朝から、ポケット辞書を尻に挟んで田畑に向かった。耕す、化学肥料、昆虫、雑草、農薬、情けないほど英単語が出てこない。自然農は、shizen-nouとそのまま話すことにした。ええい、予習完了。
今日は、農園のプレーヤーSちゃんが、友人のレズリーを連れて遊びに来てくれた。イギリスから観光で日本に来て、貴重な十日間の一日を自然農の農園を見に来てくれるのだから、存分に楽しんでもらわなければならんのだ。
大学を卒業して6年というのは言い訳にしかならないが、農学を英語で読んだこともない小生に、自然農の真髄を伝えきるのは無理という話。だが耕さないこと、虫も草も敵としないこと、肥料も農薬も使わないこと、そして何よりも、自然農の田畑がかもしだす生命感が伝わればそれでよいのだと思う。それは、小生の足らない言葉ではなく、分蘗豊かな稲株を刈り、雑草を掻き分けて種まきをし、柔らかい土の中からサツマイモを手で掘り出すことで十分に伝わったのではないかな。草と虫とともに育つ大根、ゴボウ、サトイモたちが、自ずから語りかけてくれたのではないかな。
初めての海外からのお客さんということで実は少々気負いすぎていたのは否めなかったが、レズリーのフランクさに助けられて、結局はいつもと同じようにマイペースで案内することができた。もちろん有能な(否、完璧な)通訳がいたおかげではありますが。決して自然農を求めて来たわけでなく、日本でのユニークな農体験として来たイギリスの女性を、特別の目的を持って招くわけでもなく、なかなか面白い取り組みだろうとちょっとだけ胸を張って招く。「わたしの庭の野菜たちもshizen-nouで育てられるかな?」という彼女の言葉が、何よりの喜びなのかもしれない。
つくし農園の多角的経営方針のひとつに、海外交流も付け加えることに、、、なるか??

Big thanks to S-chan, and nice to see you Leslie! Hasta pronto!
※自然農の英訳について
EICネット(environmental information & communication network)では、自然農は「natural farming」として訳されています。もちろんこれで十分だと思っていますが、色々な含みもあることを承知で今日は「shizen-nou」とそのまま伝えることにしました。特に他意はありません。