
日曜日、雨戸の隙間が眩しいと妻に起こされ、外をのぞくとつくばに初雪が降りていた。うっすらと、ほわりと、おそらく雨から降り始めた深夜に、徐々に凍らせて重なっていったのだろう、白く、軽やかに積っていた。 前日に小田城址でのどんど焼き。自給自足で飾った正月飾りを持ちこみ、まさしく天まで突きそうな火柱の中に燃え上がり、体を照らし、餅を焼き、正月気分を落としてきた。

どんど焼きで火照らせた体もすっかり冷えた翌朝、娘と小生は、半分やけになりながら雪だるまをつくりに庭に出た。綿雪は手に残らず、なかなかまとまらない。案の定、娘はすぐに諦めてしまい、誘い水しながらなんとか雪玉を転がすが、遅々としてダルマは膨らまない。半ば喧嘩になり、根を上げた娘は部屋に戻り、小生が一人で手のひらサイズの大小2つをやっつけて、雪遊びは終了した。娘はまだまだ、花より団子、雪より味噌汁。それはそれで頼もしいのである。 夕方、すっかり晴れて雪の消えた頃に、これまた娘と庭に躍り出て、やおら秘密基地制作に乗り出した。秘密基地とはいうものの、庭の丘のど真ん中に、櫓のように鎮座しているので決して秘密ではないのだが、なにしろ子供は秘密基地の語感が良いそうなのである。これまた娘をなだめすかして、時折サッカーをし、時折探検ごっこをし、1時間ほどを費やした。至ってシンプルに、ブロックと組み板で床を敷き、竹を組み、笹竹と稲藁で壁と屋根を囲って、まるで縄文式な四角錐の秘密基地が出現。断じて秘密ではないのだが、「立てば顔が隠れる」という攻守逆転の発想で、なんとか「秘密」に寄せて納得してもらった。
できたらできたで娘は一人で基地で遊ぶでもなく、お腹がすいたと家に戻っていく。やはりまた、娘より父親が楽しんでいたという話。

どんど焼きの櫓が燃え落ち、残り火でみんなが餅を焼いていた時に、一枚シャッターを切った。年神様か火の神か、筑波山の山神様か、なにやら降りてきたような気がした。

今年も、無病息災でありますように。
無病息災でありますように。
ありがとうございます!何はともあれ無病息災!