注)記事の日付は太陰暦を用いております

2013年07月04日

音色

皐月廿六日 曇り時々雨

第三十候: 夏至 末候
【半夏生(はんげしょうず)】
=からすびしゃくが生える=
 (新暦7月2日頃〜7月6日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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 先週の日曜日、話す・聴く・気づきのワークショップを終えた。
 4人の参加者と共に、テーマを「音」に据えての4時間半を過ごした。

 テーマについての考察がどうこう、知識がどうこう、というよりも、このワークショップが常に包括する性格の通り、自分の生き方(あるいは人生の楽しみ方)について想いをめぐらすことになった。

 ワークショップの進行上、いつもの開催では映像などを使用することはないのだが、今回は導入に、ジョン・ケージの作品「4分33秒(原題 4'33")」の、とある演奏映像を流した。小生自身もこの演奏の映像をきちんと観るのは初めてであったが、かつてこの演奏の話を聞いたときの印象も含めて、今回のテーマ開催をするにあたってきっかけのような映像でもあり、アイスブレークに使用してみた。

 演奏についての詳述や感想は控えるが、ジョン・ケージの4分33秒とは、大雑把に言えば「無音」の演奏である。しかしそこには「無音」という音があり、そして聴衆の音があり、はたまた映像としてみるときにはその場の音があり、そして最も大きな存在は、「音楽とは何かという問いかけ」であるように、思われてくる。

 ワークショップでは、この映像を視聴し、その後いつもの「話す・聴く」時間を過ごした。庭に鳥の声、途中からは草刈り機(刈り払い機)の操作音、風鈴の音、そして断続的な会話と、少々の沈黙のうちに時間が過ぎていった。会話は「聴覚」から「音楽の発祥」、「現代音楽の問題点」やら「自分にとっての音とは」など、普段そこまで込み入って考えることが少ないことまで、様々に広がりをみせた。

 今回印象的だったのは、沈黙がいつもよりも「平穏」なことだった。このワークショップでは沈黙もまた意義があるとして、日常会話で頻繁に取り入れられる「相槌」や必要以上の「話題提供」などから解放されてみるという仕掛けがあるため、時に数分単位での沈黙が場に訪れることがある。もちろんワークショップとしてそれは何も問題ではなく、むしろ歓迎されても良い「ポジティブ」な時間なのだが、参加者によっては不自然さや不安感を覚えて、何かしらのソワソワした空気が場に産まれることもしばしばである。
 しかし今回は少し印象が変わった。ジョン・ケージ作品の映像のせいか、はたまた参加者がいつもよりも耳に意識を傾けてのせいか、時折の沈黙も不自然ではなく過ごされているかのように見えた。大げさに言えばそれはそれでひとつの意味あるコミュニケーションであり(それは常々このワークショップで小生が感じていることなのでもあるが)、もっと言えば演奏であるかのようにも思えてくるのだった。
 そんなことが頭に浮かぶようになるうちに、後半の途中から参加者の方々の声の交わしあいに目を閉じて耳を傾けていると、人の声の音色やタイミングの掛け合いがまるで交響曲や、ジャズの即興曲のライブのようにまで、聴こえはじめるのだった。決して大袈裟ではなく。

 途中、ゲストの井上さんから、「音楽の根源的な存在のようなものは何か」というニュアンスの問いかけがあり、その時は漠然と、小生の中には答えのようなものは出なかった。しかし今思い返すと、この耳を澄ましての「声の掛け合い」つまり、ゆっくりとした「相手の声の音色や抑揚にさえ耳を傾けてみるコミュニケーション」の時間が、もしかしたら音楽の萌芽なのであるのかもしれないと、直感的に感じられる瞬間が確かに存在した。その正誤はともかく。

 話す・聴く時間が、根本的にはテーマのない自由なワークショップでありながら、毎月のテーマをあえて設けることでこうした根源的な気づきに出会えることがある。それは毎月主催する側の、期せずして生まれた偶然の喜びでもあり、同時に、できうる限り他の方にも味わってほしい面白さなのだ。

 7月のテーマは「男女」。28日(日)、どんな出会いと気づきが訪れるか。
 普遍的なテーマだからこそ、あえて取り上げてみました。是非、ワークショップでお会いしましょう。

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第12回 話す・聴く・気づきのワークショップ =7月28日(日) 開催=
 今回のテーマは【男女(男性、女性、コミュニケーション)】です。
 参加者募集しております♪
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posted by 学 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 学びを知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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