注)記事の日付は太陰暦を用いております

2007年03月11日

原点

睦月二十二日 雨のち強風

わら一本の革命

 この言葉の発するメッセージは、海や空、そして大地を包んで、一つの哲学や宗教となって現代に届く。
 
 小生が取り組む「自然農」の世界観を凝縮して濾過して昇華せられたもの、あるいは原点が、福岡正信氏の放つ「自然農法」である。「何もしない」が出発点であり結論であり手段であり、無耕、無肥料、無農薬、無除草を原則とする、自然の道、無知・無為の道。小生は、この大いなる哲学に魅せられながらも自身の内側には取り入れきれず、尊敬を持ちながらもそこまでは徹せられないのである。そしてまだ、よく解っていないのである。
 自分の理解の少なさをひけらかしたくはないのでこの辺でやめておきたいが、川口由一氏を中心に広めてこられた「自然農」は、作物をできるだけ容易に栽培することを結果的な目的としたもので、いわば福岡「自然農法」をソフトランディングかつ、一般化させた見事な手法だと認識している。
 
 かくして書物や写真、映像の中で見聞したのみの福岡「自然農法」ではあったが、先日ついに、そのお弟子さんの実践の場を訪れる機会を得ることができた。百聞は一見に如かずなのである。そして、言うは易く行なうは難しなのである。畝作りや草刈り、苗作りなどを超えて実践される畑の姿。生中継の自然農法。その初対面が楽しくて楽しくて、身を切るような春雨の中、我を忘れて見てまわった。

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雑草とおぼしき草の中に、


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タアサイや水菜が可愛らしく育ち


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ゴボウの種が実を結び、大根が見事に背を伸ばす




 疑問、原点、工夫、混乱、発見、様々な煩悩を自分の中に種蒔きをして、見学した畑を後にした。実践されている方と今後とも連絡をお取りしながら、是非とも観察させていただきたい。


 Y田さん、ご紹介ありがとうございました。 
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2006年11月07日

visitor from UK

長月十七日 晴れ

 朝から、ポケット辞書を尻に挟んで田畑に向かった。耕す、化学肥料、昆虫、雑草、農薬、情けないほど英単語が出てこない。自然農は、shizen-nouとそのまま話すことにした。ええい、予習完了。

 今日は、農園のプレーヤーSちゃんが、友人のレズリーを連れて遊びに来てくれた。イギリスから観光で日本に来て、貴重な十日間の一日を自然農の農園を見に来てくれるのだから、存分に楽しんでもらわなければならんのだ。

 大学を卒業して6年というのは言い訳にしかならないが、農学を英語で読んだこともない小生に、自然農の真髄を伝えきるのは無理という話。だが耕さないこと、虫も草も敵としないこと、肥料も農薬も使わないこと、そして何よりも、自然農の田畑がかもしだす生命感が伝わればそれでよいのだと思う。それは、小生の足らない言葉ではなく、分蘗豊かな稲株を刈り、雑草を掻き分けて種まきをし、柔らかい土の中からサツマイモを手で掘り出すことで十分に伝わったのではないかな。草と虫とともに育つ大根、ゴボウ、サトイモたちが、自ずから語りかけてくれたのではないかな。

 初めての海外からのお客さんということで実は少々気負いすぎていたのは否めなかったが、レズリーのフランクさに助けられて、結局はいつもと同じようにマイペースで案内することができた。もちろん有能な(否、完璧な)通訳がいたおかげではありますが。決して自然農を求めて来たわけでなく、日本でのユニークな農体験として来たイギリスの女性を、特別の目的を持って招くわけでもなく、なかなか面白い取り組みだろうとちょっとだけ胸を張って招く。「わたしの庭の野菜たちもshizen-nouで育てられるかな?」という彼女の言葉が、何よりの喜びなのかもしれない。

 つくし農園の多角的経営方針のひとつに、海外交流も付け加えることに、、、なるか??

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Big thanks to S-chan, and nice to see you Leslie! Hasta pronto!



※自然農の英訳について
 
 EICネット(environmental information & communication network)では、自然農は「natural farming」として訳されています。もちろんこれで十分だと思っていますが、色々な含みもあることを承知で今日は「shizen-nou」とそのまま伝えることにしました。特に他意はありません。
 
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2006年08月25日

アンテナ

閏七月二日 晴れ

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神丹穂の出穂



 水田の出穂がホツホツとあらわれだした頃、つくし農園のプレーヤーさんの縁でまたひとり、新たな友人「ゆうさん」が遊びに来た。9月からマクロビオティックの勉強の為に渡米されるというゆうさん。前日に同じくつくば市の有機農業家の方にお会いし、つくし農園への訪問となった。

 いつのことでもそうだが、見学者を迎えるのは緊張ものである。自分の取り組みがいったい他者にどう映るのか、小心者はなにかと気も漫ろになる。自然農の様子が魅力的に映ることを目指して、これからも精進精進なのである。

