しばらく前のことだが、つくし農園のプレーヤーたちに協力を請うて田んぼに鳥対策を講じた。今年は玉取地区に移ってからの二年目である。昨年はどうやら、一部の稲は除きとりたてての対策をすることなく稲刈りまでは持ち堪えた。TX効果覿面と言っていいかはわからぬが、住処と餌場を失って追いやられた(であろう)雀は、気のせいか随分と電線におとまりされているように見える。はてさて何をお狙いなのやら。
全国各地で展開される鳥と水田の攻防は自然農の田んぼももちろん例外ではない。つくばに来る前には、2004年にはこの攻防、2005年にはこの攻防と、その時その場所に応じて対策をうってきた。つくばに移ってからは、放って置けば全滅というような被害はなかったため、稲刈り前に鳥避けネットを張るような積極策は必要としていない。そして2009。
自然農、つくし農園の田んぼは、プレーヤーの差異、作付の種類などによって多種の稲が点在している。早生、晩生、長幹種、短幹種、モザイク状に作付されており、ある箇所は10月のこの時点で収穫目前に実り、ある箇所は最晩生の12月の収穫を待つモノありといったところ。
そんななか9月中ごろ、長幹種の早生、黒米がまずターゲットとなった。背丈が高く、その茎にスズメが止まりやすいのも手伝ってか、特に畦道の雑草と混在するあたりから目に見えて稲穂が食べられていく様が観察されてしまった。
続いては早生のうるち米。ご自身で苗を用意されたプレーヤーの方(Tさん)が植えたその区画は他のプレーヤーと一線を画して実りが早い。そのため、早生黒米に吸い寄せられるようにか、スズメはお隣のうるち米をも狙い始めた。
【スズメの啄ばんだ跡、地面に籾殻が散ばっている。】
このままではどこまで食べられるかわからない。かくして、被害がこれ以上広がらぬよう、今年の対策を実践することにした。
農園での作業様子は「つくし農園Blog」に詳しくある。今年はネットはまずは張らずに、鳥避けのキラキラテープと、毎年お世話になる案山子の二重策で静観してみる。なるだけ手を加えず、資源を持ち込まずが理想の自然農。でき得ることなら石油素材のキラキラテープのお世話にはなりたくなかったのだがこれもまた、自然の「摂理」の中の人間の在りようでもある。悶々。この後の様子をみて、ネットの有無を判断する。願わくば、ネットの世話にならないよう。
テープを張って一週間、今のところ、効果は抜群の趣き。どうだこのやろう。