
雨を二十日以上待ち続けて、昨晩の台風(低気圧)が去り、ようやく、畑に田んぼに恵みが届いた。
前日の、昨日の畑。実は奇妙な光景に出会っていた。
雨の降らない空が続き、畑はギリギリまで乾燥していた。普段やらない水遣りも、発芽した芽、育ち始めた幼苗を慮り、数日おきにじょうろで給水していた。10日(日)に畑に出かけ、11日は畑には出なかった。そして12日。枝豆、ジャガイモ、スイカ、トマト、トウモロコシ、ことごとくに、これまでこの時期に見たことが無いような異変が起こっていた。
まさか、乾燥しすぎ??? 誰かに除草剤でもかけられた??? いやいや、冷静に。そんなわけない。記憶をたどる。乾燥で枯れる時はたしか、薄黄色く、干上がるように、ゆっくりと変色していく。除草剤なら、苗の周りの雑草だって影響を受けずにはいられない。特有の、ケミカルの匂いだって感じられない。 この、一気にクッタリと溶けるような、この感じ。 ・・・溶ける? そういえばこの光景、晩秋によく見かけてきた。まるで、霜にでもやられたような。 霜?? 先日の集合日の実習で、「さすがに遅霜はもう来ないでしょうね」と言っていた矢先の、この症状。



土日月とイベント続きで、このところ早朝は寝坊してばかりの日々。早朝の霜など確認していたわけも無く、慌てて気象庁のホームページで確認する。
>>気象庁 - 過去の気象データ【 2015年5月11日(1時間ごとの値)】
11日の明け方、気温は5度台まで下がっており、おそらく、完全な霜とは言えないまでも、冷たい露が畑に降りたのは間違いなかった。 春から作付けしていた野菜たちは、いわゆる夏野菜。霜に、冷気に、強くは無い。数年ぶりに襲来したこの時期の霜に、畑の幼い苗は、なかなかのダメージを受けていたのだった。誰かに除草剤かけられた?と、動揺して妄想するほどに。
しかし自然は巧みである。この4月下旬からのまれに見る乾燥が、発芽時期、芽の生育を遅らせ、結果として、苗が大きくなってはいなかった。これが、毎日水遣りして、発芽を促進し、苗を育て、気候に沿わずに育てていたらどうだっただろう。苗は大きくなり、遅霜の被害も、もっと大きくなっていたかもしれない。台風が去った13日。大雨の恵みを受け、湿潤の土と陽気に覆われた今朝の畑には、幸いなことに、既に復活しようとする作物たちの気配が感じられる。そうだ、自然農は、種を蒔き、草を刈り、季節に従うしかできない。 あれこれ考えるのもアリだけど、どこまでも、主人は自然でいこう。

日照りがあり、その結果があり、霜があり、その結果があり、雨があり、その結果がある。自然農は、それに耳を傾けることを肯定していくプロセスなのだから。

第二十候: 立夏次候
【蚯蚓出(みみずいずる)】
=みみずが地上にはい出る=
(新暦5月10日頃〜5月14日頃)
【蚯蚓出(みみずいずる)】
=みみずが地上にはい出る=
(新暦5月10日頃〜5月14日頃)
※七十二候を“ときどき”取り入れています※