注)記事の日付は太陰暦を用いております

2015年05月13日

日照りと雨の合間の奇妙な光景

弥生二十五日 大雨のち晴れ

 
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 雨を二十日以上待ち続けて、昨晩の台風(低気圧)が去り、ようやく、畑に田んぼに恵みが届いた。

 前日の、昨日の畑。実は奇妙な光景に出会っていた。
 
 雨の降らない空が続き、畑はギリギリまで乾燥していた。普段やらない水遣りも、発芽した芽、育ち始めた幼苗を慮り、数日おきにじょうろで給水していた。10日(日)に畑に出かけ、11日は畑には出なかった。そして12日。枝豆、ジャガイモ、スイカ、トマト、トウモロコシ、ことごとくに、これまでこの時期に見たことが無いような異変が起こっていた。

 まさか、乾燥しすぎ??? 誰かに除草剤でもかけられた??? いやいや、冷静に。そんなわけない。記憶をたどる。乾燥で枯れる時はたしか、薄黄色く、干上がるように、ゆっくりと変色していく。除草剤なら、苗の周りの雑草だって影響を受けずにはいられない。特有の、ケミカルの匂いだって感じられない。 この、一気にクッタリと溶けるような、この感じ。  ・・・溶ける? そういえばこの光景、晩秋によく見かけてきた。まるで、霜にでもやられたような。 霜?? 先日の集合日の実習で、「さすがに遅霜はもう来ないでしょうね」と言っていた矢先の、この症状。

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 土日月とイベント続きで、このところ早朝は寝坊してばかりの日々。早朝の霜など確認していたわけも無く、慌てて気象庁のホームページで確認する。

 >>気象庁 - 過去の気象データ【 2015年5月11日(1時間ごとの値)】

 11日の明け方、気温は5度台まで下がっており、おそらく、完全な霜とは言えないまでも、冷たい露が畑に降りたのは間違いなかった。 春から作付けしていた野菜たちは、いわゆる夏野菜。霜に、冷気に、強くは無い。数年ぶりに襲来したこの時期の霜に、畑の幼い苗は、なかなかのダメージを受けていたのだった。誰かに除草剤かけられた?と、動揺して妄想するほどに。


 しかし自然は巧みである。この4月下旬からのまれに見る乾燥が、発芽時期、芽の生育を遅らせ、結果として、苗が大きくなってはいなかった。これが、毎日水遣りして、発芽を促進し、苗を育て、気候に沿わずに育てていたらどうだっただろう。苗は大きくなり、遅霜の被害も、もっと大きくなっていたかもしれない。台風が去った13日。大雨の恵みを受け、湿潤の土と陽気に覆われた今朝の畑には、幸いなことに、既に復活しようとする作物たちの気配が感じられる。そうだ、自然農は、種を蒔き、草を刈り、季節に従うしかできない。 あれこれ考えるのもアリだけど、どこまでも、主人は自然でいこう。


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 日照りがあり、その結果があり、霜があり、その結果があり、雨があり、その結果がある。自然農は、それに耳を傾けることを肯定していくプロセスなのだから。

 
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第二十候: 立夏次候
【蚯蚓出(みみずいずる)】
=みみずが地上にはい出る=
 (新暦5月10日頃〜5月14日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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2014年10月31日

かれん

閏長月七日 晴れ

 霜はまだ降りてない、ちょっと長めの秋。ともあれ、季節は晩秋、節句は霜降。

 ブリンブリンの枝豆たちが、モリモリに茂る小豆の莢が、朝晩の冷たい露にあたって、それぞれに、とりどりに、枯れ色に染まっていく。

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 枯れん、枯れん、可憐。


 完熟の枝豆は、野菜的な豆の旨みから、穀物的な豆の旨みへ。ぷりぷりから、ほくほくへ。市販の枝豆では決して味わえない、この時期だけの、作り手ならではの、お楽しみ。この時期のスペシャルな楽しみを、週末のつくいちでおすそ分け。可憐な完熟枝豆を、ぶち、ぶち、ぶち。夜が更ける。

 どうか、小雨の降りませんように。


第五十三候: 霜降次候
【霎時施(こさめときどきふる)】
=小雨がしとしと降る=
 (新暦10月28日頃〜11月1日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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2014年07月25日

三日会わざれば

水無月廿九日 晴れ

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 二日前から、暦は「大暑」に入った。

 昨日、こぐま塾サマーキャンプ7月コースを昨日終え、土日祝日のような午前を過ごす。子供たちの布団を干し、下漬けしていたラッキョウの本漬けを済まし、昼飯を家族で軽く済ませて午睡。

 ようやく陽射しが傾き始めた16時ごろ、サマーキャンプ中には作業できなかった畑に顔を出した。3日ぶりの、夏の自然農畑。


 「男子三日会わざれば刮目して見よ」

 三国志演義から引用された慣用句の一つ、呉の魯粛が呂蒙を尋ねた折の呂蒙の言葉。「士たるものは、別れて三日もすれば大いに成長しているものであって、次に会う時には目をこすって迎えねばならない」 というほどの意味であろうか。