 昼前に同行された有機農のご夫婦もご一緒に田畑を紹介し、ゆうさんとはランチを取りながら談笑。自然農とマクロビオティックの近しい関係性に思いをめぐらせる楽しい会談となりました。こうして何気のない日々に少しずつ広がりをみせる自分のアンテナに不思議な感触を覚えた一日。


楽しいマクロビオティック生活…ゆうさんのマクロビBlog


マクロビオティック…最近耳にするマクロビについての「いろは」はこちらから。
               (マクロビについては他にも検索すればズラリ!)
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2006年07月05日

主(ぬし)たち

水無月十日 曇りのち雨

 とにかく自然農を日常において生活していると、出会いにはこと欠かない。人間もさることながら、やはりメインは動植物となる。つくばに移って4ヶ月になるが、5年以上放置されてたという水田エリアには、主(ぬし)となって生活していたモノたちが、田植え前に草刈りを進めるごとに「せっかく居心地のいい場所を邪魔しやがって」と言わんばかりに挨拶に現われる。

 鳥たちはその羽で容易く飛びたち住まいを移していくが、そうはいかないモノたちもいる。蛇、ドジョウ、カエル、イモムシ、水田エリアの定番の彼らであるが、ここ最近で一番驚いたのが、彼だった。

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 写真を↑クリック↑して真上からの姿もどうぞ。

 
 現在、捕獲して紐で括って生態調査中。どうやら雑草ジャングルがお気に入りのよう。一番大きいこやつは、甲羅の大きさで文庫本ほどであり、手にとるとギョッとするほど大きい。その他にも小型サイズが2匹以上見つかっており、家族なのか恋人なのかはともかく、生活をしていることは間違いないらしい。農薬使って、耕運機で耕して、雑草一本ない水田で、果たして彼らが生活し得るだろうか。こうした出会いが増えるたびに、自然農の懐の深さをまた知ることになる。

 ただ今の、彼の呼び名は亀吉君。現在愛称募集中。
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2006年07月03日

収穫の先に

水無月八日 曇り

 畑の中で一番早く、インゲン豆が実をつけだしている。インゲン豆は育てるのはなかなか簡単で、自然農でも良く実をつけやすい野菜のひとつである。場所があると、ついつい種を蒔いてしまうこともしばしば。とはいえ小生、インゲン豆をおいしく食べる料理をあまり知らず、味噌汁や茹でて胡麻和えなどバリエーションが少なく、採れたはいいがはてどうしたものかと困る野菜のひとつでもある。


 ところで、田畑から歩いて数分のごく近所に(つまりは家から数分であるが)、素敵なくつろぎ空間がオープンした。フランスの農家レストランで経験を詰まれた永野さんご夫婦が営む農園カフェ「ピクニック」。地場の旬の素材を使ったランチボックスやサンドイッチなどをメインに、ケーキやデザート類も揃えており、開放的なオープンテラスに腰掛けて食べていると、心地よさ満点の休息時間をとることができる。「つくし農園」でも小生が多分にお世話になっている「ルーラル吉瀬」の一角、ブルーベリー園の入り口にあってベリー園の受け付け業務も兼ねて営業されており、ブルーベリーを使ったデザート類も嬉しい。

 オープン前に幾度か顔を合わせたりした縁で、自然農のことや農家レストランのことなど立ち話を交わす機会もあり、今後も仲良くさせていただきたいと(勝手に)期待させていただいています。週末、オープン祝いを兼ねて収穫したばかりインゲン豆をお持ちすると笑顔いっぱいで喜んでいただき、「早速明日のメニューに使いますね」と嬉しいお返事が返ってきた。翌日、舌なめずりをしてサンドイッチセットを注文すると、サイドメニューの一品に、我が農園のインゲン豆が見事に居座っておりました。

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 家に持ち帰って、ついつい撮影会。豚のしょうが焼きバーガーに、サツマイモのサラダ、そしてインゲンと玉葱のトマト煮。味の美味しさは言うまでもなく、こうして素晴らしい料理となって生まれ変わる喜びに、しばし興奮さめやらず。

 自分一人の消費で終わることなく、その次の喜びにつながる自然農へ。これからのテーマを膨らませてくれる、素敵な出会いとなった「ピクニック」さんに大感謝。
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2006年01月09日

いざ出陣

師走八日 晴れ

 東京に出たり、部屋に引きこもってたり、のんびりとした連休を過ごした。自分の成人式を思い出してみたが、確かな記憶は残っていなかった。当時の自分は何を思い、何を感じていたのか。年を経て醗酵を重ねた今、あの頃からは全く考えもしない自分がここにいる。

 さて、ここ埼玉県北の江南町から、この春を目標に、古巣「つくば市」へ移動する。

 つくば市は、学生時代に5年を過ごした土地である。昨年8月につくばエクスプレスが開通し、東京からのアクセスが今まで以上によくなったと共に、従来の研究学園都市というイメージから、新しい田園都市生活スタイルというイメージへと変わりつつある。その田園都市生活スタイルという得体の知れない雰囲気と、自然農のある生活スタイルをマッチングさせて「つくば」のまちに何かしら貢献できないかという試み。

