注)記事の日付は太陰暦を用いております

2006年03月05日

ご法度

如月五日 晴れ

 この週末は江南で過ごした。田んぼと畑の後始末をする週末。「焼畑」を楽しんでしまった週末。

 060305yakihata

 自然農ではご法度(優しく言えば「できればしないほうがよい」とされる)とされている農作業がいくつかある。「耕すこと」、「農薬を使うこと」、「化学肥料を使うこと」、「雑草を抜くこと」などなど。それは何故かと問えば、答えは「田畑の生命活動を豊かにする」という大きな目的に沿わないからと言えるだろうか。野菜、雑草、昆虫、微生物、バクテリア、動物、人間、という田畑にかかわる生命体がおのおの活発に生きながら食糧生産という大目的を目指すのが、自然農であるから。
 
 さて、そのご法度のひとつに、「焼畑」もあげることができる。古くから農業の重要な手法として用いられてきた「焼畑」であり、農学素人のインチキ百姓が反論しても始まらないのだが、耳学問をまとめるとこう考えられる。


焼畑の効果について

効果@→雑草類の焼却
    →灰は栄養となる。また、種も焼かれることで雑草が抑えられる

効果A→多くの土壌微生物の死滅
    →生き残った微生物が異常事態を平均化させようとしてより活発に活動
     →土中栄養分が通常以上に分解され作物成長が促進される

 以上を是とした上で、あえて考えてみる。効果Aのように土中の栄養分が通常より吸収されるということは、そのぶん比例して土が痩せるということを意味しており、焼畑をした農地は、その後に外部から肥料を投入するか、数年休ませて自然に回復するかを待たなければならない。つまりは焼畑をした直後の生産量はあがるものの、数年周期もしくはエネルギー投入量を比較して考えた場合に、効率的な方法と言えるのかどうかは単純に判断できないと考えることもできる(もちろん農学的に立証したわけではありません)。

 インチキ百姓の雑考は置いておいたとしても、雑草や微生物、はたまた昆虫類も死に追いやる「焼畑」は、生命をひとつのキーワードとして掲げる自然農の手法として好まれざるものだというのは容易に理解していただけるのではないだろうか。


 さてさて江南の畑の話。残念ながら小生の移動の後に引き続き「自然農」にて田畑を管理できる方がいない為、地主さんに土地を返すことになった武蔵野自然農園。その一部は、小生が管理しきれずに雑草の生えるのにまかせてしまっていた箇所もありました。そこはもちろん作物も育てず、ただただススキやセイタカアワダチソウに占領されてしまっておりました。そんな中、地主さん言葉の中に、移動する前にまたキレイに一度してくれないかというものがあり、それはある意味で焼いてもらいたいという含みでもありました。

 …ええ、そうです。焼畑しましたよ。手際よく、ボウボウっとね。三つ子の魂百まで、幼い頃親父と一緒に自宅の隣の雑草地を燃やした原体験の「楽しさ」は確かに存在していました。二酸化炭素の排出だろうが条例違反(かな?)だろうがそんなもんは構わんのです。またひとつ、原罪を背負って新たに自然農に取り組むことを胸に誓った、そんな収穫の一日だったということです。


posted by 学 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 自然農のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
感慨深く読ませていただきました。
私も焼畑って原始的な方法なのに自然破壊に繋がっていると聞いたことがあってすっきり理解していなかったのも勉強になりました。ありがとうございます。

ところで前フリだけしておいて、この休みにインチキさんのところへ出かけることは出来ませんでした。ごめんなさい。筑波の方が盛り上がってきたら遊びに行かせてくださいね。そしてお時間がありましたら是非シャロムにも来てください。
Posted by yoyo at 2006年03月08日 14:17
yoyoさん

原始的=持続可能的だったり、原始的=自然破壊的、という公式は実はないんですよね。その時その時で最良だと考えられて試行錯誤の上の方法が取り入れられてきただけの歴史ですよね。そうした歴史が結果として、ネイティブアメリカンの7代先のことを考えて行動する文化だったり、灌漑を整えてしまったがゆえに農地がやせてしまった古代文明だったりするわけで。そして我々は、今の時代を背景として何を選択するかということなんだと思います。

シャロムにもまた行きたいな〜。
Posted by インチキ at 2006年03月17日 03:10
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