 いやはや。「夏の自然農、三日会わざれば刮目して見よ」 だね。今年肝入りの大豆畑、種まきも鳥避けも順調に済み、そろそろ草刈りしないといけないなあ、などと思ってサマーキャンプを迎え、3日後に訪れたら、この様子。

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 大豆の葉も、雑草の葉も、群雄割拠して盛り盛りの草が生い茂って生い茂って。どうすんのこれ(笑)。

 明日のじゃが芋の直売を控え、草刈りを我慢して今日はじゃが芋の収穫に専念。夏のエネルギーはいよいよ極に至り、植物が一年の内で最も生産力を増す時期を迎えている。まさしく、三日会わざれば、といった感あり。草の背たけが、一日ごとに目覚ましく伸張していく。昼間の猛暑に心を折られそうになりながらも、田畑の草たちの攻防を思い出しては、朝に夕に作業に向かうしかないのである。 お前らごめん、もう三日も空けないからね♪


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 おお、草葉の陰に隠れていたキュウリも、こんなに大きくなりまして。ありがたやありがたや。

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2014年07月10日

攻防

水無月十四日 曇り

 ぬるりとした暖かい風が届く台風前夜。濡れては日が差す最良の気候が続く今年の畑では、枝豆(及び大豆)の種まきが最終コーナーを回る頃を迎えている。既に播種して一ヶ月を迎えたものは、本葉の先にぐいぐいと茎と葉を伸ばしはじめた。早朝から午前は田植え、午後から夕方は大豆の豆まき、その他の作業は合間合間、(隙を縫ってのワールドカップ、)という毎日が続いている。

 わが農園での大豆栽培での風物詩と言えば、種まき後の発芽した双葉の芽を啄ばむ雉対策の防護ネット。個人的には鳥とは思えないほど、ほぼ足で移動する雉は、どこかしらの草むらの中に巣をつくり、ひねもす田畑や草むらを散策しては餌を啄ばみ生息している。雉が羽を使って羽ばたくときは、唯一、逃げるとき(しかも十数メートルほど)なのだ。この雉が、いやはや見事なまでに、大豆の芽を食べる。そのため、大豆畑の周囲に地面から高さ50cmほどにネット(あるいは麻布)を張り、横からの侵入を防ぐという防護策を講じてきた。飛ばない雉から大豆を防ぐには、空からの侵入を考慮する必要はなかったのだ。

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 今回、例年以上に作付け範囲を増やして大豆を栽培するにあたり、この防護ネット策は実に的中してきた。ネットを甘めに張った箇所、もしくは後手に回った箇所は発芽するや否や、ひねもす散策しているらしい雉の家族に目ざとく発見され、およそ50%にも昇る被害率で啄ばまれてしまったのに比べ、適切に対応できた箇所は、ほとんど無被害にすることができたのだ。

 そんな折、順調に防護ネットで作付けを進めていた区画で、種まき直後に、植え箇所が何者かに食い散らされる現象が発生した。発芽した後に芽を啄ばむ雉とは違い、明らかに、播いた「豆」そのものを食べに来ている。ネットは問題ない。・・・とすれば、あいつだ。黒く、狡賢く、雉とは違って翼を器用に使いこなす、カラス様。

 異変に気がついたのは数日前。しっかりとネットを張った区画に、どうも、鳥らしい啄ばみ後があり、大豆の播いた箇所が荒らされている。発芽もまだしていないエリアに、丁寧に30cmおきに種を落とした間隔ごとに、播種後に乾燥防止の為に土に被せた刈り草をわざわざ取り除いて、土をほじくって、どうやら豆を食べている。これは雉が入り始めたのか、いやいやひょっとしたらカラスにでもやられたかと、念には念を入れて、鳥避けの反射テープ(天然資材ではないが、妥協して使用している)を、周囲と区画の上空に張り巡らせることにし、被害のあった播き箇所に再度種まきした。

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 その数日後、、、再び被害は繰り返されていた。鳥避けの反射テープ(キラキラテープと呼んでいる)など意も介さず、見事にまた、被せた青草を脇に寄せ、しっかりと大豆の種を啄ばんでいったあとが、畑のあちこちに残されていた。

 
 昨年までの自分であれば、ここで諦めていたかもしれない。しかし、今年の大豆の作付け増量計画を頓挫させるわけにはいかない。そして何よりも、人間様が、カラス様に負けるわけにはいかない。この知恵比べ、果たして何が妙策となるのか、三度の播き直しをしながら、思案を重ね、奇策を思いついた。
 
 カラスは、知恵者であるのに間違いない。戦いは、相手の実力をリスペクトするところから始まる。奴らは賢い。恐らく、キラキラテープの張られた区画を遠目で観察した彼らは、「あのキラキラは気に障るが、あのエリアにはきっと人間どもが食べられたくないような旨い何かがある」と既に知っているはずだと、これまでの(今年だけに限らない)戦いでわかっている。さらに彼らは、「この畑で青草が点々と敷かれてある箇所の下には、何か旨いものが播種されている」と、ここまでわかっているに違いないはずだった。あまりにもピンポイントで狙われており、そのほとんど全てが、(これまでの自然農の作業の手本にしたがって)種まき後に保湿に青草を被せていた箇所なのだ。彼らはその青草を器用に口ばしで避け、土を引っ掻き回し、出てきた種を食べている。

