注)記事の日付は太陰暦を用いております

2014年08月30日

田畑の自然治癒力

葉月六日 曇り時々雨

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 ぎっくり腰が緩やかにほぐれていく間、田畑からしばらく離れてしまい、大豆も稲も里芋も一様に伸びやかに生育し、ついでに雑草の勢いも逞しく、いつものことながら自然の生命力に驚かされている。そんな中、今の畑は果たして、健やかな状態、健康体なのだろうかと、常日頃思い悩ませていることに、考えを巡らせてみた。

 果たして、自分の畑は、今健康だろうか?
 自然農の畑の理想的な姿とは、どんな姿だろうか?


 どんな畑であっても、一般的な農法であれば、機械で大規模に耕運して、土壌改良して、化学肥料や有機肥料を投入してしまえば、よーいドンで栽培していくことは可能だといえる。自然農では、(特に自分のこれまでのアプローチとしては、)そうしたよーいドンをあえて選ばないが故に、毎年の作物の育ち具合に一喜一憂しながら、果たしてこの畑で自然農で育てることは可能なのだろうか、と人並み(かどうかはわからないがそれなり)に悩んできた。

 その上で、現時点での自分の答えは、こうだ。

 「自然農の田畑は、自分の心の向け方次第で必ず、持続可能な田畑になっていく。」


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 耕さず、虫や草を敵とせず、農薬・肥料を必要とせず、命の営みに沿って作物を育てる自然農は、始めてすぐに劇的な変化を伴ったり、魔法のように誰でもうまくいく成功法がある訳ではない。あくまでも、「作物が育つ持続可能な状態」に向かう流れを、植物をはじめとする諸環境が自ら整え、その流れに乗りながら、人間が必要以上に手を加えすぎることなく、自然の恵みをいただくあり方である。いま向き合っている圃場(田畑)が、作物が育ちにくいという状態であるならば、それは流れが滞っているのか、手を加えすぎているのか、まだまだ人為を欲しているのか、いずれにせよ、「状態が整っていない」という症状を表現しているのだ。と考える。

 人の身体に例えてみると、人間が、悪習慣や諸要因の結果として現在「病気」を患っている状態に等しいと考えられるだろう。自然農を始める前の圃場が、農薬や化成肥料などを使用され大型機械で踏み固められてしまったために、本来整うべき自然の土壌環境が著しく破壊されてしまったとすれば、その田畑は言わば重病人のようだと言えるのかもしれない。 

 人間の病気に対して、現代医療が施す一般的な治療は、最新の検査や投薬、手術など、いわば対症療法である。同様に、「作物の育たない圃場」という病気に対して現代の一般的な農法では、大規模に耕運し、薬品で土壌改変させ、肥料と農薬を投入して、作物の育つ土壌を作り出そうとする。そのあり方は、何を選択するかというだけであり、「効果」があるという点からみれば、正しい選択だと言っていい。

 一方、「病気」に対しての自然療法的なアプローチはどうだろうか。身体の調子を崩して何かしらの症状が現れたら、食養を整え、呼吸や身体を正常にし、時に漢方などで治癒力を引き出してもらいながら、心健やかに過ごすことで病の状態から快方へ整えていくことを目指していく。そもそも身体は、命ある限り、自らを改善させていく力を内包している。それが、いわゆる「自然治癒力」である。

 自然農が本来有しているアプローチは、畑に生える草を診て、作物の育つ様を観て、植物たちや微生物たちが自ずから生命力溢れる環境へ向かう力に沿って手を加えていくというやり方である。時に、様子に応じて、生やす草を選別してあげたり、微生物が増えてくれるような有機物を加えてあげたりして、自然の持つ改善する力をサポートすることで、十分に作物が育つ状態(健康な田畑)に整えていけるのだと思う。それはさながら、「自然治癒力」を引き出して健やかな身体を維持していく、人体に対しての自然療法的なアプローチそのものだ。

 大切なのは、人体における「自然治癒力」を確信するように、田畑の「自然治癒力」を確信することである。そして、その治癒力と持続可能性を引き出せるような自分の手当て(関わり方)はいかにあるべきかを、問い続けることである。 その「問い」と「返し」は、蓄積もされうるし、経験を重ねて上書きされることもある。マニュアル、お手軽、効果的、それらのキーワードから開放されて、初心と積み重ねが同時に存在するしかないからこそ、自然農は面白いのだ。



 儲かるとか儲からないとか、ビジネス的においしいとかおいしくないとか、もっと戦略的にとか、面倒くさいとか、野菜が美味いとかうまくないとか、そういうの、関係ねーの。

 いつまでたっても答えがなく、でも最初から答えはあるようなところこそが、自然農の醍醐味なんだから!

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 さ、大豆の草刈りすっぺすっぺ。ジャガイモも、まだ間に合うのだけでも収穫すっぺー。




posted by 学 at 14:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然農のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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