今年は庭の2本の梅が、驚くほどの当たり年を迎えている。
先日収穫していた青梅が冷蔵庫の中で少しずつ黄色みを帯び、庭には完熟梅が毎日のようにポトリポトリと落ちはじめた。痛んだ梅はヤギにあげて、大丈夫そうなものは拾い上げる。梅は青梅では少量の毒成分の為に生食は避けられるべきだが、自然落下するほど熟した実は、手に取っただけでスモモのような香りがたち、現に皮をのぞいてかじれば甘さ控えめの梅の果肉をなかなか美味しく食べることもできる。とはいえ、折角の梅は、なにはともあれ加工に限る。
農作業が目白押しの最中、気分を変えて終日、梅の加工を楽しんだ。毎度お馴染みのオーソドックスな梅酒(梅の焼酎漬け)は、愛用している35度の玄米焼酎に放り込む。今年初めて挑戦してみるのは、純米原酒(日本酒)に漬け込む梅酒と、梅味噌ドレッシング。そしてことし一番気合を入れているのは、豊作につき計4kgを仕込むことにした梅干。その他にも、梅サワー(梅を酢と砂糖で漬け込む)やカリカリ梅干しは先日の青梅の時点で既に瓶詰めを終えている。今日の作業の後にもまだ梅は残っており、あとのレシピは梅肉エキスと梅ジャムにでも挑戦しようかと皮算用しながらの一日。
アク抜きとヘタ取りを日中に。順々に加工は夕刻に。結局今日は計5kg弱の梅を仕込み終えた。
焼酎や日本酒、塩や砂糖などの補助食品や、加工時の消毒に使うアルコールなどは、もちろん自給できているわけではないが、庭になった梅を、なんとか手を加えて、保存食や加工食品として利用する。それならせっかくだから、自然素材に近い材料を選んで。これくらいが、今の自分達にできる身の丈にあった自然との共存スタイルだと思う。参考までに、利用している材料を。
【焼酎】:特製玄米焼酎35度(小正醸造)
いわゆるホワイトリカーではなく、丁寧に作られた本格焼酎、しかも加工酒用に度数を高めたもの。庭の梅の実だからこそ、無味無臭の工業製品的なホワイトリカーではなく、より素材の滋味をひきだすような焼酎を選んでいます。
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【純米原酒】:梅酒用純米原酒20度(富久錦)
梅酒は、焼酎やブランデーなどいわゆる蒸留酒でつけるものだと思い込んでいたが、今年は日本酒でも漬けてみることに。その中でも、特にこだわりを持って梅酒用に造られた純米酒を見つけました。
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【洗双糖】
砂糖についてのチョイスは様々。普段から小生は調理に加工にこの洗双糖を利用している。黒砂糖ではコクや雑味がすこし多すぎて、白砂糖は使用したくないような時、精製されすぎていないこの洗双糖は、甘み、コクともに優れていて愛用しています。
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※様々な砂糖の違いについて⇒黒砂糖、白砂糖、洗双糖、三温糖の違い
【自然塩】
精製塩はなるべく使わないようにしています。今ではあら塩などの名前でどこでも買えますが、安いものは海外製だったりもします。海に囲まれた日本で、わざわざ塩を運んでくるのもなんなので、できるだけシンプルな製造法で海水からそのまま作られたようなもの、かつ手ごろな値段で買えるようなものを使っています。塩や砂糖は長期間保存がきくので、買い物先で安くて良品を見つけたら購入してストックしておくのが小生のスタイル。
理屈をこねくり回すよりも、実際に手を動かして、作って、待って、食べて、楽しむ。これこそが加工食品の醍醐味であるのは言うまでもない。