 であるなら、彼らの脳の中にある等式は恐らくこうである。キラキラテープの張ってあるところ=美味しい何かが植えてある。さらに、青草が敷いてある箇所=その土の中にはご馳走がある。

 そこで、一計を案じてみた。大豆を播きなおした箇所には、乱雑に枯れ草を散らして畝の他の箇所と見分けがつかないようにし、大豆を植えた合間合間のなにも播いてない箇所に、従来播きどころに草をかけていたのと同様に青草を敷いてみたのである。まさか、の子供だましのような、それでも大の大人の必死の知恵。

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 <左の雑に枯れ草を散らした箇所に種まきし、右の青草を刈って敷いた下には何もない。>


 こうしてその数日後。遠めに見た畑に、土がほじくられたような箇所があるのがわかった。変な興奮と、万が一の嫌なイメージと共に、思わず駆け寄った。


 そこには、カラスへのカモフラージュで青草を敷いた場所の草が避けられ、土が乱され、明らかに、誰かが何かを探したような光景が広がっていた。そしてその青草箇所の隣の、実際に種を播き、さらに枯れ草を乱雑に散らしておいた箇所は、軒並み無事だったのだ。キラキラテープ+青い草=美味しい大豆、という勝利の方程式を、人間様が打ち破った瞬間だった。朝の畑で、長女と共に見つけたこの光景に、大声でヨッシャーと荒げてしまっていた。「カラスに勝ったー」と、鳥との知恵比べを自慢する父親っていったいどうなんだ、と疑問に思いながら。


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 そんなわけで、日々、戦っておるのです。

 ザマアミローーーー!!!

 
第三十一候: 小暑 初候
【温風至(おんぷういたる)】
=あたたかい風が吹いてくる=
 (新暦7月7日頃〜7月11日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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2014年04月14日

1500

弥生十四日 晴れ
 
 申し訳ないが、自然農のジャガイモはすこぶる美味い。他の栽培方法、普通の慣行農法、有機栽培のジャガイモも良く口にするが、申し訳ないが、存在感がまるで違う。イモがイモとして、「俺たちは本当はこんな味わいだったんだよー」と呼びかけてくるような、単なる甘さや単なる満腹感とは違う、「ふくよかさ」を蓄えているのが、自然農のジャガイモなのだ。
 
 そんなイモの大ファンである妻のリクエストに応えて、今年はジャガイモをどっさり植えることにした。種芋の注文も例年にないほどに増やし、大幅増の1,500個ほどの種芋を植え終わることができた。
 
 いやあ、植え終わったー。一ヶ月前に植え始めた畝はしっかりと発芽が確認できた。その一方で、まだ終わらない種イモを昨日と今日のラストスパートで植えまくった。

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 言葉にならない充足感。当たり前の、当たり前の作業を終えただけなんだけど。それでもこの1,500個は、自分の血肉に、そして収穫へと、つながっているのだ。よー働いた!


第十四候: 清明 次候
【鴻雁北(こうがんかえる)】
=雁が北へ渡っていく=
 (新暦4月9日頃〜4月14日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※


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2014年03月05日

冬草刈り考

如月五日 雨

 冷たく降り続く雨の畑からしばし離れて、このところ進める作業の景色を振り返る。


 2月から3月。冬枯れから春の芽吹きに移行しつつある畑では、春に向けての作業が目白押し。とはいえ野良仕事どっぷりというよりは、作業をする前にしておきたい準備作業といったところの田畑。 昨年のオサボリ具合を反映して畑のあちらこちらに藪が繁茂してしまっているので、まずはぐわわわん、と刈り払い機でなぎ倒すことから始めた。大藪になった区画では表土から全部を刈り取ってしまいたくなるが、雑草の足元には、小さな小さな冬草たちが息を潜めている。絶妙に表土の草たちを残しつつ、古武術の体捌きを思い出しつつ、刈りすぎぬよう、時間をかけすぎぬよう、疲れぬよう、そして何より難易度最上位、娘の退屈の痺れが切れぬよう、スムーズかつ効果的に進めていくのが実に実践的で面白い。

 下草が雑草ではなく越年生の作物だったりする場合には、もちろん刈り払い機をかけることはできない。枯れた茂みをごっそりと刈り倒したくなるようなところでも、実はそこに小さな命が隠れていたりする。

 例えばこの写真。

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 この小藪の中にも、隠れているモノに気を配りながら、鋸鎌で丁寧に草刈りしていく。


