注)記事の日付は太陰暦を用いております

2008年04月09日

南無三

弥生四日 曇り

 今日、報道によるとダライ・ラマ14世が渡米の飛行機のトランジットで成田空港に立ち寄る。チベットで起きている惨状が、いったい如何程の事態なのか寡聞にして把握できないが、決して目をそらしてはならない。自然農生活と、この惨状は、関係の無い出来事ではない。

 この時代、情報だけは椅子に座っているだけでほとんど手に入る。そこには、一部の真実と一部の息遣いと、そしてほとんどは思惑に左右された"報道"がある。中国政府が第2次世界大戦後にチベットに対して行ってきた政治、そして今まさに叫ばれているチベット人の声に対して、一人一人ができることは小さい。火事を消すことはできないにしても、せめて油を撒き散らしたりすることはしてはならないというのが現状である。




 話は変わって今日のコンビニでのこと。野良仕事の合間に寄ったコンビニで見かけた雑誌の話。自然農が、今の世の中のロハスブームの中でどんな位置を示しているのかは知らないが、いわゆる日本でのロハスブームの火付け役とも言われる月刊雑誌「SOTOKOTO(ソトコト)」の姿勢にはかねがね疑問を抱いていた。5年ほど前に創刊された頃にはいわゆる一般紙の中に「エコロジー」をうたう雑誌はほとんど存在せず、小生は諸手を上げて応援し、実際、当時の冊子はいくつか購入している。いつのまにかその内容にある種の「うさんくささ」が漂うようになってから、立ち読みはおろか手に取ることもなくなっていた。もちろん中の執筆者の中には著名人もいて、白眉のコラムを掲載もしている(これは書籍をたまたま購入してわかりました)が、全体に残る欺瞞的な雰囲気はなにかイヤな物であった。

 そんな今日、コンビニに並んでいたソトコトには、ついつい手にとってしまう文字が表紙を飾っていた。うろ覚えであるが、確か「報道では伝わらない中国の現実」とか「北京・上海のロハス最先端事情」などだったと思う。内容も内容であるが、今この時期である。雑誌社の事情は容易に推察できる。特集の後援はJALである。CHINAへの旅行者をオリンピックブームだけでは終わらせたくない飛行機会社は、魅力を引き出すのに必死なのかと馬鹿にでもわかる。タチヨミナナメヨミではあるが、写真カラーの特集記事は、まさにCHINAでロハスが広まりつつあるという記事ばかり。で、そんな素晴らしい都市に遊びに行ってみよう、といういうモノ。小生は訪問したことがないので断言することはできないが、どう見ても、数%といわれる高所得者層が素材の内容。どのメディアが正しいことを伝えているかなどはわからないが、半分腐った小生の良識でみても、かの国の経済的貧富の拡大、言論思想への規制、法治制度の混乱などは実際に起きていることであろうし、それが呼び水になってのあるいは農薬混入問題であり今回のラサ蜂起であることが推し量られる。雑誌の、その背景をあからさまに微塵も伝えずに、北京はエコバッグが流行ってきた、だの上海はこんなにエコブームなどと(もちろん詳細に差異はあれど)配信するその欺瞞ぶりに、背筋が寒くなった。もちろん、それも事実なんでしょう。それこそ捏造ではないんでしょう。が、しかし。

 ソトコト誌がお題目に掲げるロハスとは、もともとLOHAS、Lifestyles Of Health And Sustainability の略。文字通り、「健康かつ持続可能な生活スタイル」であるが、これが現行のCHINAにあると言えるのだろうか? 今そこにいる不健康で非持続可能な生活を余儀なくされている国の多くの人々に目を向けずに、お洒落でロハスな表層を特集するこの雑誌は、極めて非ロハス的であり、あらためて「うさんくささ」が露呈されたと思わざるを得ない。ロハスブームが行き着く先がこの甘ったるい雰囲気あるなら、全くもってゴメンこうむりたい。特集記事の数ページ後ろに、先日チベット支持を表明していたアルピニストの野口氏の連載(今号の特集とは全く関連のない内容でした)があった。野口氏に何の落ち度があるわけでもないが、皮肉に感じたのは小生がひねくれているせいだろうか。 


 話を戻す。自然農が拠点としている生活は、平和で混乱の無い世の中にこそある。そもそも百姓生活には、平時も戦時もない。農地さえ汚されなければ田畑で作物を作ることに専念するのが百姓の術であり現実である。とはいえ、いまや我々の生活は政治とは無関係に生きられず、遠くの出来事であろうが近くの出来事であろうが、良心に従って何かを願わずにはいられない。であるなら、今日この瞬間に日本に立ち寄ることを選んだダライ・ラマ14世へ祈りを捧げ、わずかでも当事者の事態が好転することを祈ることで自分を慰めるのである。

 今、中国政府が犯している過ちは、チベットや西方の自治区に限る話ではない。台湾、朝鮮半島、ひいては日本に忍び寄る恐怖につながっているというのは、現実とは言い切れないが、夢の話でもない。CHINAに住む皆さん、恥ずかしいと思ってください。あなた達の政府は何の罪も無いチベットその他に暮らす人々を不当に弾圧し、殺傷し、不自由な生活を強いている(と伝えられている)のだ。あなた達が悪いと言っているのではない。しかしあなた達の上に立つ政府なのだ。中国政府に非難の声を上げることは、中国政府下に暮らす人々を非難しているのではない。しかし、変えることができるのは、あなた達しかいないのだから。そして日本人である小生は、中国政府に対して全くの及び腰でしか態度を表明できない現総理を心から恥ずかしく思う。

 オリンピックに人生を掛けてきたスポーツ選手にとって、政治的理由でボイコットされるのは忸怩たる思いに駆られるだろう。せめて開会式程度にして競技には参加させて欲しいと思うかもしれない。小生もそう思う。中国政府の過ちを非難することと、オリンピック大会に参加できないことは本質的に全く関係がないのだから。今年の五輪が例えパリ開催だったとしても、チベット問題は見過ごしてはならないという点において。チベット人にしてみれば、生死をかけてでもこの時期に意思表明することで未来を築こうとしているのだ。その魂の叫びと、スポーツ選手の夢は決して天秤に乗せることができないのだから、同時に語ることはできない。


 混乱気味の記事になりました。南無三。そろそろ稲作りが始まる。



チベット危機に関する声

 …変化はあなたの心からはじまります

てやんDay!

 …電脳和尚なる人物のコラム



posted by 学 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 本質を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Dalai Lama talks in Japanダライラマ法王記者会見@成田 Part.1of5 編集無し
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Dalai Lama talks in Japanダライラマ法王記者会見@成田 Part.5of5 編集無し
jp.youtube.com/watch?v=y7YsBxqf7BM

全てを一つとして事の本質をありのままに見つめて
受け入れているのだと感じました。
法王の想いが皆に伝わることを祈って。
Posted by s at 2008年04月14日 22:55
お久しぶりです。
ソトコトについては同意。
先日、ラジオでソトコト編集長が出ている番組があり、そこで「折り紙をしている理系男性」について、「オタクみたいで気持ち悪いなあ(意訳)」という発言をしていました。
折り紙の文化や芸術性等に一切気付かないその発言にソトコトの表層性を感じました。
あの雑誌の存在意義は環境問題の窓口を広げるという一点にあると思うが、ここ3年ほどは購入していません。

ダライラマの亡命先である、インドのダラムサラに行ったことがあります。
そこで亡命チベット人と少なからず話しをしました。なんとか、今回のオリンピック前に一定の成果を得て欲しいと考えています。

Posted by furutani at 2008年05月04日 22:43
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