注)記事の日付は太陰暦を用いております

2007年01月25日

ないない

師走七日 晴れ




 自分はTVの前で座っているだけで、世の中に甘いことは「あるある」と期待して、裏切られたと怒るその崇高なる姿勢には頭が下がる思いがします。それにしてもたかが納豆である。納豆が全般的に健康に良いということはある程度の事実であり、それに少々付け加えてダイエット効果があるかないかという話に期待して裏切られたからといってなんなのか。その報道が「捏造」だと鬼の首を取ったように扱うマスコミや、良心的意見のオンパレードには辟易させられてしまう。小生はその番組をあまり観てはいないが、毎週ごとに異なる食材や栄養素をテーマに挙げて放送してきたことは知っている。単純に1年72週としても、それほどの数である。自分が知っている食材を72も挙げられる人がどれだけいるだろう。ましてや、それが何年も続いた長寿番組である。
 「捏造」は許せないと言うことは簡単である。嘘をつくのはいけないと思いまーす、と。しかし、単なるTVの前の情報を「真実」だとして、何のリスクもなしに期待(もはや信仰とも言える)した納豆フィーバーの実践者が、いったいぜんたい何の不利益を被ったのだろうか。馬鹿みたいに納豆買っちゃったのに全然痩せないなんて損した、なんてのは不利益ではない。そんなお馬鹿さんは何をしても痩せられないのであり、逆に納豆食べて健康になってるじゃないの。そもそもダイエット効果を一食品に期待(もはや妄想とも言える)すること自体、本当に信じているのだろうか。いや、薄々はわかってはいるのだろう。わかってはいても、TVの情報に反応する自分を抑制するすべを忘れてしまっているか、TV情報に反応するのが習慣化しているのに気づかないままでいるのだろう。そしてもっともっと本音を覗いてみるならば、効果などあってもなくても構わないことを半ば確信しながらその情報を消費しているのである。心のどこかで『騙されてもいいや』と自分を甘やかしながら。でも当たってたらラッキーじゃん、とタナボタの欲求を全肯定しながら。

 報道では9200件(2007年1月24日時点)の苦情が関係者に寄せられたとされているが、苦情の発信者はフィーバーの実践者なのだとすれば、その苦情がいかに馬鹿馬鹿しいことか。まるで安っぽい結婚詐欺師とその被害者、いや笑えないという点ではそれ以上に滑稽ではないだろうか。ましてや高額高級食材ではありませんよ、納豆ですよ。

 もちろん苦情の矛先は納豆ではなく番組制作者であることはわかっているが、それにしても何をそんなにTVに期待しているのでしょうか。「あるある」の情報それ自体を信じて利用すること、さらに消費活動を行なうことが問題なのではない。普段踊らされていることを自分の都合で忘れきっているのにも関わらず、いざ踊らされていることに気づいてしまった時に恥じらいもなく声を上げて非難する了見がわからないのだ。しかも当人はそれまでにノーリスクで、ほのぼのと利益(本人が番組をみてそして消費して満足した(?)と言う点では紛れもなく利益といえる)を存分に味わっておきながらである。信じて楽しんだ時点で、せめて踊らされてもいいと覚悟しておく。もしくは堅実に、踊らされることを選ばない。マスコミとの距離は、それくらいが調度いいと思うのは、少々悲観的過ぎるのかな。

 苦情の発信者がフィーバーの実践者ではなく単なる偽善的なクレーマー(クレームを趣味とする方々)であるなら、小生の憤懣は杞憂に終わるわけでそれに越したことはないのです。ましてや、そうした熱情こそが正確な報道番組というものを存在せしめるのに有効であるのだとすれば、今回が轍となることを願って止みません。

 こうしてBlogの記事にしている時点で、小生とてこの「あるある」事件に踊らされているのです。マスコミの半分は虚飾だと割り切った方が良いというようなことを嘯いているその刀でこの報道に反応してこうして自分の感情を撒き散らしているのだから。

 勝手に期待しておいて期待が外れたときに騙されたと怒り出す人たちの世の中を、自分なりに「期待性民主主義」と名づけていますが、これほど恐ろしく生きにくい世の中はないと、本気で思っているのは小生だけなのかな。


 踊らされず脅されず踊る

 本旨は違えど、恩師、故秋野豊先生の言葉が耳に残るのです。



 いけない。本当は、「自然農やってれば健康なんか楽々手に入るのに」と宣伝するつもりがこんな愚痴になってしまったよ。とほほ。




<あるある大事典>「納豆ダイエット」はねつ造 関西テレビ
1月20日19時17分配信 毎日新聞

 関西テレビ(大阪市北区)は20日、今月7日にフジテレビ系で全国放送したテレビ番組「発掘!あるある大事典2」で、事実とは異なる内容が含まれていたと発表した。「納豆を食べるとダイエットができる」との内容だったが、研究者のコメントや被験者の検査データをねつ造していた。同テレビは社内に調査委員会を設け、原因の究明を行うとともに過去の放送分についても検証を行い、番組を継続するかどうかを含めて検討する。また、21日午後9時から放送予定だった同番組は、テーマは納豆ではないが放送を休止し、後ろの番組の「スタメン」を1時間前倒しし、冒頭で一連の経緯を説明する。
 同テレビによると、
(1)被験者がやせたことを示すのに別人の写真を使用
(2)米の大学教授の発言の日本語訳の一部をねつ造
(3)被験者の一部の中性脂肪値が正常値になったとしたが、測定せず
(4)納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつ食べた場合の比較で、被験者の血中イソフラボン濃度の結果をねつ造
(5)被験者の血中のDHEA(ホルモンの一種)量検査のデータをねつ造、また、許可を得ずグラフを引用
――していたことが分かった。
 千草宗一郎社長は「報道機関でもある放送局として、視聴者の信頼を裏切ることになった。誠に申し訳ない」と謝罪した。


 同番組は関西テレビの社員2人と番組制作会社「日本テレワーク」の4人がプロデューサーを務め、テレワーク社の取締役1人がコンプライアンス(法令順守)担当者になっていた。実際の取材は孫請けを含む9チームの番組制作スタッフが行っていたが、どのチームが担当していたかについては「調査中」として明らかにしなかった。
 今回の問題は、「週刊朝日」の取材をきっかけに同テレビが調査を行い、明らかになった。
 健康ブームを背景に健康をテーマにした番組は増える傾向にある。「納豆」の回でも全国の小売店で一時納豆の売り切れが相次ぐなど、社会現象となった。そんな中で起こった今回の不祥事で、改めて放送倫理のあり方が問われそうだ。




posted by 学 at 23:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 本質を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「きっこの日記」を読むとよろしいね。
1月22日のやつね。
こういうとこが、インターネットは、いいね。
・・まあ、とはいってもね、テレビきらいだし、民放の番組は、自分から見たことも、信用したことも、ないけどね。
Posted by ほほほね at 2007年01月26日 01:23
いや、大変的を得ているコメントだと思います。世論がそういう解釈ができた時、民衆のレベルは格段と上がるはず。
Posted by tsuyoshi at 2007年02月08日 06:34
おっといけない。
1月22日は、ミラーサイトの「きっこのブログ」での記事の日付で、「きっこの日記」だと、1日早い、1月21日の記事になるのかな。タイトルは、『テレビを信じるナンミョー予備軍たち 』です。しつれいしました。
***
「デジタル・デバイド」という英語の表現を初めて見たのは、6年ほど前のことでしたけれども。・・で、最近は、『情報デバイド」だとおもっているんです。わたしは。まあ、そんな言葉、ないけれど。
それでね、おそらく、そう長くない先にね、こういった差が、多分、なんらかの社会格差を、生み出していくだろうと、わたしは、おもっているんです。そう遠くない、未来にね。。。
Posted by ほほほね at 2007年02月10日 01:18
>ほほほ将軍

お話のブログ?日記?をナナメ読みしてみましたが、なんというか、ヨクワカリマセンでした(笑)。感性か、趣味か、その辺りの「好き嫌い」に関わる部分になるのでなんとも言いがたいのですが、あんまり自分の好みじゃないのかもしれませんね。

デジタル・デバイドは事実といえば事実でしょう。ただ、生きる上でそのデバイドが重大だと思い込むと重大になるでしょうし、そんなことは小さなことだと思えば小さくてすむような気もします。格差でも社会不安でも、それを乗り越えるものは「情報」ではなく、知恵や思考や性根といった地に足のついたものではないか、と。
結局は、どんなことでも「与えられる」姿勢をとり続けていたらいかなる格差だろうと乗り越えられないように思え、自ら歩く人生であれば、たとえ結果がいわゆる格差であったとしても悪くないと思えるのではないでしょうか。
と、若輩者の希望的人生観です。


>tsuyoshi
コメントありがとう。誰ぞやの結婚パーティー以来かな?イチ民衆として、レベル上がりたいよホント。日本に来るときに時間があったら連中と一緒に遊びにきてくれい。
Posted by インチキ at 2007年02月16日 12:14
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