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 藪を刈ったその中に潜むその姿、


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 イチゴの苗が隠れていた。


 冬の草刈りは、すぐそこに迫る春を見据えて行わなければならない。作物が残っているような上の例だけでなく、何も育てていない畝でもそれは同じ。そろりそろりと育ち始めている冬草に気を向けることなしに土の表土ごと刈りすぎてしまうと、種まきのハイシーズンに、播種後に被せる青草が足りなくなることもしばしば。とはいえ草刈らずでは種まきができない。草を残し、草を活かし、草に負けず。その頃合の成果を一ヵ月後二ヵ月後の畑に手にすることを楽しみにしながら、この退屈になりかねない草刈り仕事をこなしていくのである。まあ、言葉で言うのは簡単なんだけどね。


 などなどと、凍るような雨を眺めつつ。



第六候: 雨水 末候
【草木萠動(そうもくめばえいずる)】
=草木が芽吹き始める=
 (新暦3月1日頃〜3月5日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

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2014年02月24日

暖かさ

睦月廿五日 晴れ

 いよいよ始まった庭の梅の開花を眺めながら、先日の、珍しくつくばに訪れた大雪を思い出している。

 8日からの降雪の後、まだまだ溶けずに残っていた10日の畑。木陰、草陰、凹凸などで様々に積もる量は当然異なるものの、溶けるところ、残るところに差異が見られてくるのが大変興味深かった。

 植物は、その物言わぬたたずまいから、動物よりも静物と認識されてしまうことが多い。その静物的認識は、例えば体温のようなものにも当てはまる。我々動物は、熱き血潮とも表わされるように、血液が流れ、体温を保持していることを無意識的に認識している。それにくらべて植物は、血は流さないし温もりも感じられないことが多いため、「体温」があることをついつい忘れてしまう。しかしもちろん植物は生き物であり、生き物である以上、生きるための基礎代謝は必要であり、つまりは「温もり」が存在している。

 ふいに訪れた大雪の畑で、そんなことにふと気づかされたのは、雪解けもままならない畝を歩いていてのこと。雪に埋もれた作物を心配し、助けてやらねばとあくせく駆けつけてみると、野菜たちは見事に自らの「体温」で周りの雪をゆるやかに溶かし、その姿を陽射しに照らしていた。

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 このことは野菜たちだけに当てはまることではない。もちろん雑草たちだって体温はある。耕されて、草を取り払われた土は、雪を自ら溶かす体温が存在しない。除草剤、農薬(殺虫剤)が散布される畑は言わずもがなであろう。ときおり、自然農の畑は暖かいと表現されることがある。それは感覚的なものだけではないのだ。雑草が生え、作物が生え、微生物も動き、昆虫も眠るその土は、あふれるように「体温」が存在している。

 雪溶けは、まずは草木のある所から始まる。だからこそ、自然農の畑は暖かいのだ。


第四候: 雨水 初候
【土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)】
=雨が降って土が湿り気を含む頃=
 (新暦2月19日頃〜2月23日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※

 
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2013年12月28日

ふむ

霜月廿六日 晴れ

 ぐん、と冷えてきた。毎朝の霜は言わずもがな、このところ水溜まりには薄氷が張り、霜柱が立つような寒さの朝を迎えている。

 自然農の畑は、優しい。秋口に静かに葉を伸ばした雑草が大地を覆い、羽毛が空気を取り囲んで暖かさを保つように、無理なく、しとやかに、表土を守っている。隣接の畑では、剥き出しに耕起された土が守られる術がなく、霜柱が立ち日照りで溶けての朝晩が毎日繰り返されている。とはいえ、草に覆われているといえども、氷点下を下回るような冷え込みでは自然農の畑でも霜柱は避けられない。特に晩秋に種まきして作物以外には草が芽吹いていないような場所では、雑草の根が土を抱えていないために、草が生えている箇所よりも霜柱が立ちやすい。つまり、もっとも秋深くに種まきした麦の畑で(特にちょうど種まきしたすじにそって)霜柱が立ちやすくなる。

 霜柱は、表面から数mm〜数cmの土を持ち上げる。霜柱で持ち上げられたの麦は、まだ土中に伸ばしきれていない若い根が、朝には凍って押し上げられ、日中は乾き、また翌朝凍り、根を伸ばせずに立ち枯れていってしまう。それを防ぐ手段が、ふみふみふみふみ、冬の麦踏みなのだ。

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 自然農では、畑の中、いわゆる作物を育てる畝の中は基本的には足を踏み入れることをしない。団粒構造が自然に作り上げられる土の上を歩いてしまうと、人間の体重で踏み固めてしまい土が潰れてしまうからだ。なので作業をする時はいつも一段低くした溝を通り、野菜たちのサンクチュアリをなるべく犯さぬよう、大事に大事に見守っている。

 麦踏みは、このサンクチュアリを荒らす、背徳感たっぷりの嬉し恥ずかしのワクワク作業。普段穢すことのない畝に足を踏み入れ、しっかりと、厳かに、麦も土も踏み固めてしまうことのないように優しく優しくふみふみしていく。強く踏んでは土が固くなり、麦の芽も潰し、栽培自体も損なってしまう。しかし程よく体重を乗せることで、霜柱が立たないように土を踏み締め、麦の成育促進を引き出し、一石二鳥の効果を発揮するのである。

 今年は畑に同行した家族3人で、それぞれの歩幅にあわせて麦踏み行脚。ぬけるような青空と筑波颪の中、ふみふみふみ。そのうち有酸素運動効果で体の心からぽかぽかぽかと暖まるのであります。

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 以上、雑草屋個人の経験的見解ですのであしからず。


第六十五候: 冬至 次候
【麋角解(さわしかつのおつる)】
=大鹿が角を落とす=
 (新暦12月27日頃〜12月31日頃)
七十二候を“ときどき”取り入れています※


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2012年11月28日

カラカラ

神無月十五日 曇り時々雨
第五十七候:立冬末候
【金盞香(きんせんこうばし)】
=水仙の花が咲く=
 (新暦11月17日頃〜11月21日頃)

第五十八候:小雪初候
【虹蔵不見(にじかくれてみえず)】
=虹を見かけなくなる=
 (新暦11月22日頃〜11月26日頃)

第五十九候:小雪次候
【朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)】
=北風が木の葉を払いのける=
 (新暦11月27日頃〜12月1日頃)

※今年から七十二候を取り入れてみました※


 氷雨と木枯らしが交互に訪れ、地には霜、空には紅葉、いよいよ農の暦が一巡りを閉じようとする頃となった。畑では大豆がカラリと莢を固め、時折吹き荒ぶ風に豆を弾かせるようになる。びょうと吹き、ぱちりと弾け、雑草の枯れ敷かれた畑に豆が落ちて隠れてしまわないうちに、鎌を走らせて収穫しなければならない。晴れれば木枯しに荒れ、曇れば冷たい雨の落ちる日が続き、手が悴むのを言い訳にしてついつい畑への足が遠のくが、豆のパチリという音が今にも聞こえそうな気がしてきて、なんとかかんとか豆を救出している。

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 大豆は偉い。他の作物のなかなか育たぬ自然農初期の畑でも、肥料はいらんとばかりにすくすく育つ。おまけに自らの根に根粒菌を住まわせ、窒素分を地中に固定する役目も果たす。育てば初秋には枝豆、晩秋には大豆を実らせ、大豆まで至れば、後には豆腐に味噌、醤油をはじめ、日本の食を彩る多才を放つ。自然農の大豆は、豆の風味が格別。今年も冬にこの味を楽しめるのが何よりの楽しみである。

 さてその畑、根粒菌を地下に残して地上部の茎を刈り、刈った後はしばし干す手間をかける。畑に弾ける寸前なので、既にカラリとしているが、まとめて脱穀するにはやはりもう少し乾かせきらねばならない。例年、作付け量によって様々に干し方を代えているが、昨年までは軒下に吊るして間に合ったが、今年は拙宅の庭に筵を広げて乾かすことにした。雨があたらぬよう、つくいちで使用しているテントを屋根代わりに立て、豆の付いた枝を逆さにして束にして、後は待つのみ。枝を降って莢の中の大豆がカラカラといい音を立てるようになれば、脱穀となる。田んぼでは稲刈りを終えてひと月を過ぎる米がいよいよ脱穀と時を迎えようとしており、まとめて作業するには頃合いだね。

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 冬眠してえなあああ、などと熊に憧れてる場合ではないな。仕事じゃ仕事ー。
 
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2012年06月14日

泥縄

卯月二十五日 晴れ

第二十六候:芒種時候
【腐草為蛍(かれたるくさほたるとなる)】
=腐った草の下から蛍が生ずる=
 (新暦6月10日頃〜6月15日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


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 気がつけば梅雨に入っていたそうな。いつの間にか作業に追われているうちに、田んぼの蓮は日に日に根を伸ばし葉を広げ、杞憂を軽やかに吹き飛ばしていく。


 一方畑。豆を播き、播いては雉が啄み、食われては播き直す。始めから、対策をとればよいのに播く段になってついつい億劫怪獣が心の内に語りかけ、大丈夫なんじゃないか、という90%信用できないその声に従い、そしてまた食われる。毎年の、毎年の光景。しかしながら今年は大豆の年と決めた以上、この馬鹿げたやり取りを繰り返すわけにはいかんので、重い腰を周回遅れくらいで上げての雉対策を打つことになる。

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 発芽した、そのぷりぷりでぴちぴちの双葉を、奴らはむしり食う。飛べもしないくせに、翼を持ってるのに歩いて移動しやがり、草葉の陰で発芽した豆を探し回るキジ野郎への今のところの最大の防御策は、ネットの囲みを設けること。逃げるときだけ羽を使い、普段は脚で歩き回る日本の国鳥様は、どうやら自分の背の高さ程度の障害物があるとそれを超えることはできんようなのです。

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〜それだけを しときゃいいのに 後手を打ち〜



 というわけで、ようやく綯い始めた泥縄にて、いよいよ大豆集中播種月間は山場を迎えようとしているのであります。ん、この週末はレッツ息抜きんぐなのでした。また明日の早朝にひと播きしたら一息ついて、フル充填して、また田畑にGOいたします。

 
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2012年05月07日

刮目して

閏弥生十七日 晴れ

※5月6日につくば市北部で竜巻が発生し、北条地域に大きな爪あとを残しました。
幸いながら栗原地区(小生在住)近隣は数時間程度の停電で済みました。
ご心配をいただいた皆様、ご連絡ありがとうございました。
今後の北条地域の一日でも早い復旧がのぞまれます。※


第十八候:穀雨末候
【牡丹華(ぼたんはなさく)】
=牡丹の花が咲く=
 (新暦4月30日頃〜5月4日頃)


第十九候:立夏初候
【蛙始鳴(かえるはじめてなく)】
=蛙が鳴き始める=
 (新暦5月5日頃〜5月9日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※



 あれあれという間に迎えた八十八夜(5月1日)、ちまたのゴールデンウィークに乗りかかり筑波を少し留守にして気持ちを充填させた。戻れば立夏(5月5日)、夏の気がいよいよ立ち、時折雷雨がざぶざぶ降り、昼間の太陽に日よけを差したくなり、家の縁側には網戸が掛かるようになった。

 連休のつれづれには来客も訪れ、やれ苗代作りに蓮根植え、お玉じゃくし掬いにタンポポ摘み、自然農談義から酔っ払い雑談まで、賑やかに過ぎていった。日曜日のつくいちには急な諸事情にて参加できずにとても残念であったが、こうしたトラブルも含めて日々を前向きに、建設的に、自然農の田畑に草木の亡骸が積み重なるように、全てを糧にして生きていきたい。

 足元の雑草は一日一日と緑の量を増やし、毎日田畑を往復するたびにいずれか野菜達が草に囲まれていく。三国志の諺に「男子三日会わざれば刮目して見よ」とあるが、まさしく「草に三日会わざれば刮目して見よ」といった気分である。呉の呂蒙に会いに来て刮目させられたのは魯粛であったが、こちとら毎日、草に埋もれつつある作物を刮目しながら鎌をふるって救出しております。

 
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 貴殿、ここにニンニクを刮目して見よ! 

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2012年04月29日

みどり

閏弥生九日 晴れ
第十七候:穀雨次候
【霜止出苗(しもやんでなえいず)】
=霜が終わり稲の苗が育つ=
 (新暦4月25日頃〜4月29日頃)
※今年から七十二候を取り入れてみました※


 ぐん、と春が盛っている。このところ、日中の気温が上がり汗ばむほどの好天に恵まれ、巷では幾分お手軽に、「夏がきた」かのような言葉を耳にすることも多い。しかし夏というには少々お気が早い気がしないでもない。まだまだ立夏にようやく手が届きそうな程度であり、暑けれりゃ夏、寒けりゃ冬、春なら桜で秋なら紅葉、というようでは、季節感の振り子がいくぶん単純なように感じてしまう。気温が幾ら夏日に近づこうとも、暦は焦らず進んでおり、なにより季節と共に息づく草木たちはようやく春爛漫の口火を切ったところである。少しずつの移り変わりの様を、足元の草たちにどうぞ探してみてください。露地栽培のイチゴはようやく白い花を咲かせ、冬を越したエンドウはいよいよ蔓を伸ばし、苗代からは種籾発芽の第一報が届き始めている。

 旗日の今日はかつての昭和天皇の誕生日であり、みどりの日となり、今では昭和の日となりました。「雑草という名前の草は無い」と植物を愛でられた昭和天皇を偲ばれての、みどりの日のネーミングもなかなか素晴らしいとは思いますが、昭和の日は思惑も含めてそれはそれで良くもあり、少々大雑把過ぎるような気もしないでもないです。そんな4月29日の、みどりの田畑の点景を。

 まずは七十二候の「霜止出苗」のままに、稲の発芽から。

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 続いて各種発芽のオンパレードをジャガイモ、枝豆、インゲン豆の順にて。

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 最後に冬を越していよいよ盛んな空豆、エンドウ豆、イチゴの白い花にてお別れいたします。

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2011年10月06日

真秋テンション

長月九日 晴れ

 昨日のBlogで予防線を張っていたとおり、どっさりと降った雨の後の今日は、予想が外れて暖かな作業日和となった。 玉取に移って4年目の今年の畑も、よく育つものあれば、まだまだ育たぬものもあり、それなりに一様に秋色に染まってきた。真夏、真冬はあるのに、真秋って言葉はないのね。これから一ヶ月ほどは、農作業的には秋真っ只中へ突入です。

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 オクラの取り忘れを、種へ。オクラは花が咲いてから収穫までの足が速く、取り忘れて気がつけば硬くなってしまう。毎年そうして種ばかりが自家採種されていく。パターンとしては悪くないのだけど。


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 アピオス用の支柱を利用して育てようとしたキュウリは、アピオスとの相性が悪かったのだろうか、育つもの育つもの全てが、こんな感じのモンスターに。なんだか異様で、食べるのをためらってしまった。来年からは、キュウリとアピオスを一緒に栽培するのはやめだな。

 秋晴れに、iPodのテクノナンバーがヘビーローテーション。Perfumeと中田ヤスタカで、なぜだかハイテンションで作業が進んでいく。
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2010年05月29日

旺盛なり

卯月十六日 曇り時々晴れ

 このところの少々どんよりとした空に少しだけ甘えて畑を離れてしまうと、草達の勢いの強さに圧倒させられることが多い。野菜達の成長もそれなりでもあるのだが、やはり雑草の旺盛さにはどうにもこうにもまだまだ負けている。それはこの手でいかようにも調整できるような気もし、その手加減をどの程度まですればよいのかを、やはり行きつ戻りつしながら見守る毎日。


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 ジャガイモが、ようやく本調子に向かって背丈を伸ばし始めた。覆い被さらんとするセイタカアワダチソウや、刈っても刈っても下から生えてくるチガヤを、イモに気持ちよく育ってもらえるように鎌を入れてスペースを作ってやる。ぐっと視界が開けて、かつ孤独になり過ぎないように、ジャガイモの株を畑に存在させる。少しずつ、大胆に、ぐぐっと育ってくれますように。俺も気をかけてるからな、と、足りないなりにその思いが届くように。


 隣の畑では、空豆、イチゴが採れどきを迎えている。作業の合間の収穫が、たまらなく美味しい。ご注文は雑草屋本舗にて。お気軽にどうぞ。
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2010年03月12日

セットアップ

睦月廿七日 晴れ


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 ジャガイモの種芋を包丁でカットし、一日から二日ほど陽に当て切り口を乾かす。頃合い良く切り口が乾けば、もういつでも植え時である。カットしてすぐ植えたい場合は、火鉢で燃やした草木灰を、消毒のために切り口につけて植えればよい。
 
 自然農を始めてから、幾つめかの啓蟄(今年は3月6日から)の春。虫に負けじとムズムズしだすのは、やはりこのジャガイモの植え付けをスタートしてからであろう。前年までに幾度も経験していても、種芋は何グラムに切るのだったかを忘れ、植え付けは何センチ間隔だったかを忘れ、植える前日の直前の直前まで畑の作付場所を思案し、ようやく、切り口が乾いて萎みかけた種芋の最初の一個を土に埋める。一個植え、二個植え、十個植えたあたりで、埋め方はこれで良かっただろうかと悩み、十一個めから少し植え方を変えたりもし、二十個あたりからは土との相性もようやく合いだし、スピードは増し、迷いが減り、イモは着実に自然農の畑へ忍び込む。

 ジャガイモは無機質な物質ではなく、どこかで(そのほとんどが道産子たちであるが)たしかに育てられた、その結果の継承である。昨年のその命の成果が、冬を越えて今こうしてついに次のスタートラインに立つ。たまたまの縁で我が家に届き、何の因果か、微生物あふるる、雑草あふるる、自然農の畑に植えられたのだ。また、種芋の外側も決して無機質な土ではない。ジャガイモはただの土の中で養分を吸って成長するというのではなく、土に埋めいれた瞬間にその先住者(微生物、雑草、虫)たちが雑多に棲みかう長屋へ新参者として招かれ、ともに生き、育ち、ジャガイモとして全うしようと共同生活(競争生活かもね)を始めるのだ。今日の昼に植えた百個のイモは、それぞれにその植え箇所の住民たちと顔をあわせ、順応し、この夜を迎えているのだ。・・・と半ばメルヘン、半ば本気にそう思っている。
 
 
 ジャガイモの植え付けが始まれば、休むひまなく、春野菜夏野菜の種播きが一斉に時期を迎え始める。文字通り、今年の農作業の、狼煙が上がる。ここ数日、新しき夜を迎えているのはジャガイモ達だけではない。否が応にも新しきシーズンを迎え、気持ちも、体も、脳内も、全てセットアップして、ジャガイモに負けずに新しい環境、季節へ順応していく。我も。
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2009年10月08日

一過にて

葉月廿日【寒露】 台風のち晴れ 

 ビョウビョウギシギシと夜じゅう吹き荒れた豪雨が走りぬけた朝をしばらく待機し、時折の眩しい残夏の陽射しと暴風がミックスジュースのごとく混ざり合った昼。幾ばくかのワクワクと少々の心配を胸に田畑に歩いた。まるで印象派の名画のごとき、黒雲が駆ける空、湿気に映える筑波山、風に撫でられる秋野原に囲まれた中、前夜の緊迫感にも勝るとも劣らぬ台風一過の寂寥感がなんとも心地良い。

 農園には特段の被害はなし。田んぼでは、なみなみに溢れた雨水と千切れたキラキラテープと突っ伏した案山子を確認。畑では、背丈を伸ばしていた緑肥用のネマコロリが、筑波山に向かって最敬礼を尽くしていた。


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 昨晩来の南風を偲びつつ、倒れそうで倒れない、植物の意地を垣間見た気がした。この敬礼を眺め降ろし賜う筑波山の山神様、今年の筑波颪を少し手加減してくれると嬉しいのですが。


【寒露】…陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也(暦便覧)
     ★雑草屋的季節分布★ 夏:秋=3:7