 その試みに向けて、新しくBlogをオープンすることにしました。

 「つくば“自然農”スタイル 開拓史」

 詳しい内容は、実際に遊びにきてのぞいてみてください。もちろんまだまだこれからなのです。ドキドキドキドキ。
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2005年11月13日

午後の訪問

神無月十二日 晴れ@つくば  

 前日、大学に遊びに帰った。学部の後輩、同輩、先輩諸氏と体を動かし、肝臓を痛めつける。久しぶりの筋肉疲労と、久しぶりの一気飲み、毎回思うけどやめられんのう。

 翌日、酔いつぶれた末に友人宅の暖かいベッドの上で昼を迎えていた。つくばのこの時期は、毎年変わらずキャンパスを紅葉が取り囲み、誰もが秋の深まりを五感で感じることができる。今年もよろしく色づいており、用もないのに校内にハンドルを切ってしまう。

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 紅葉のシャワーに満足した午後、雑誌でみかけて気になっていた、自然に優しくおいしく取り組むお店等をめぐってみた。

 一軒目は「ルーラル吉瀬」。代表の根本さんにお会いして、つくばでの取り組みを伺うことができた。グリーンツーリズムって一言では表せないけどつくばの農的資源と都市的住民が交流していくことに面白さを感じているというお話は、とても素直に耳を傾けることができた。農業、食糧生産、そういううくくりではない、「人」と「農」のつながり。別段真新しいわけでもないだろうけど、第二の故郷と思っている場所で、こういった取り組みが広まっていくことってなんだか嬉しいんだな。これからも色々勉強させていただきたい、そんな場所との出会いだった。

 ルーラルの施設を案内していただいて遭遇したのが、「おうち展 by kise_renaissance 」。吉瀬地域に残っていた古民家を、楽しみながら再生していこうというプロジェクト。紹介してもらったメンバーは、筑波大学在籍の学生さんたちであり、身の丈にあった参加の仕方で過程を楽しむというスタンス、力の抜け方が、好印象でした。大掃除で出てきた年代物の古道具、民具たちは、「骨董品」などという肩書きを与えられることなくなんとなしに欲しがる人たちの手にゆだねられてゆく。今度、農具の「出土」があったら、是非とも財布を持って駆けつけたいとついついよだれが垂れる始末。

 日が落ちてお腹が空きだした頃、車を西に飛ばし、菜食レストラン「りっつん」へ足を運んだ。HPから引用すると、『りっつんのお料理は、魚介類、肉、卵、乳製品など動物性タンパク質をまったく使わない、雑穀・野菜・海藻・乾物・豆類を使った栄養バランスのとれたお料理です。』 楽しみに訪問していただいた初メニューは、休日にお得な「ホリデーメニュー」。玄米ごはんからオカズ、スープ、スイーツまで、全てが美味しさ工夫の料理。これこれ、これが食いたかったという満足の内容でした。そろそろ、自分でもこの辺の料理作りたいよなあ。これもまた、ありがたい出会い。つくばもオモロクなってきましたな。
 

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やっぱ秋はええねえ。
 
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2004年10月18日

優しい色

長月五日 晴れ
 
 秋草の いのちをうつす 草木染め

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 先日の丸太取りで出会った陶芸家、森下彰太さんの紹介で、染織家の佐々木悦子さんに会った。丸ヶ崎の田んぼに程近い住宅地に自宅兼工房を構える素敵な女性。全くの素人である小生の訪問を気軽に受け入れてくれて、さっぱりと小気味良くご自分のスタイルと草木染のいろはをお話していただく内に、いつの間にか彼女のファンになってしまっていた。彼女の染めた糸や織物を見せてもらって、ついつい撮影までさせてもらった。バルコニーに無造作に並べて転がしただけで絵になる染められし者達。シャッターを切るだけでこんなに主張が伝わってきたのも、あまり記憶にない。うつした写真全てに失敗がない。なんなんだこの引力は。「そのへんの草とか木とか、全部染めてみたくなるわよ♪」とからかう佐々木さんの言葉がウソではないことは、彼女の笑顔と作品たちがしっかりと主張していた。

 この出会いを次に生かす機会を、次回のアワダチ倶楽部にと考えている。まだ部員には伝えていないが、愛すべきセイタカが見事に花を咲かせる今、その雄姿を称えて手元に残す方法はないかと考えた末の「草木染め」。気軽に手軽に思いついたアイデアが、ひょんな出会いももたらしてくれる。毎日が「自然農」の醍醐味。



※佐々木悦子さんの作品展紹介

 ▼『土の味、糸の味』 …栃木県益子市「ギャラリーねこぐるま」にて
   2004年10月27日(水)〜11月21日(日)
 
 ▼『染め・織り布展』 …伊豆高原「ギャラリーぶなの木」にて
   2004年11月5日(金)〜24日(水)
posted by 学 at 17:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 新しき出会い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする