朝起きての日課は、空模様を眺めた後に視線を落として田んぼの様子を見ること。天気の様子で稲刈りの判断が必要であり、相変わらずスズメの様子も気になってならない。そんないつもの景色が、今朝はなんだか傾いて見えた。慌ててメガネを探してもう一度凝視する。
……崩壊。

万全に組んだつもりでまるで安心しきっていた稲架が、突っ伏すように転げていた。履くものも取り敢えず田んぼに駆け寄ると、竹竿が折れたでも支え木が折れたでもなく、きれいに横に流れて倒れている。犯人は風のしわざに違いない。風で倒れる程度にしか組めていなかった、小生の不手際である。
一人で直す作業というのもなかなか手の折れる作業であり、掛けた稲穂の束をひととおり降ろして脇に寄せ、もう一度最初から丁寧に組むしかない。ここで手を抜いたら、また同じことを繰り返してしまう。はたから見たら、どうしてそんなことしてるのか、機械全般に頼って安全に効率的に食べ物作って人生送ればいいのに、と思うかもしれない作業。まあしかたないか、目の前の米が美味しく乾いてくれる為だ。いつになく集中して2時間、久しぶりに汗をかいての農(?)作業となりました。

もう、倒れてくれるなよな。