この時期まで掘り残していた落花生は、連日の霜に葉茎ががすっかり枯れ萎れて収穫にひと苦労してしまう。株元をつかんで引き上げても、実が土の中に残ってしまってうまく取り上げることができない。引いて駄目なら、と株の下にスコップを入れて根ごとググイと持ち上げ、まずはあらかたを収穫し、それでもポロポロ土にこぼれてしまった実を拾い上げることになる。一株一株、面倒な作業ではあるが、収穫時期を遅らせた怠惰のツケである。
自分に返ってくるツケなら良いが、しばしば他人にも迷惑が飛び火するから申し訳ない。夜に朝に体の芯まで凍らす寒気に包まれだした今日この頃、いよいよ、と長い眠りに入らんと支度をはじめた彼をやぶからぼうに叩き起こしてしまった。

オハヨウ
噂には聞いていたが、生まれて初めて目にした、蛙君の冬篭り。霜柱が立つその畑の数センチ下に身を隠して、いったいどれほど暖かく過ごせるのかはわからないが、確かに、こうして、冬を越していくのですな。あまりにも早いお目覚めに、動揺したのか怒っているのか、微塵も顔を動かさず。動かず、跳ねず、だがはっきりと感じる生命力の塊。まるで死んでいるようなのに、確実に宿っている命の重み。とても、不思議な感触である。その重さに引きずられて、何もなかったように土をかけ、草を戻した。
どうかぐっすり、オヤスミナサイ。