモヤ感」だけは、放っておくわけにはいかないのだ。
ぜんたいつくばの人は、旧住民は、新住民は、開発業者は、行政は、どんな想いなのだろう。小生は、なにかできるだろうかね。何もわからないまま、書き連ねてみる。希望も絶望も、一歩踏み出すことからしか始まらない。
※今回の記事の周辺風景 by google map
大きな地図で見る
※地図付近の「学園の森」地区は、Wikipediaによればまだまだ開発されていくそうだ。
多分つくばだけじゃない。
日本全体が壊れつつある。
インチキさんの声は大地の声。
遠く離れた見知らぬ私の胸にも痛みが届きました。
日本に帰るたびに私も感じていました。
効率よく開発されていく町のチープさ。
絶対間違ってる。絶対間違ってる!!!
私たち日本人が求める豊かな暮らしってなんなの?
便利さと引き換えに失くしているものの大きさにもっと目を向けなくちゃ。
インチキさん、なんとかしようよ。
と、言ってもなにをしていいか私もわからないんだけど、
とりあえず昔読んだ本を思い出したので、お知らせします。
(もう読んだことあるかもしれないけど、
今私が思いつくことはコレだけなので。)
「On Good Land〜この土地がくれたもの〜
住宅に囲まれた郊外の農場“フェアビューガーデン”の17年」
もし必要で手に入らなければ言ってください。送ります。
サイトはこちら。
http://www.fairviewgardens.org/
心の叫びを分かちあってくれて、ありがとう。
多くの人に、インチキさんの声が届きますように!
昨日は都心で友人とランチをしながら、今後どこに住んで何をしたいかなんて話をし、日本でも随分有機野菜が進出して来たよね、都会なら高くても売れるしね、そのうち日本の農業は皆有機農法(一気に自然農になるのは難しいからね)になるかもね、それって地球にも人にも良い事だ、なーんて話を取り留めなくしていたのですが、でもその時の私は日本が良い方向に向かっていると「錯覚」していた事に、今気付かされました・・・。
本質から考える事はせず、ただトレンドに流される様に動いている多くの消費者。
そういう消費者をターゲットに金儲けしか考えていない多くの企業。
それに対して何も感じず、全く危機感を覚えない政府・自治体。
悲しすぎます・・・。
どうしたら変えられるか・・・。
個人的にはやはり教育と刷り込みしかないかなと思います。
思考、行動規範において、上述の人達とは異なる方法を取る人々が多くなれば、形勢は逆転するんではないでしょうか?
それとも、欲望は教育とはかけ離れたところで増殖していき、どう教育されても無駄でしょうか?
分かりませんが、国、教育者、親御さん達の役目は大切だと思います。
布教の様に、人々の気付きの為に、自分も声を出し、文字に表していこう、と気持ちを新たにしました。
雑草屋さん、ありがとう。
淡々と日常を過ごすのはとても大切な人の本能ですので私はそれは肯定しているのですが、どうしてもあの伐採現場の途中というのは気持ちが重くなってしまいましたので記事にしてみました。さてこれからどうなるでしょうか。
深刻さと心地良さをうまいこと化学反応させて、みんなが「これがいい」と(いい意味で錯覚して)判断してくれるようなアクションを探してみたいと思います。
私は元来怠け者ですので、「楽しくやる」と「無駄にはやらない」いうポイントだけは外さずに。
>jeannieさん
ご紹介いただいた本は初めて耳にしました。面白そうですね。
日本語版が手に入る機会があれば是非読んでみたいと思います。(英語でもいいんですが・・・(汗。) 何が起こるかなどわからぬ現代、つくばがこうならない、とは言い切れませんからね。
>Hanakoさん
コメントいただけたことで、時に
消費者=自分、企業=自分、政府=自分、教育者=自分、親御さん=自分、被教育者=自分
なんだということを再認識させられました。
変える=変わる なんだということも。
教育と刷り込みというのはおっしゃるとおりだと思います。絶対に正しい価値観もないのでしょうが、今はちょっと「消費経済推進」側や「自由・平等・権利」側がでしゃばりすぎているようには思いますので、ある程度カウンターをかます必要があると思っています。
Hanakoさんの声も少しずつ広がることを願っています。