     寒露とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のこと。
     五穀の収穫もたけなわで、農家では再び、ことのほか繁忙を極める。
     山野には晩秋の色彩が色濃く、はぜの木の紅葉が美しい。
     朝晩は肌にそぞろ寒気を感じ始めるようになる。
     雁などの冬鳥が渡って来、菊が咲き始め、こおろぎが鳴きやむ。   
     ※読み:カンロ
     <参考:【室礼】和のこよみ & こよみのページ
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2009年09月04日

ああ

文月十六日 曇り

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 稲、命(い)の根(ね)の花が、ちらり、はらり、そのうちにまもなく、ぶわり、と咲く。小生の、迷いを置き去りにして、もしくはピタリと沿うように。

 今どこにいるのか。そしてどこに向かうのか。川は流れ、その中で泳ぐのみ。周りに何があるかばかり考え、それにつかまって浮かび上がることばかりを考えて、かえって浮かばぬことに気づかされる。浮かび、泳ぐためには、衣服を脱ぎ去った己の体重と体力と精神と、そしてなにより、今どんな流れで深さであるか、あとは風と空と水にまかせる自身の在り方でしかない。

 自然農を隣に置いて暮らすことや良し。その他に自分を縛るものを削ぎ落とし、纏わり付かせず、何にもとらわれるな。畑に野菜の育たぬことは、故あって故なし。待つ身と、追い求める身と、その己の全てが畑に、ただそのうちに現われるのであり、どちらでもよく、だからこそ自然農に惹かれているのではないか。言葉に、体面に、体裁に、脅かされるのはやめよう。ただ好きで、面白くて、あきることがないのだから。

 「自分を一番自由にしてくれる束縛とは何か? それを大事に思う心を育てよう」

 小林よしのり氏が著書で述べた上の言葉とは、少々文脈は異なるのだが、今の自分が立つこの時と所に、その何かは既に手にしている。まずはそれを大事に思い、それに拠って立ち、生き、そして、それが故に、自然農を隣に置いて暮らすことの喜びを知る。

 明日は満月。そしてまた欠ける。すべては波のごとく。行きて戻りて、また元のままにあらず。自分はいかようにもなれるし、いかようにもならずともよい。そのときどきに立っている、自分を一番自由にしてくれる束縛を愛し、偽らず、あるがままに。

 成功とか、失敗とか、自分こそが、一番とらわれているのだ。何を着飾ろうとしていたのか。羨ましさも認め、妬みも認め、卑屈さも認め、弱さも認め、そして、喜びも認め、優越感も認め、満足も認め、そして今の自分を生きよう。



 ああ、時には言葉をも放り投げて。畑に溺れよう。
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2009年04月30日

しもじも

如月五日 晴れ

 一日前の天皇誕生日の朝。霜、降臨。この時期、この地方ではなかなかに遅い頃の降霜。つくばに戻って久しぶりに対面したら、みんながしおれていた。

 そんなこんなでしばし悲鳴が飛びあっていた休日のつくし農園。霜についていろいろ考えてみました。
 ⇒つくし農園Blog参照


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霜枯れしたジャガの芽


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なんとか無事なジャガの芽



 凹みつつ、楽しみつつ、受け入れながら。レッツ自然農。YES。
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2009年04月22日

しばし

弥生廿七日 晴れ


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 三日前から暦は「穀雨」。晴れが続いては雨を待ち、そのひと雨ごとに草達がぐんと空を見上げる。この時期一番好きな風景が、この、ジャガイモの地割り。力強く、土をかき分けてようやく到達した空気をモグモグと味わっているような、濃緑色の生命力。種播きに追われて脳みそがパンクしそうになるこの頃、その毎日増え続ける発芽をみては安心させられる。


 毎日を田畑に費やすべくこの時期に、しばし姿をくらますことにした。原点と、気分転換と、休息と、再会と、見聞をごちゃ混ぜに予定して、ちょっくら旅にでます。ごめん、お前ら。GWにはたっぷり面倒みるからよ。

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【穀雨】…春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧)
     ★雑草屋的季節分布★ 冬:春=1:9

     穀雨とは、百穀を潤す春雨をいう。
     この頃は春雨のけむるがごとく降る日が多くなり、田畑を潤して
     穀物などの種子の生長を助けるので、種まきの好期をもたらす。
     雨が長引けば菜種梅雨となる。
     ※読み:コクウ
     <参考:【室礼】和のこよみ & こよみのページ
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2009年03月07日

如月十一日 晴れ 時々 強い風

 おとといの晴天、昨日の土砂降り、雨雲明けの今日の春疾風(はるはやて)。ぼうぼうに吹き荒れる午前をさっと耐えて、昼からは凪ぎ、啓蟄の虫のごとく(笑)集まりしプレーヤーの皆さんと畑作業に連なる。

 少しスタートダッシュに出遅れたジャガイモも春分までは植えつけ終えるべく、種芋を切り陽に当てて日光浴。ジャガイモは芽出しとして数日間日光浴させる他、切り口を乾燥させて病虫害を防ぐ知恵ですな。ぽかぽかに並ぶイモはかわいいね。

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 それぞれの畝に挑むプレーヤーさんも試行錯誤が楽しそうで吉、そんな土曜の風景でした。
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